SV650 ABS 738,720円(1月23日発売)
★スズキ SV650 ABS 車両解説
SV650が4ピストンキャリパーの採用などマイナーチェンジ
SV650のルーツは、1999年に発売されたスズキの90度Vツインスポーツモデルがスタートとなっている。国内では一足早く、1998年に発売が開始されていた400㏄版に対する、上級モデルとしてリリースされた(400同様ノンカウルのSV650とセミカウルのSV650Sの2機種をラインナップ)が、依然根強く残っていた国内市場の“ヨンヒャク”、“ナナハン”というクラス構成のヒエラルキーにはあがらえず、間もなくラインナップから消えてしまっている。SV400の方も10年の節目を迎えることなく、2006年12月に生産を終了しているが、こちらは2009年にグラディウスとして復活したといえるだろう。
ただ、SV650も海外でのポジションとなるとまた別で、手ごろな価格で扱いやすく、それでいて性能もそこそこ楽しめる手ごろなミドルクラススポーツとして人気を得ることに成功している。海外ではSV1000の魅力的な弟分としてとらえられていたのだ。
また、2008年9月には、国内市場と同様にSV系エンジンを採用するネイキッドモデルの新型車、グラディウス(SFV650)が登場しているが、SV650はその後も併売され続けており、2015年の11月のミラノショーでは満を持してフルモデルチェンジが行われた。
2016年8月に国内発売が開始されたSV650 ABSは、この海外市場で一足先に登場したモデルそのもので、水冷90度V型2気筒、645cm3エンジンの基本は変わらないが、スズキ二輪車で初めてピストンのスカート部に錫メッキと樹脂コートを施すことで、シリンダーとピストンのフリクションを低減させたほか、発進時や低回転走行時に、エンジン回転数、ギヤポジション、スロットル開度等の情報を用いて、エンジン回転数をわずかに上げる「ローRPMアシスト」を採用し、発進・停車を繰り返す市街地走行等での操作性を向上させるなど、使い勝手の充実を中心にモデルチェンジが行なわれている。
また、最近の乗用車のように、スタータースイッチを押し続けることなくワンプッシュするだけで、ECMがスターターモーターをコントロールしてエンジンを始動させてくれる“スズキイージースタートシステム”も採用。また、ニュートラル時はクラッチレバーを握らなくても始動可能なシステムの導入など、先進の技術を積極的に取り入れるマシン開発が行われてきている。
ちなみにエンジンの基本スペックは、2011年7月に新型となったV-Strom 650 ABSと共通するもので、6速ミッションのギア比等も同一となっている(マシンの性格上ファイナルは異なる)。
また、2018年1月にはアップグレードモデルといえるSV650X ABSが発売されている、SV650 ABSをベースに最近のトレンドである伝統的な外観を取り入れて“ネオレトロ”スタイルとしたもので、定番のビキニカウル風ヘッドライトカウル、セパレートハンドル、タックロールシートなどを採用している。
今回、カラーリングの変更と同時に、ブレーキキャリパーを従来の2ピストンから4ピストンへと強化したほか、マフラーカバーも変更するマイナーチェンジとなった。
★SUZUKI ニュースリリースより (2018年1月22日)
650cc、Vツインエンジンのロードスポーツバイク
「SV650 ABS」を小変更して発売
スズキ株式会社は、650cc、V型2気筒(Vツイン)エンジンを搭載したスリムで軽量なロードスポーツバイク「SV650 ABS」の仕様を一部変更して1月23日より発売する。
「SV650 ABS」は、軽快なハンドリングと俊敏で力強いスロットルレスポンスを持ちながら、扱いやすさも兼ね備えたロードスポーツバイクである。
- ●主な変更点
- ・カラーリング変更
- ・ブレーキキャリパー変更(2ポット→4ポット)
- ・マフラーカバー変更
- ※価格及び諸元に変更は無い。
- ●「SV650 ABS」の主な特徴
- エンジン・車体
- ・645cm3、水冷、90°V型2気筒エンジン
- ・スズキ独自のSCEM(Suzuki Composite Electrochemical Material)メッキシリンダーを採用。フリクションの低減と、高い放熱性、耐摩耗性、気密性を確保。
- ・発進時や低回転走行時に、エンジン回転数、ギヤポジション、スロットル開度等の情報を用いて、エンジン回転数をわずかに上げる「ローRPMアシスト」を採用し、発進・停車を繰り返す市街地走行などでの操作性を向上。
- ・スリムで軽量な車体(装備重量197kg)により、街乗りからツーリングまで幅広い走行条件において、軽快で優れたハンドリング性能を実現。
- ・異形対向4ポットフロントブレーキキャリパーを採用し、直径290mmのフロントダブルディスクと、直径240mmのリヤシングルディスクと共に、強力な制動力とスムーズなブレーキ操作性を発揮。
- 装備
- ・スタータースイッチを押し続けずにワンプッシュするだけで、ECMがスターターモーターを回転させてエンジンが始動する「スズキイージースタートシステム」を採用。また、ニュートラル時はクラッチレバーを握らなくても始動可能とした。
