昨年、惜しまれつつも生産終了となってしまっていたSEROW250。伝統の名車であろうと“環境”の2文字の前には、多くのモデルが生産終了に追い込まれてしまったのはまだ記憶に新しい。平成28年排出ガス規制の壁は厚かった。が、ヤマハのSEROWブランドに対する思い入れと、人気を支えて来たSEROWファンの後押しはそれ以上に強かった。
ライダーの身長は173cm。写真の上でクリックすると片足時→両足時、両足時→片足時の足着き性が見られます。 |
環境規制対策の主なポイントは2点。O2フィードバック制御のフューエルインジェクションにより環境性能と燃費性能を向上させているのと、もう1点は蒸発ガソリンの放出を低減するキャニスターの設置で、我々ユーザー的には思いの外“簡単”といえてしまいそうだが、それはあくまで結果論。真のハードルはコストと生産台数との兼ね合いだったはずだ。簡単とはいえ量産モデルとして成立させるには、対策にかかる費用と生産台数でバランスがとれるかどうかだ。年間販売計画台数として公表された2,500台という数字は、そのギリギリの線なのだろう。
さて、新型SEROW250の“新しい部分”は環境対策だけじゃない。一見デザインは何も変わってないようにも見えるが、テール周りはそっくりXT250Xをベースとしたものに生まれ変わっている。SEROWらしさともいえた“中折れスタイル”のテールとはお別れだ。スリムで直線的なスッキリしたテール周りとなっている。また、テールランプもLEDを採用したことで点灯面積が広くなり、被視認性が向上している。
カラーは、「ホワイト×グリーン」「ホワイト×オレンジ」「ホワイト×ブルー」の3色設定。初代から続くSEROWらしい定番カラー「ホワイト×グリーン」、アウトドアギアを連想させ、カジュアル感を持ち合わせたオン・オフ両用カラーの「ホワイト×オレンジ」は従来モデルをベースにカラーとグラフィックをアップデートしている。「ホワイト×ブルー」は街乗りにも映える、さわやかで清涼感あふれるカラーだ。
シート高は足着き性に優れた830mm。シート両サイドのハンドルスタンディングもそのまま。 | 新旧SEROW250のテール周りを比較。特徴的な“中折れスタイル”のテールこそSEROWのイメージというファンも多いが。 | ほぼXT250Xと共通のストレートデザインの新型SEROW250のテール周り。 |
ヘッドランプは60/55Wのハロゲン。オフロードでのスタック時などに活躍する特徴的なスタックバーも健在。 | 視認性に優れたハンドルスイッチ表示。ハンドル切れ角51度はそのまま。タンク容量は9.3リットルに微減。 | メーターのマルチファンクションディスプレイも変わらず。 |
ボトムリンク式リアサスペンション。18インチチューブレスリアタイヤ。 | 最低地上高は285mmと変わらず。排出ガス規制対策が行われた空冷4ストロークSOHC単気筒、249cm3エンジン。同時に2PS/0.2kgf・mアップ。写真をクリックするとキャニスターが見られます。 | 異径2ピストンキャリパーにφ245㎜ディスクブレーキの組み合わせ。 |
■TOURING SEROW250 アドベンチャースクリーン23,436円、ハンドルガード14,040円、アドベンチャーキャリア30,240円、アドベンチャーキャリア用サドルバッグサポート11,880円、アルミアンダーガード19,440円、ビレットラゲッジフックセット3,024円、LEDフォグライトキット35,794円などを装備した“TOURING SEROW250”もスタンバイ。 |
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