SEROW250 564,840円(8月31日発売)
★ヤマハ SEROW250 解説
昨年生産を終了したセローが排出ガス規制対策を行って復活
“マウンテントレールモデル”としてセローが生を受けたのは今を遡ること30年前、1985年8月に発売されたセロー225が始まりだった。当時のヤマハのオフモデル、XT200をベースに独自の味付けを施し「マシンを操る楽しさと自然の中に入り込める機能」を売りにデビューしている。それまでのオフ車といえば、しゃにむにオフロードを飛ばすモデルがほとんどの時代。また、かといって難所を乗り越える技を競うトライアル車とも違った、いわば林道程度のオフロードをゆったりと走って楽しむモデル、という独自のコンセプトだった。
ただ発売されるやいなや大人気となったわけではなく、それこそ一歩一歩、林道をゆっくり走るように、徐々にその楽しさに目覚めるユーザーを増やしていった。そして自らが築き上げたユーザーに支えられて30年。2015年には30年を記念したモデルも発売されたのだが…。厳しくなる一方の排出ガス規制を前に、ついに2017年に生産終了。
30有余年のセローの歴史の中でフルモデルチェンジは2005年に行われた一回だけ。225から250へと排気量を拡大した新型エンジンを搭載。XT250Xやtrickerとの兄弟車として登場している。最近のトピックスとしては、2010年7月に25周年記念モデルを発売。セローのイメージ・モチーフである“カモシカ”をアレンジした新グラフィックを採用した。また、2012年1月には、パープリッシュホワイトソリッド1をベースカラーに、グリーンをあしらった(シートをブラックのモノトーンとし、それまでのモデルで人気のあったゴールドホイールを新たに装備)と、もう一色のパープリッシュホワイトソリッド1にレッドをあしらったモデル(レッド×ブラックのツートーンシートに、赤を引き立てるシルバーホイールを装備)をラインナップ。
そしてこの年の8月には、アクセサリーをパッケージングした「TOURING SEROW」も発売している。このモデルは、セローをベースに、ツーリングに役立つ4点のアクセサリーを組み合わせて発売したもので、ノーマルモデルに約5万円のプラスで快適ツーリングが可能になるモデルとして注目された。
2014年1月には、2014年モデルとして、アウトドアイメージのアーガイル調グラフィックを採用した新色のベージュと、継続色のホワイト×グリーンの2タイプを発売。さらに5月には、ヤマハYSPの誕生30周年を記念した限定版も登場している。ホワイト×ブルーのカラー&グラフィックに、記念ステッカーを追加したモデルで、販売はYSP全店から。
2015年4月に発売されたセローの30周年記念モデルでは、マットグレーメタリックの車体色をベースに、シュラウド部に左右非対称のロックパターン、カモシカをイメージさせるグラフィック、ビビッドなオレンジカラーの前後ホイールとハンドルスタンディング、及びシートステッチが施されたモデルだ。受注期間を、3月12日から10月末日までとして発売された。
今回復活を遂げたセローは、排出ガス規制(平成28年排出ガス規制)をクリアさせたのみで、マウンテントレールとしてのセローのスタイル、メカニズムは守り通したといえる。
変更点は、O2フィードバック制御搭載のFI採用で環境性能と燃費性能を向上、キャニスターの採用により蒸発ガソリンの外気への排出を低減、この2点が排出ガス規制対策のメインで、あとはリアフェンダーをロングタイプに延長、テールランプをLED化、これがすべてだ。
★ヤマハ ニュースリリースより(2018年7月25日)
排出ガス規制に適合、従来からの個性を継承し復活
マウンテントレール「SEROW250」を発売
ヤマハ発動機株式会社は、2017年に生産を終了した“マウンテントレール”「SEROW250」を、排出ガス規制に適合させ8月31日より発売します。
「SEROW250」は、「第3次排出ガス規制※」に適合させながらも、自然を楽しむ優れたトレッキング性と扱いやすい走行性といった従来からの特徴を継承しました。
新たな特徴は、1)優れた環境性能と燃費性を実現するO2フィードバック制御のFI、2)蒸発ガソリンの外気への排出を低減するキャニスター、3)新設計のロングタイプのリアフェンダー、4)点灯面積が広く優れた被視認性を備えたLEDテールランプ、などです。
カラーリングは、「ホワイト×グリーン」「ホワイト×オレンジ」「ホワイト×ブルー」の3色設定です。初代から続くSEROWらしい定番カラー「ホワイト/グリーン」、アウトドアギアを連想し、カジュアル感を持ち合わせたオン/オフ両用カラー「ホワイト×オレンジ」は従来モデルをベースにカラーとグラフィックをアップデートしました。「ホワイト×ブルー」は街乗り時でも映える、さわやかで清涼感あふれるカラーです。
