W800 850,000円(11月1日発売)
★カワサキ W800 車両解説
第3世代の“W”、W800が2012年モデルに
2009年の“ファイナルカラー”をラストに、ひとまず国内販売に区切りをつけていたビッグ・バーチカルツイン、W650。復活を望む多くの声に応えて、排気量アップとF.I.化などにより環境対応を行って2011年2月にW800として再登板している。
カワサキのひとつの顔ともなっているビッグ・バーチカルツイン“W”シリーズだが、意外に発売された期間は短い。
メグロ製作所時代のK2をベースに開発された650 W1登場で初代“W”の歴史が始まったのは1966年。このOHV時代は“W”の黄金時代といえるものだが、前輪Wディスクブレーキの採用が行われた1973年モデルで終焉を迎えている。
そして“ネオクラシック”として初期の“W”のイメージを引き継ぐものとしてベベルギアでカムを駆動するOHCエンジンを搭載する第2世代の“W”、W650が1999年2月に登場する。
新時代の“W”として多くのファンを獲得したこの第2世代のW650だったが、環境規制の強化で2009年に生産中止となってしまったのは記憶に新しいだろう。
ビッグ・バーチカルツインという強烈な個性故に、もっと長い期間存在したかのように思ってしまうが、いずれの期間も10年足らずの輝きだった。名車とはそんなものなのだろう。
それはともかく、2011年2月に環境対応を行って第3世代の“W”として復活したのが現在のW800だ。エンジンは、650時代の675cm3からボアを5mm拡大してボア77mm×ストローク83mmの773cm3と排気量が拡大されているが、第2世代“W”の最大の特徴であるベベルギアによるカム駆動などはそのまま率い継がれていた。
細かい部分をのぞけば、排気量以外で変わったのはキャブレーターからF.I.へ、そしてキックが廃止されたことくらいだろうか。可能な限り“オリジナルのまま”で復活をさせてくれたカワサキの英断は、好調な販売実績を見れば見事に的を得ていたといえるだろう。
そして今回、仕様や諸元はもちろん、カラー&グラフィックもそのままに2012年モデルとしてアナウンスされている。
★KAWASAKI プレスリリースより (2011年9月22日)
2012年モデル W800 新発売のご案内
- モデル情報
- 車名(通称名) W800
- マーケットコード EJ800ACF
- 型式 EBL-EJ800A
- 発売予定日 2011年11月1日
- 型式指定・認定番号 16729
- メーカー希望小売価格 850,000円
- (本体価格809,524円、消費税40,476円)
- カラー(カラーコード) キャンディゴールドスパーク (GLD)
メタリックダークグリーン (GRN) - ■価格(リサイクル費用を含む)には保険料、税金(消費税を除く)、登録等に伴う諸費用は含まれません。
- 【W800】
ヴィンテージバイクの持つ美しさとライディングフィールを徹底的に追求したW800。「W」を象徴する空冷SOHC4バルブ排気量773cm3のバーチカルツインエンジンはバフ研磨にクリアコート、随所にクロームメッキが施され、シンプルなダブルクレードルフレームと大径ホイールとの組み合わせが、オーセンティックでクラシカルな美しさを実現しています。美しい造形のフューエルタンクには、繊細なグラデーションと美しい仕上げが魅力の水転写デカールのグラフィックを採用し、クロームメッキ仕上げのタンクエンブレムが、いっそうの上質感を加えています。また、やや低めに設定されたハンドル位置やシート形状は人間工学に基づいて設計され、自然で快適なライディングポジションを実現。メーターパネルはクラシックな二眼タイプとしながら、メーター内の液晶スクリーンにオドメーター、トリップメーター、時計を表示し、インジケーターランプもメーター内にすっきりと収められています。その他、好みの位置を簡単に調整可能なクラッチレバー、ブレーキレバーや、メンテナンス時に便利なセンタースタンドを装備。ヘルメットロックはアクセス性のよいサイドカバー後ろに加え、シート下にもワイヤー式のロックを採用しています。また、シート下にはU字ロックやETC車載器本体を搭載することができるなど、日常の使い勝手にも考慮しています。
- ■2011年モデルからの変更点
- ・ 主要諸元、カラーリング、価格等の変更はありません。
- ※価格には二輪車リサイクル費用が含まれます。
- ※当モデルは二輪車リサイクル(R)マーク付き対象車両です。
★主要諸元
車名型式 | EBL-EJ800A | |
---|---|---|
W800 | ||
発売日 | 2011年11月1日 | |
全長×全幅×全高(m) | 2.180×0.790×1.075 | |
軸距(m) | 1.465 | |
最低地上高(m) | 0.125 | |
シート高(m) | 0.790 | |
車両重量(kg) | 216 | |
乾燥重量(kg) | - | |
乗車定員(人) | 2 | |
燃費(km/L) | 33.0km/l(60km/h定地走行テスト値) | |
登坂能力(tanθ) | - | |
最小回転小半径(m) | 2.7 | |
エンジン型式 | EJ800AE | |
空冷4ストローク並列2気筒SOHC4バルブ | ||
総排気量(cm3) | 773 | |
内径×行程(mm) | 77.0×83.0 | |
圧縮比 | 8.4 | |
最高出力(kW[PS]/rpm) | 35[48]/6,500 | |
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) | 62[6.3]/2,500 | |
燃料供給装置形式 | 電子制御燃料噴射装置 | |
始動方式 | セルフ式 | |
点火方式 | デジタル | |
潤滑油方式 | ウェットサンプ式 | |
潤滑油容量(L) | 3.2 | |
燃料タンク容量(L) | 14 | |
クラッチ形式 | 湿式多板 | |
変速機形式 | 常時噛合式5段リターン | |
変速比 | 1速 | 2.352 |
2速 | 1.590 | |
3速 | 1.240 | |
4速 | 1.000 | |
5速 | 0.851 | |
減速比1次/2次 | 2.095/2.466 | |
キャスター(度) | 27° | |
トレール(mm) | 108 | |
タイヤサイズ | 前 | 100/90-19M/C 57H |
後 | 130/80-18M/C 66H | |
ブレーキ形式 | 前 | φ300mm油圧式ディスク |
後 | φ160mmリーディングトレーリング | |
懸架方式 | 前 | テレスコピック式 |
後 | スイングアーム式 | |
フレーム形式 | ダブルクレードル |