- ・前・後輪に取り付けられたホイールスピードセンサーにより各車輪速度を検知し、ブレーキの効きを自動的にコントロールして車輪のロックを一定範囲内で防ぐABS※を標準装備。
- スタータースイッチを押し続けずにワンプッシュするだけで、ECMがスターターモーターを回転させてエンジンが始動する「スズキイージースタートシステム」を採用。また、ニュートラル時はクラッチレバーを握らなくても始動可能とした。
- ・前・後輪に取り付けられたホイールスピードセンサーにより各車輪速度を検知し、ブレーキの効きを自動的にコントロールして車輪のロックを一定範囲内で防ぐABS※を標準装備。
- ※路面状況(濡れた路面や悪路等)によっては、ABSを装着していない車両よりも制動距離が長くなる場合があります。また、コーナリング中の ブレーキングによる車輪の横滑りはコントロールすることができません。ABSを過信せずに安全運転を心がけてください。
- デザイン
- ・“スリム&シンプル”をコンセプトにデザインされたスタイリングは、すっきりとしたボディラインを実現。幅広いユーザーに受け入れられる、飽きのこないデザインとした。
- 商品名
- SV650 ABS
- メーカー希望小売価格
- 738,720円(消費税抜き 684,000円)
- ※価格(リサイクル費用を含む)には、保険料、税金(消費税を除く)、登録等に伴う費用は含まれない。
- ※メーカー希望小売価格(消費税込み)は、消費税率の変更により変更される。
- 車体色 3色
- グラススパークルブラック/パールグレッシャーホワイト(AGT)
オールトグレーメタリックNo.3(QEB)
グラススパークルブラック(YVB)
★主要諸元
車名型式 | 2BL-VP55B | |
---|---|---|
SV650 ABS(SV650AL9) | ||
発売日 | 2019年1月23日 | |
全長×全幅×全高(m) | 2.140×0.760×1.090 | |
軸距(m) | 1.450 | |
最低地上高(m) | 0.135 | |
シート高(m) | 0.785 | |
車両重量(kg)※1 | 197 | |
乾燥重量(kg) | - | |
乗車定員(人) | 2 | |
燃費消費率(km/L)※2 | 37.5(国交省届出値 定地燃費値 60km/h 2名乗車時)※3 | |
26.6(WMTCモード値 クラス3 サブクラス3-2 1名乗車時)※4 | ||
登坂能力(tanθ) | - | |
最小回転半径(m) | 3.0 | |
エンジン型式 | P511 | |
水冷4ストローク90度V型2気筒DOHC4バルブ | ||
総排気量(cm3) | 645 | |
内径×行程(mm) | 81.0×62.6 | |
圧縮比 | 11.2 | |
最高出力(kW[PS]/rpm)※5 | 56[76.1]/8,500 | |
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) | 64[6.5]/8,100 | |
燃料供給装置形式 | フューエルインジェクション | |
始動方式 | セルフ式 | |
点火方式 | フルトランジスタ式 | |
潤滑油方式 | ウエットサンプ式 | |
潤滑油容量(L) | 3.0 | |
燃料タンク容量(L) | 14 | |
クラッチ形式 | 湿式多板コイルスプリング | |
変速機形式 | 常時噛合式6段リターン | |
変速比 | 1速 | 2.461 |
2速 | 1.777 | |
3速 | 1.380 | |
4速 | 1.125 | |
5速 | 0.961 | |
6速 | 0.851 | |
減速比1次/2次 | 2.088/3.066 | |
キャスター(度) | 25° | |
トレール(mm) | 106 | |
タイヤサイズ | 前 | 120/70ZR17M/C 58W |
後 | 160/60ZR17M/C 69W | |
ブレーキ形式 | 前 | 油圧式ダブルディスク(ABS) |
後 | 油圧式シングルディスク(ABS) | |
懸架方式 | 前 | テレスコピック式 |
後 | スイングアーム式 | |
フレーム形式 | ダイヤモンドタイプ |
※平成28年国内排出ガス規制に対応
※1:装備重量は、燃料・潤滑油・冷却水・バッテリー液を含む総重量となります
※2:燃料消費率は、定められた試験条件のもとでの値です。実際の燃費は、使用環境(気象、渋滞等)や 運転方法、車両状態(装備、仕様)や整備状態などの諸条件により異なります。
※3:定地燃費値は、車速一定で走行した実測にもとづいた燃料消費率です。
※4:WMTCモード値は、発進、加速、停止などを含んだ国際基準となっている走行モードで測定された排出ガス試験結果にもとづいた計算値です。走行モードのクラスは排気量と最高速度によって分類されます。
※5:エンジン出力表示は、「ps/rpm」から「kW/rpm」へ、トルク表示は「kgf・m/rpm」から「N・m/rpm」へ切り替わりました。( )内は、旧単位での参考値です。