第95回「モセの虎と龍」
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少数精鋭を地で行く、個性的ですてきな立喰・ソばかりです。中でも東京都区内駅そば七不思議のふたつ(あとの五つは例によって未設定)が王子駅にある駅そば。一つ目はJR東日本管内なのにNRE化していない奇跡的な現象。もうひとつが、食べ○グでは「立食いそば処 王子店」、Re○tyでは「立ち食いそば処 きそば」、諸先輩方のブログでも「王子そば店」「そば処」「立食いそば処」と店名が見事にバラバラなことです。 店頭の表記を店名とするのが一般的です(だから「味自慢問題」が発生したりします。第90回参照)。下の写真をご覧いただければ、店名バラバラ事件も納得です。 |
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王子駅にある駅そばの正面(左)と側面(右)。なるほど。(2010年11月撮影) | ||
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東十条駅。駅番号はJK37。JKと言っても、もちろん女子高生ではなく、JRの京浜東北線の略です。開設当時は下十条駅でしたが、昭和32年に改名しました。東十条駅には両端に改札口があり上野方が南口、大宮方が北口です。北口には海側と山側に出口があるので、「今日も東十条駅の北口で5時!」なんて待ち合わせすると、行ったり来たりすれ違いになるかもしれません。(2007年10月撮影) | 東十条駅の海側には下十条電車区の跡。線路はそのままで車庫代わりに使われています。モセとは電車に書いてある所属の表記で下十条電車区所属と言うことです。下十条ならシモでよさそうなものですがシモは他にあるので、旧仮名遣いの「しもじうぜう」の「も」と「ぜ」からだとか。聞かれててもいないのに、知っていることをひけらかしたいのが鉄の悪いクセです。(2007年10月撮影) | |
いかにも何度も通ったように書いていますが、実は3回ほどしか訪問していません。4回目の訪問ではすでにシャッターが降り、その後二度と上がることはありませんでした。先ほどストリートビューで確認したら、跡地にはテナント募集中の看板が出ていました。中はどうなっているのか、借りるフリして見に行きたい衝動をぐっと抑え、サマージャンボ1等前後賞が当たったら丸ごと買って確認しようと、何かに誓うのでした。 |
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いかにも下町の老舗というオーラーを発するシブイ店構え。店名の書体、のれんも国宝級の貫禄です。(2007年10月撮影) | 大将とセットで世界遺産級の店内。丸さん(高品格)が、かけそばをすすっていそうな雰囲気です。(2007年10月撮影) | |
改めて確認したら、そば谷の閉店は2014年2月28日。もうずいぶん昔のように思いますが、まだ5年も経っていないんですね。虎を失い、孤軍奮闘していた龍、そば清はつい先日の2018年6月9日、半世紀の歴史に幕を下ろしました。まさかそば清までなくなるとは思いませんでした。そば清の牛丼ロスで筆が進みません(言い訳)。なので、若い頃愛車Z400FXでそば清に通ったAB君の訪問記でシメさせていただきます。 『閉店4日前の、そば清へ行ってきました。 お昼とあってか満員で、少し待って入店、カレーを頼んでから、「あっ、ここは牛丼だったんだ」と後悔。ま、しかし、これも最後の一興だとドロドロしたカレーを口に運びながら、はて自身がここに来たのはいつ頃からだったかと考えたのです。学生時代、赤羽の先輩に教えてもらったことを思い出しました。1983年か84年ということになります。 当時の東十条には、マルホンの一発台が多数揃って有名なキング、つぶれそうな50円を売り物にするゲームの店が数店舗あり、その赤羽の先輩の家へ単車でやってきては腹が減ったらそば清の並びに単車を停めて、よく牛丼を食べたのです。いまほど、チェーン店の牛丼が普及しておらず、牛丼にも個人店の「らしさ」を見いだせた時代で、そば清の牛丼は環七ぞい角にあった牛八と並んでとても魅力的だった記憶があります。もしかしたら、時代、時期を間違えている可能性もあるのですが、環七から細い道を入ってきていつもの路地に単車を停めて、パチる、ゲームをする、腹が減ったらスタンドでなにか喰う。まさに、地方から出てきたうだつの上がらない遊びをする大学生そのもの、だったのですね、私は…………。 とまあ、太い麺をすすり、カレーライスをかきこみながら、三十数年前の日々を思い出した次第です。 それにしても、飯田橋に暮らしていた頃の、飯田橋そば、陣太鼓、それらはとっくになくなって、いま思えば、自身の「学生時代」の立ち食いそばの店なぞ、あとどれぐらい残っているか? オリンピックが終わったらみんな終わっていたら嫌だなと思いながら帰ってきました。 王子の乗り換えで、思わず、きそば、もちらつきましたが出来心を制止。今日の朝練は、信越のキザミダブルだったので、やはり自制心は大切かと』 |
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そば谷とはまた異なる赴きの、ザ・昭和立喰・ソのそば清も国宝級。老朽化によって惜しくも6月9日閉店しました。(2018年5月撮影) | ||
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そば清といえば、誰もが食べたであろう特製印度カレー(左 2013年9月撮影)もいいのですが、私が最後に食べたのは牛丼セット(右 2018年5月撮影)。なんとABくんと同様、私もそば清といえば牛丼派でした。ごちそうさまでした。ありがとうございました。 | ||
●幻立喰NEWS2018 牛丼チェーンの龍虎と言えば、吉野家と松屋です。どっちが好きか、大いに好みの分かれるところです。ちなみに私は牛丼太郎派でしたが……牛丼チェーンと立喰・ソといえば、青い吉野家ですが、今や絶滅危惧種です。龍がダメなら虎がある、ということではないのですが、なんと松屋がそば、うどんを扱いを始めました。今のところ外環道とつながり、2018年4月24日新装開店した京葉道路の京葉市川PA店です。3階建ての2階部分にある結構な広い松屋で、タッチ式の券売機で食券を購入し、番号が呼ばれたら取りに行くスタイル。そば、うどんは今のところ京葉市川PA店限定のようです。今後広がるのでしょうか? ちなみに京葉市川PAは、第24回でお伝えさせていただきました旧鬼高PAの生まれ変わりです(上りは幻PAになってしまいましたが、復活するとの噂も?)。24時間営業でうれしいのですが、値段はやや高め。味はそれぞれお好みがあるでしょうから、どうぞ、ご自身の舌でご確認を。ちなみに湾岸線にも市川PAがありますからお間違えなきよう(たしかこちらには立喰・ソあります)。 |
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店内は広くてゆったり。ちく玉天そば590円。ミニ牛丼をセットすると910円。う〜ん、もはや立喰・ソ価格を逸脱していますが、立喰・ソとはどこにも書いてありませんから(笑)。京葉市川PAは、ちょっと複雑な構造で、油断すると変な方に行って可能性もあります。しっかりと進路確認とスピードダウンを。 |