Honda 夢と挑戦の軌跡

テーマによって定期的に1階展示エリアの一部がリニューアルされる新展示「Honda 夢と挑戦の軌跡」は、ホンダ創業期の事業足跡を創業者である本田宗一郎、そして技術者である彼を主に営業面で支えた藤澤武夫というホンダの歴史に欠かせない二人の人物の発想と歩みと共に紹介。

●撮影:依田 麗
●問合せ:ホンダコレクションホール TEL:0285-64-0341
http://www.twinring.jp/collection-hall/

中々目に触れることのない展示物、そして二人の肉声も

 1998年に“人の役にたつものをつくりたい”というホンダ創業期からの想いを伝える場所として、栃木県芳賀郡茂木町の国際サーキット・ツインリンクもてぎ内にオープン。ホンダを代表する二輪、四輪、汎用製品、レーシングマシンなど約300点が展示される「ホンダコレクションホール」が開館20周年を迎えた。これを記念し、新展示「Honda 夢と挑戦の軌跡」を公開中だ。

 展示は「夢のはじまり」「夢の実践」「夢の拡大」という3つのテーマで構成。本田宗一郎が18歳の時に働いていた東京の自動車修理工場・アート商会で助手として製作に携わったレーシングカー「カーチス号」をはじめ、ホンダが初めて独自に設計した自転車補助エンジン(試作)、達成不可能と言われた自動車排出ガス規制法を世界で初めてクリアしたCVCCエンジンなど、展示物も時代時代の重要な出来事に沿ったものとなっている。

 また、1959年に初めてマン島TTレースに参戦したRC142、1964年にF1にデビューしたRA271のエンジン設計図面、当時のカタログ、社内報、写真といった中々目に触れることのない展示も新たな試み。さらに本田、藤澤両氏の肉声を聞くこともできる。


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1917年、10歳の宗一郎少年は曲芸飛行ショーを見る。「夢のはじまり」だった


1922年、本田宗一郎はアート商会へ丁稚奉公。カーチス号の製作にも携わる
1917年、10歳の宗一郎少年は曲芸飛行ショーを見る。「夢のはじまり」だった。 1922年、本田宗一郎はアート商会へ丁稚奉公。カーチス号の製作にも携わる。


1947年に自社製自転車用補助エンジンを開発、翌年に本田技研工業は設立された


1949年に発売されたドリームD型はホンダ初の本格モーターサイクルとなった
1947年に自社製自転車用補助エンジンを開発、翌年に本田技研工業は設立された。 1949年に発売されたドリームD型はホンダ初の本格モーターサイクルとなった。


1953年、汎用製品事業を開始。VNC汎用エンジン(1958年)、耕うん機F60(1961年)を展示


1954年、マン島TTレース出場を宣言。未曾有の経営危機に襲われていたホンダの世界一への挑戦が始まる
1953年、汎用製品事業を開始。VNC汎用エンジン(1958年)、耕うん機F60(1961年)を展示。 1954年、マン島TTレース出場を宣言。未曾有の経営危機に襲われていたホンダの世界一への挑戦が始まる。


1963年、四輪事業に進出。発売には至らなかったスポーツ360(復刻モデル)を展示


1972年、CVCCエンジンを発表。ホンダ創立25周年のこの年、社長・本田宗一郎と副社長・藤澤武夫は退任する
1963年、四輪事業に進出。発売には至らなかったスポーツ360(復刻モデル)を展示。 1972年、CVCCエンジンを発表。ホンダ創立25周年のこの年、社長・本田宗一郎と副社長・藤澤武夫は退任する。


1952年、自転車用補助エンジンとして発売されたカブ号F型は、全国販売を展開したことでエンジン、タンク、取付パーツをセットにし写真のように発送。当時、段ボールはまだ珍しかったという


ホンダが世界最大の市場であったアメリカに進出したのは1959年。気軽な足としてホンダ50ことCA100は「ナイセスト・ピープル・キャンペーン」などによって大ヒットとなった
1952年、自転車用補助エンジンとして発売されたカブ号F型は、全国販売を展開したことでエンジン、タンク、取付パーツをセットにし写真のように発送。当時、段ボールはまだ珍しかったという。 ホンダが世界最大の市場であったアメリカに進出したのは1959年。気軽な足としてホンダ50ことCA100は「ナイセスト・ピープル・キャンペーン」などによって大ヒットとなった。

解説パネルと当時の写真

解説パネルと当時の写真

解説パネルと当時の写真

解説パネルと当時の写真
「Honda 夢と挑戦の軌跡」は解説パネルの他にも当時の写真(「ナイセスト・ピープル・キャンペーン」のポスターの前で羽織袴姿の藤澤武夫など)や社内報、設計図面など紹介、思わずその場でじっくり読み入ってしまうほどの工夫も。ホンダの二輪、四輪エンブレムの変遷も面白い。
今後もデモ走行などの記念イベントを実施