※二輪車平成28年排出ガス規制
- <名称>
- SEROW250
- <発売日>
- 2018年8月31日
- <メーカー希望小売価格価格>
- 564,840円(本体価格523,000円/消費税41,840円)
- ※メーカー希望小売価格(リサイクル費用含む)には、保険料、税金(消費税)、登録などに伴う諸費用は含まれない。
- <販売計画>
- 2,500台(国内、年間)
- <カラー>
- パープリッシュホワイトソリッド1(ホワイト/グリーン)
- パープリッシュホワイトソリッド1(ホワイト/オレンジ)
- パープリッシュホワイトソリッド1(ホワイト/ブルー)
- 「SEROW250」フィーチャーマップ
- ・視認性に優れたハンドルスイッチ表示
- ・扱い易い51度のハンドル切れ角
- ・マルチファンクションディスプレイ
- ・60/55Wハロゲンヘッドランプ
- ・スタック時などに頼りになるスタックバー
- ・異径ピストンキャリパー
- ・245mm径ディスクブレーキ
- ・最低地上高285mm
- ・空冷4ストロークSOHC単気筒249cm3エンジン(第3次排出ガス規制対応)
- ・キャニスター
- ・9.3Lフューエルタンク
- ・足着き性に優れた830mmのシート高
- ・LEDテールランプ
- ・新作リアフェンダー
- ・スチール製フェンダーステー
- ・ハンドルスタンディング(左右)
- ・18インチチューブレスリアタイヤ
- ・ボトムリンク式リアサスペンション
★主要諸元
車名型式 | 2BK-DG31J | |
---|---|---|
SEROW250 | ||
発売日 | 2018年8月31日 | |
全長×全幅×全高(m) | 2,100×0.805×1.160 | |
軸距(m) | 1.360 | |
最低地上高(m) | 0.285 | |
シート高(m) | 0.830 | |
車両重量(kg) | 133 | |
乾燥重量(kg) | - | |
乗車定員(人) | 2 | |
燃費消費率(km/L)※1 | 48.4(国交省届出値 定地燃費値※2 60km/h 2名乗車時) | |
38.7(WMTCモード値※3 クラス2 サブクラス2-1 1名乗車時) | ||
登坂能力(tanθ) | - | |
最小回転半径(m) | - | |
エンジン型式 | G3J9E | |
空冷4ストローク単気筒SOHC2バルブ | ||
総排気量(cm3) | 249 | |
内径×行程(mm) | 74.0×58.0 | |
圧縮比 | 9.7 | |
最高出力(kW[PS]/rpm) | 14[20]/7,500 | |
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) | 20[2.1]/6,000 | |
燃料供給装置形式 | フューエルインジェクション | |
始動方式 | セルフ式 | |
点火方式 | T.C.I.(トランジスタ)式 | |
潤滑油方式 | ウェットサンプ式 | |
潤滑油容量(L) | 1.4 | |
燃料タンク容量(L) | 9.3 | |
クラッチ形式 | 湿式多板 | |
変速機形式 | 常時噛合式5段リターン | |
変速比 | 1速 | 2.846 |
2速 | 1.812 | |
3速 | 1.318 | |
4速 | 1.035 | |
5速 | 0.821 | |
減速比1次/2次 | 3.083/3.200 | |
キャスター(度) | 26°40′ | |
トレール(mm) | 105 | |
タイヤサイズ | 前 | 2.75-21 45P |
後 | 120/80-18M/C 62P | |
ブレーキ形式 | 前 | 油圧式シングルディスク |
後 | 油圧式シングルディスク | |
懸架方式 | 前 | テレスコピック式 |
後 | スイングアーム(リンク式) | |
フレーム形式 | セミダブルクレードル |
※1:燃料消費率は、定められた試験条件のもとでの値です。使用環境(気象、渋滞等)や運転方法、車両状態(装備、仕様)や整備状態などの諸条件により異なります。
※2:定地燃費値は、車速一定で走行した実測の燃料消費率です。
※3:WMTCモード値は、発進、加速、停止などを含んだ国際基準となっている走行モードで測定された排出ガス試験結果にもとづいた計算値です。走行モードのクラスは排気量と最高速度によって分類されます。