NSF250R 1,749,510円(12月発売)

☆ホンダ・レーシング NSF250R 車両解説

ホンダ・レーシングがMoto3、J-GP3クラス向け市販ロードレースマシン
「NSF250R」を発売開始

来シーズンはいよいよ、FIMロードレース世界選手権(WGP)のMoto3クラスがスタートする。またMFJ全日本ロードレース選手権でもJ-GP3クラスが始まり、2002年にMotoGPクラスで口火を切った、2ストロークから4ストロークへの世代交代がいよいよ最後の仕上げとなるシーズンを迎える。

で、その4ストローク・マシンのレースにむけてホンダ・レーシング(以下HRC)は新開発したNSF250Rを発表した。

正式発売は12月からだが、7月2日から3日にかけてツインリンクもてぎで開催される“MFJ全日本ロードレース選手権第3戦スーパーバイクレースinもてぎ”にNSF250Rのプロトタイプが出場する。出場形態はHRCが製作したマシンを、HRCサービスショップに貸与。所属チームが年間を通してJ-GP3クラスに出場し、実践でのデータ収集を行うとともにポテンシャルの高さを証明していくという。

また、8月26日から28日にかけてスポーツランド菅生で開催される“MFJ全日本ロードレース選手権第6戦スーパーバイクレース in SUGO”からはHRCのサービスショップ11店がNSF250Rの先行量産車で出場する計画になっている。
NSF250Rの開発に当たってのコンセプトは「Next Racing Standerd」。RS125Rで培ったレーシングテクノロジーを活かしながら、優れたコントロール性と高い戦闘能力を高次元で実現しているという。

フレームや足回りなどの基本部分はRS125Rをベースに進化させているのが特徴で、特にホイールはRS125Rと共通スペックで、2ストロークから4ストロークマシンへの切り替えに少しでも負担を減らし、スムーズに移行できるように配慮されている。交換作業の楽なカセットタイプの6速クロスミッションもRS125Rのものがそのまま使用可能という。

エンジンは完全新設計だ。水冷4ストロークDOHC単気筒249ccエンジンは、高出力と優れたレスポンスを実現するために、充填効率の良い前方吸気、後方排気のレイアウトを取り入れ、マスの集中化とエアボックスのスペースを稼ぐため、シリンダーを15度後方に傾斜させるというユニークなレイアウトとなった。バルブは吸、排気ともにチタン製、シリンダー軸のオフセット配置、シリンダー表面にはニッケル・シリコンカーバイド(Ni-SiC)を採用する。

フレームはRS125Rのコンパクトさを継承しつつ、剛性バランスと形状の見直しを行うことでRS125R以上のコーナリング自由度と軽快感を確保しているという。前後サスはRS125Rを基本に専用セッティングを施し、操縦安定性をより高めている。

車体のカラーリングおよびステッカーは撮影用のもの、車体色はすべてホワイトに。
シリンダーを後方に15度傾けて重心の集中化を図るという独特のレイアウトを採用。
車体のカラーリングおよびステッカーは撮影用のもの、車体色はすべてホワイトに。

★HONDA RACING プレスリリースより (2011年6月8日)

市販ロードレースマシン
「NSF250R」を発売

(株)ホンダ・レーシングは、2012年からスタートするFIMロードレース世界選手権(WGP)のMoto3クラス※、およびMFJ全日本ロードレース選手権のJ-GP3クラス用として新開発した「NSF250R」を、本年12月より発売します。

NSF250Rの開発に当たっては、「Next Racing Standerd」を開発コンセプトに、RS125Rで培ったレーシングテクノロジーを活かしながら、優れたコントロール性と高い戦闘能力を高次元で実現しています。

エンジンは、Moto3用に新設計した計量・コンパクトで高出力を発揮する水冷・4ストローク・DOHC単気筒249ccを採用。高出力と優れたレスポンスを実現するために、充填効率の良い前方吸気、後方排気とし、さらにマスの集中を図るためにシリンダーを後方に15度傾斜させたレイアウトを採用しています。

また、高回転域まで高い出力を発揮させるために、低フリクションに寄与するチタンバルブを吸・排気ともに採用。さらに、シリンダー軸のオフセットや、シリンダー表面処理にニッケル・シリコンカーバイド(Ni-SiC)を施すことでピストンとシリンダー間のフリクション低減と耐久性の向上を両立させています。クロスタイプの6速ミッションは、様々なサーキットで最適なギア選択を可能とする、交換の容易なカセットタイプとしています。

フレームは、RS125Rのコンパクトさを継承しつつ、剛性バランスと形状の見直しを行うことで、RS125Rと基本構造を同一としながら、NSF250R専用のセッティングを施すことで、操縦安定性に優れた仕様としています。カウリングは、RS125Rと同等の空力性能を実現するとともに、アンダーカウルには冷却ダクトを設け、エンジンの冷却性能を高める構造としてます。

NSF250Rは、Moto3のレギュレーションに適合する新世代のロードレースマシンとして、ロードレースユーザーの期待に応えるとともに、モータースポーツの活性化にも寄与して参ります。

※Moto3クラス:WGPの125ccクラスに替わるクラスとして、2012年シーズンにスタートするクラス。車両の規則は、4ストローク単気筒エンジンで、250cc以下と定められています。

●メーカー希望小売価格
1,749,510円(消費税抜き本体価格 1,666,200円)
(上記価格には運賃は含みません。別途運賃が必要です)
(NSF250Rはレース専用車のため、一般公道での走行はできません。)

★主要諸元

車名型式 MR03
NSF250R
発売日 2011年12月
全長×全幅×全高(m) 1.809×0.560×1.037
軸距(m) 1.219
最低地上高(m) 0.107
シート高(m) 0.729
車両重量(kg) 84
乾燥重量(kg) -
乗車定員(人) 1
燃費(km/L) -
登坂能力(tanθ) -
最小回転小半径(m) -
エンジン型式 -
水冷4ストローク単気筒DOHC4バルブ
総排気量(cm3) 249
内径×行程(mm) 78.0×52.2
圧縮比 -
最高出力(kW[PS]/rpm) 35.5[-]/13,500
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) 28.0[-]/10.500
燃料供給装置形式 電子制御燃料噴射装置[PGM-FI]
始動方式 -
点火方式 フルトランジスタ式
潤滑油方式 セミドライサンプ四季
潤滑油容量(L) -
燃料タンク容量(L) 11
クラッチ形式 湿式多板式
変速機形式 常時噛合式6段リターン
変速比 1速 1.875
2速 1.524
3速 1.304
4速 1.167
5速 1.077
6速 1.000
減速比1次/2次 2.952×2.333
キャスター(度) 22°36′
トレール(mm) -
タイヤサイズ 90/580R17
120/600R17
ブレーキ形式 φ296mm油圧式シングルディスク
φ186mm油圧式シングルディスク
懸架方式 倒立テレスコピック式
スイングアーム式(プロリンク)
フレーム形式 アルミツインチューブ