イギリスの天候はオランダなどと同様に変化が激しく、レースウィークのどこかで必ずといっていいほど雨が降る。昨年のように、三日間通して好天のドライコンディションを維持するのは非常に希有な例だ。今年も、決勝レースが行われる日曜はかなり高い確率で雨になると予想されていた。土曜段階では、翌日の雨は100パーセントという情報で、降雨状態でのレース開催は安全上の懸念が大きいことから、土曜の予選終了後に決勝のスケジュール変更が決定した。ちなみに、この土曜午後の予選も、Q2は路面状況の改善を待って当初の予定から55分順延されるという結果になった。
最初のスケジュールでは、日曜はMoto3、MotoGP、Moto2の順で午前のウォームアップと午後の決勝レースが順次行われる予定だったが、新たなスケジュールでは、MotoGPを一番前の時間に繰り上げて、MotoGP、Moto3、Moto2の順番で行うことになった。
日曜になり、MotoGPクラスのウォームアップはドライコンディションを維持したが、続いてMoto3のウオームアップが始まる頃からぱらぱらと来はじめた雨は、やがて絶え間なく降り続くようになった。Moto2のウォームアップ20分間を経て、MotoGPのライダーたちが決勝レースに向けてサイティングラップへ出て行く頃には、すでに一定量降り続いた雨の影響で、路面には水たまりができあがっていた。
11時にサイティングラップへ出た選手たちは、30分後の開始に向けて、一応はスタート進行のグリッドについた。が、この路面状態で決勝レースを開催することは困難との判断からレース開始の延期が決定。選手とマシンはピットボックスへ引き上げていった。
その後、セーフティカーがコースインして路面の水量を確認する走行に出たものの、そのセーフティカーすらがハイドロプレーニングでタイヤを取られるような路面状況だった。 DORNAや関係者、選手たちが何度か協議を行う中で、月曜にレースを順延する案も含めて様々な可能性が模索されたが、最終的に16時をもって全3クラスの開催中止が決定した。