2018年7月16日(月曜日・海の日)に、栃木県にあるツインリンクもてぎの南コースで「ホンダコレクションホール開館20周年記念 市販製品特別走行」が開催された。もてぎの敷地内にあるホンダコレクションホールには、数多くのレーシングマシンや2輪&4輪の市販車、さらには汎用機器などがコレクションされている。今回は、その開館20周年を記念して、ホンダ創業期から2010年代までの70年間の歩みを代表する所蔵車両60台を、実際に動いている姿で一般に公開した。 これらの車両を所蔵しているコレクションホール内では、この開館20周年の記念展示も行われている。館内1階の展示エリアは「Honda 夢と挑戦の軌跡」という新しい展示にリニューアルされている。ここはホンダの創業期と、創業者・本田宗一郎の発想とその歩みを当時の時代背景とともにわかりやすく解説している。また、9月12日(水)までの企画展示では、リクエスト展示という形で、これまで行われた企画展示の中からもう一度見たいというリクエストに応えてのもので、ル・マン24時間をテーマにした「栄光のチェッカーフラッグ〜ル・マン24時間レースに挑んだ日本車たち〜」という展示が行われている。表彰台を飾ったマツダ、トヨタ、日産、ホンダのマシンが勢ぞろいという、見ごたえのあるものとなっている。 ■文:青山義明
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ドリームCB400 FOUR(1974年)
時代に翻弄された美しきカフェレーサー
1970年代初めに350、500、750のインラインフォアシリーズがアメリカを中心に各国で販売されていたが、そのCB350FOURをベースに347ccから408ccに排気量をアップし、カフェレーサー風スタイルを取り入れたモデルとして登場。その翌年に国内の免許制度改正が行われ、この408ccモデルは中型免許では乗ることができなくなり、排気量を398ccに変更したモデルと、アップハンドルを装着したこのCB400FOUR IIも併売された。 |
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●エンジン型式︰空冷4ストローク4気筒OHC2バルブ ●総排気量︰408cc ●最高出力︰37PS/8000rpm ●最大トルク︰3.2kg-m/7500rpm ●変速機︰5速リターン ●全長×全幅×全高︰2050×705×1040mm ●軸距離︰1355mm ●車両重量︰185kg ●タイヤ前・後︰3.00-18・3.50-18 ●発売当時価格︰327000円 | ||
ロードパル(1976年)
「ラッタッタ」はファミリーバイクの代名詞
「自転車に乗れる人なら誰でも生活の足として手軽に扱える、操作性と取りまわし性に優れた、社会に役立つ乗りもの」を目指したという原動機付自転車のロードパル。ペダルを数回踏んでゼンマイを巻き、レバーを握ることで簡単に始動が出来る「タップスターター」を搭載し、誰でも簡単にエンジン始動が出来るモデルであった。TV-CMでソフィア・ローレンが発する「ラッタッタ」のフレーズが、当時のファミリーバイクの代名詞にもなった。 |
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●エンジン型式︰空冷2ストローク単気筒ピストンリードバルブ ●総排気量︰49cc ●最高出力︰2.2PS/5000rpm ●最大トルク︰0.37kg-m/3500rpm ●変速機︰自動遠心1速 ●全長×全幅×全高︰1545×600×985mm ●軸距離︰1050mm ●車両重量︰44kg ●タイヤ前・後︰2.00-14・2.00-14 ●発売当時価格︰59800円 | ||
MB50(1979年)
ホンダ初の本格的2ストスポーツ
若者への上級モーターサイクルへのステップアップを促すためのエントリーモデルとして発売されたホンダ初の2ストローク・ロードスポーツ車。フロントにディスクブレーキを装備し、クラス最高レベルの7psを発揮するエンジンと、マスの集中化を実現する高剛性X型バックボーンフレームで軽快な走りを実現した。 |
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●エンジン型式︰空冷2ストローク単気筒ピストンリードバルブ ●総排気量︰49cc ●最高出力︰7PS/9000rpm ●最大トルク︰0.56kg-m/8000rpm ●変速機︰5速リターン ●全長×全幅×全高︰1880×655×980mm ●軸距離︰1215mm ●車両重量︰87kg ●タイヤ前・後︰2.50-18・2.50-18 ●発売当時価格︰136000円 | ||
CB750F(1979年)
ナナハン第二世代のフラッグシップ「エフ」
ナナハンというカテゴリーを確立したDREAM CB750 FOUR の登場から10年。ホンダは空冷4ストローク4気筒DOHC4バルブを搭載したCB900Fを新たなフラッグシップとして登場させた。しかし、国内では排気量の自主規制があったため、排気量を750ccに変更したこのCB750Fを登場させた。これが大ヒットを記録し、国内スポーツバイクのフラッグシップ的存在となった。漫画「バリバリ伝説」で主人公の巨摩郡の愛車としても描かれるなど他にも大きな影響を与えるモデルとなった。 |
