もう1つはポイント還元の対象となる商品についてだ。バイクは食料品や日用品のように安くはない。自動車関連諸税の見直しによる効果は、課税対象のすべての四輪車に及ぶが、バイクのポイント還元がすべての車両に及ぶわけではない。重量車と小排気量のコミューターとの価格差は大きいし、そもそもバイクのような高額商品を想定したものではない。2019年度のポイント還元予算案額は総額で2798億円と限りがある。上限の設定は不可避だ。バイクが対象に含まれることがほぼ確実な現状では、購入価格の上限が大きな焦点になる。
購入額と同じように気になるのが、ポイント還元対象だ。新車と中古車は関係者によると「取引上は新旧の区別ができないため、区分することは実質上無理ではないか」という見方がある。ならば、ヘルメットやウエア、シューズやアフターパーツなど用品はどうなるのか。ここも対象に含めてほしいところだ。
キャッシュレス決済の端末導入費用は、中小、小規模事業者に限り、国が3分の1:カード会社などの決済事業者が3分の2の割合で費用全額を負担するため、バイクショップが導入のための費用を新たに準備する必要はない。ユーザーにとっては、ここで便乗値上げが起きない点は安心材料だ。
経産省キャッシュレス推進室は、ポイント還元の詳細な枠組みを2月中に固めて、まずは今年度中に決済事業者の登録を実施。2018年4月からは、決済事業者とバイクショップの契約を開始。9月の消費増税までには準備を整える。