国道414号線は伊豆半島の中央をタテに貫いている。
その傍ら、最初の休憩を湯ケ島・浄蓮の滝の駐車場でとった。春分の時節になったが風は強く冷たい。CB1100のエンジンヘッドをさわりながらこれから向かう天城の山容を眺めた。
早咲きの河津桜を求めてか。
平日の午前中からクルマは多い。中高年夫婦のハイブリッドカー、学生たちのレンタカーが目立つ。
なかに、ぽつねんとCB1100が佇む。
階段を降りて滝を見学し、漫然とわさびの渓谷を歩く。沢を渡ってくる寒気に身震いする。ところが戻りの傾斜はまことに辛く息があがり汗が出てきた。行きはよいよい帰りは‥‥軽い後悔。いきなり峠越えの群像だろうか。
ひと息をつけようと名代のソフトクリームを購入。わさびの味がほのかにする。ところが3分の1も食べたところで身震い再び。さらなる後悔。まだアイスの季節ではなかった。
バイク旅の愉しさ、そこにはいつも自虐と酔狂が伴う。腹にチカラを入れて意を決し、セルを回した。