特別デモンストレーション走行

 新展示が始まった3月17日(土)と翌18日(日)には、公開記念として中庭ミニコースにて特別デモンストレーション走行を実施、展示の企画内容に合わせてA型、スーパーカブC100、CB750Four、S600、CIVIC CVCCが登場する。独特のサウンド、匂い、その雄姿に来場者を喜ばせた。

 尚、 ホンダコレクションホールは今後も収蔵製品のデモンストレーション走行などの記念イベントを実施。7月16日(月・祝)、9月24日(月・振休)にも南コースにてドリームCB750、CBX1000、カブ号F型、N360、NSXなどの代表的モデル数10台の走行を予定している。

A型(1947年)


A型(1947年)


A型(1947年)

A型(1947年)

A型(1947年)

A型(1947年)

A型(1947年)

その形状から“エントツエンジン”と呼ばれた試作エンジンを経て、初めてホンダの名で製品化された自転車用補助エンジン・A型は空冷2ストローク単気筒のロータリーバルブ。1PS、最高速45km/hと発表された。クラッチ兼用の手動式ベルト変速装置は特許を取得。砂型上下2分割構造の燃料タンクはアルミ製で、巣穴から燃料漏れを防ぐため漆を下塗りしている。ホンダ草創期のエンブレムがかすかに残っている初期A型のアルミタンクも館内「Honda 夢と挑戦の軌跡」では展示されている。

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スーパーカブC100(1960年)


スーパーカブC100(1960年)


スーパーカブC100(1960年)

スーパーカブC100(1960年)

スーパーカブC100(1960年)

スーパーカブC100(1960年)

スーパーカブC100(1960年)

今年、生誕60周年を迎えるスーパーカブの初代モデル(デモ走行車は1960年生産モデル)。本田宗一郎の「手の内に入るもの」というこだわりによって、老弱男女誰もが便利な移動を実現させた大ヒットモデルとなる。当時、50ccクラスでは稀な4ストローク・エンジンを搭載。低燃費と静粛性をもたらす。とても華奢な印象だが、その基本はしっかりと現代のモデルにも受け継がれている。OHVのエンジン&排気音も独特。

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ドリームCB750Four(1969年)


ドリームCB750Four(1969年)


ドリームCB750Four(1969年)

ドリームCB750Four(1969年)

ドリームCB750Four(1969年)

ドリームCB750Four(1969年)真

ドリームCB750Four(1969年)

主にアメリカ市場で欧米の大排気量バイクに対抗するべく開発され、日本では“ナナハン”なる言葉を生み出した記念すべきモデル。GPレーサーを彷彿とさせる4気筒エンジン、量産二輪車初となる油圧式ディスクブレーキを採用。4本のマフラー、威風堂々たるスタイルで日本はもちろん、世界でもバックオーダーをかかえる人気モデルとなった。デモ走行車両はその初期型となる1969年の通称“KO”。

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S600(1964年)


S600(1964年)


S600(1964年)

S600(1964年)

S600(1964年)

S600(1964年)

S600(1964年)

四輪メーカーとして立ち上がったばかりであった当時のホンダの事情を表すかのごとく、初の乗用車となったS500の発売から僅か数か月後に発売となったS600。DOHC4気筒に4キャブレターを採用するエンジンは606ccの排気量から57PSを発揮。チェーンドライブなど、当時の乗用車の常識を覆す様々なアイデアやメカニズムを見ることができる。独自の駆動システム故、発進時にリアが僅かに上がるシーンがデモ走行では見られた。

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シビックCVCC(1973年)


シビックCVCC(1973年)


シビックCVCC(1973年)

シビックCVCC(1973年)

シビックCVCC(1973年)

シビックCVCC(1973年)

シビックCVCC(1973年)

1970年にアメリカで大気清浄法を大幅に修正、可決されたいわゆるマスキー法と呼ばれる世界で最も厳しい排出ガス規制をクリアするために開発されたCVCCエンジン最大の特徴は、副燃焼室方式による希薄燃焼を採用することで、従来のエンジン本体をそのまま使用可能としたこと。1973年にシビックに搭載され発売された。CVCC技術は他メーカーにも公開され、トヨタ自動車も排出ガス対策のひとつとして採用している。

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 開館20周年記念ステッカーをはじめ、ホンダコレクションホールにまつわるグッズ(写真左)をセットにして5名にプレゼント。また、スーパーカブ世界生産累計1億台&誕生60周年記念冊子の改訂版を記念ステッカーとセットでこちらは10名にプレゼント。
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