2018年10月2日
■全国初の公道の斜め駐車 銀座の都内二輪車パーキングチケットで実施
東京都公安委員会が指定する時間制限駐車区間で、バイクの斜め駐車が実現した。場所は銀座8丁目7番地先。通称「銀座御門通り」と呼ばれる一方通行の区道で、高級クラブが立ち並ぶ一角にある。目の前は毛皮専門店とゴルフバー、反対側はホテルという立地に二輪車専用のパーキングチケットがあることも珍しいが、その斜め駐車は全国初の試みだ。
都道府県の公安委員会が指定するパーキングメーターやパーキングチケットは、道路に駐車場所を指定する白線を描き、その枠中に止めることが求められる。駐車区域の指定のない路側帯のない道路の駐車方法は、他の交通の妨害にならないようにしながら、道路の左側端に沿って止めるが、従来の二輪車パーキングチケットも、この原則に沿っていた。
しかし、道路交通法改正で駐車監視員制度が導入された以後も、二輪車駐車場が慢性的に不足した状態が続き、駐車違反取締りは、この10年間で都内登録台数を上回る累積摘発件数となり、数字上は都内のライダー1人1回は駐車違反者となってしまう状況だ。
そのため少しでも駐車できる場所を広げるために、警視庁は独自に斜め駐車の検討を始め、この9月から斜め駐車ができるパーキングチケットに駐車枠を書き換えて対応した。斜め駐車方式にすると、同じ時間制限駐車区間で道路の平行して止める場合より多くのバイクを止めることができる。銀座8丁目のパーキングチケットも従来と同じ区間で、5台から9台に利用可能台数を増やした。
利用手数料は1時間100円で、従来と同じ。9時~21時(元日から1月3日を除く)までの利用時間も変わりない。発券機に記載された駐車枠内に止めてお金を支払う利用方法の案内も、斜め駐車に言及する内容はない。バイクの頭から歩道側に止めることは求めてはいないが、取材した時間に、車道側に頭を向けて止めているバイクはなかった。
パーキングチケットは、領収証をはがした上で車体のみやすいところにチケットを貼付ける。特に二輪車では手数料支払い時には発券機で車両ナンバーを入力することを忘れないように。何らかの理由で車体のチケットがはがれても、領収証にナンバーが印字されて、わかるようになっているからだ。
(取材・文:中島みなみ)