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●エンジン型式︰空冷4ストローク4気筒DOHC4バルブ ●総排気量︰748cc ●最高出力︰68PS/9000rpm ●最大トルク︰5.9kg-m/8000rpm ●変速機︰5速リターン ●全長×全幅×全高︰2190×795×1125mm ●軸距離︰1515mm ●車両重量︰247kg ●タイヤ前・後︰3.25-19・4.00-18 ●発売当時価格︰538000円 | ||
CBX(1979年)
究極のX
アメリカ市場での大型車需要が急速に伸び、日本の二輪車メーカーすべてが直列4気筒エンジンをラインアップしている時代。次世代オンロードスポーツのフラッグシップモデルを目指して開発されたのがCBX。ホンダのフラッグシップシリーズのCBに究極という意味を込めてXをつけており、その後展開されるCBXシリーズの最初のモデルとなる。量産2輪車世界初となる1リッター空冷直列6気筒エンジンは性能・スタイルとも他を圧倒し、比類なき存在感を示していた。 |
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●エンジン型式︰空冷4ストローク6気筒DOHC4バルブ ●総排気量︰1047cc ●最高出力︰105PS/9000rpm ●最大トルク︰8.6kg-m/8000rpm ●変速機︰5速リターン ●全長×全幅×全高︰2260×780×1145mm ●軸距離︰1495mm ●車両重量︰247kg(乾燥) ●タイヤ前・後︰3.50-19・4.25-19 ●発売当時価格︰- | ||
スーパーホークⅢ(1980年)
ホークシリーズの最終形
CB400FOURの後継機種として誕生した2気筒3バルブエンジンのホークシリーズの3世代目となるスーパーホークⅢ。フロント・ダブルディスクブレーキ、セミエアサスペンションと足周りに最新装備を盛り込んで性能強化を進めたものの、4気筒マシン全盛の当時、販売台数的には苦戦する状況であった。 |
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●エンジン型式︰空冷4ストローク2気筒OHC3バルブ ●総排気量︰395cc ●最高出力︰40PS/9000rpm ●最大トルク︰3.2kg-m/8000rpm ●変速機︰6速リターン ●全長×全幅×全高︰2115×740×1090mm ●軸距離︰1395mm ●車両重量︰187kg ●タイヤ前・後︰3.60-19・4.10-18 ●発売当時価格︰398000円 | ||
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シビック(1973年)
画期的なCVCCエンジン
自動車の増加による大気汚染に対し排気ガスを厳しく制限する「マスキー法」がアメリカで唱えられ、自動車メーカー各社は一斉に排気ガスのクリーン化の研究を始めることとなった。ホンダは世界の自動車メーカーに先駆けてマスキー法をクリアする画期的な低公害エンジン「CVCC」を完成し、排気ガス中の有害物質をそれまでの10分の1にまで減らすことに成功。そのCVCCエンジンを搭載する市販車の第一弾として、このシビックが登場し、世界の注目・賞賛を浴びることとなった。 |
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●エンジン型式︰水冷4ストローク4気筒OHC2バルブ ●総排気量︰1488cc ●最高出力︰63PS/5500rpm ●最大トルク︰10.2kg-m/3000rpm ●変速機︰4速 ●全長×全幅×全高︰3590×1505×1325mm ●軸距離︰2280mm ●車両重量︰730kg ●タイヤ前・後︰6.00.12・6.00-12 ●発売当時価格︰595000円 ※諸元は4ドアスタンダード4速MT | ||
アコード(1976年)
調和を意味するワンランク上のセダン
シビックをワンサイズアップさせ、より上質な内・外装で新しく登場したのが、「調和」という意味を持つネーミングのアコード。社会のニーズに応え、クルマを取り巻く環境に配慮した「調和」を尊び、低公害エンジンCVCCをシビックに続いて搭載。さらにサイズアップしたボディは、人がゆったりと手足を伸ばせる広々としたゆとりある空間となり、大きくドアが 開き多くの荷物が載せられる広大なラゲッジスペースを有し、特に北米で高く評価された。 |
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●エンジン型式︰水冷4ストローク4気筒OHC2バルブ ●総排気量︰1599cc ●最高出力︰80PS/5300rpm ●最大トルク︰12.3kg-m/3000rpm ●変速機︰4速 ●全長×全幅×全高︰4105×1620×1340mm ●軸距離︰2380mm ●車両重量︰835kg ●タイヤ前・後︰6.15-13・6.15-13 ●発売当時価格︰906000円 ※諸元はSL4速MT |