毎年恒例となっている春の東西モーターサイクルショーだが、開幕を飾る「第34回 大阪モーターサイクルショー2018」が3月16日(金)~18日(日)にインテックス大阪で開催された。
今年最初のトピックを披露する場として注目される大阪だが、今回は過去最多の出展社数を収容するためにインテックス大阪の1~3号館を使用。スケールアップした館内には国内4メーカーはもちろん、輸入車メーカー各社も顔を揃え、国内初公開の車両も交えて見応えのあるラインナップが会場を埋め尽くした。
従来から「CLUBモーターサイクル」というグランドコンセプトを開催テーマに、オートバイを通じたコミュニケーションでクラブ活動のような楽しい「場所」を提供する大阪。今年は「LOVE BIKE」をテーマに、バイク愛を目一杯感じられる出展やイベントも数多く開催された。屋外会場では恒例の「ニューモデル体感試乗会」が実施されたほか、最終日には体験型実技講習会「レディース グッドライダーミーティング」や「親子バイク体験教室」なども開催。ふれあいを大切に、バイク仲間の輪が広がっていた。
ここからは、お待ちかねの各メーカー注目車両を紹介! 関東エリアの方は、翌週末に開催される「第45回 東京モーターサイクルショー」にて現車チェックができるので、気になる車両がある人は会場に足を運んでみよう。
■撮影/原稿:川島秀俊(ライトスタッフHK)
■第34回 大阪モーターサイクルショー2018
http://www.motorcycleshow.jp
Honda
新型フォルツァが本邦初公開!
話題のバイクも実際に触れて実感
昨年秋に開催された「第45回東京モーターショー2017」に参考出品されたスーパーカブC125やモンキー125などが、軒並み市販予定車となって大阪に登場! それらの最前列には国内初公開となる新型フォルツァが並び、熱い注目を集めていた。発売間もないCB1000R/250R/125Rや新型PCXも見られることから、購入前の品定めに来場する人も多かったようだ。
FORZA
今回のショーが日本初公開となった新型フォルツァ。従来モデルよりもコンパクトな車体はシティコミューターとしての利便性が高く、PCXから違和感なくステップアップできる車格にリファインされている。エンジンのトルクコントロール機構や上下する電動スクリーンなど、実用的な装備も充実! 国内での正式発表は5月頃で、今夏の発売を予定しているとのことだ。
Super Cub C125
昨秋の東京モーターショーではコンセプトモデルとして展示されたスーパーカブC125が、いよいよ市販予定車となって触れる状態で展示! 往年のデザインを現代風にアレンジしたスタイルは老若男女に受け入れられそうだ。発売は夏頃と予想されている。
Monkey 125
惜しまれつつも絶版となったモンキーが、125ccにスケールアップして帰ってきた! 展示されていたのは昨秋の東京モーターショー出品車と同じだが、扱いはコンセプトモデルから市販予定車へと変更。跨いで実感することができ、そのサイズ感を確かめるファンが列をなした。発売は夏頃を予定している。
CB1000R
CB250R
CB125R
新世代ネイキッドスポーツとして注目されるCB1000R/250R/125Rの3兄弟が堂々の横並びで展示。すでに発表はされているものの、現在発売しているのはCB125Rのみ。4月2日に発売されるCB1000Rはマフラーや外装のカスタム仕様を展示し、買ってからの楽しさを刺激してくれた。CB250Rの発売は、やや遅れて5月22日となっている。
PCX
ショーの前日に発表されたばかりのPCXに、大型スクリーンやトップケースなどのアクセサリーを装備して展示。フレームから新設計となっており、リアサスペンションのストロークアップで乗り心地も向上している。正常進化した流麗なスタイリングは、好調なセールスを期待させるものだ。PCXの発売日は4月6日、PCX150は4月20日となっている。
その他ホンダブースでは、フルモデルチェンジしたゴールドウイングや、市販予定車として準備されるPCXハイブリッド/PCXエレクトリックなど、まだ公道で見ることのできない車両が目白押し! 話題性に富んだ車両が満載で、ファンを大いに賑わせてくれた。
YAMAHA
純正オプションとの融合で
カスタマイズの可能性を提案
ワールドプレミア的な展示はなかったものの、純正オプションブランド「ワイズギア」とのコラボで外装をモディファイした車両を大量に展示。普段は店頭でもなかなか見られないオプション仕様は、違った角度で新鮮さを打ち出す内容だ。昨秋の東京モーターショーに参考出品されたナイケンについては、国内仕様を年内発売すると大阪で発表された。
NIKEN
MT-09系エンジンを搭載する大型3輪スポーツモデルが関西初上陸! すでに欧州モデルの発売がアナウンスされており、展示されていたのはその欧州仕様の試作車。今回のショーでは、国内仕様を年内に発売すると正式に発表! このエキサイティングなマシンが、いよいよストリートへ走り出す。
MT-09 SP
高い人気を誇るMT-09の上級装備モデル。オーリンズ製リアサスペンション、KYB製フルアジャスタブルフロントフォークを採用し、優れた走行性能を追求。MT-10SPと同じヤマハブルーと金属調シルバーを基調にした専用カラーリングが施され、ひと目でSPと分かる存在感を放っている。
TRACER 900 GT
MT-09シリーズのグランドツアラーとして好評のトレーサーが、欧州主導にてマイナーチェンジを実施。おもに快適装備が充実しており、上級仕様のGTにはパニアケースやフルカラー液晶モニター、クルーズコントロール、リモートプリロードアジャスター付きリアショックなど豪華な機能が標準装備となる。
XMAX
コンパクトな新型250ccスクーターとして注目のXMAXは、ワイズギアのオプションパーツを装着して展示。足着き性を向上させるローダウンサスペンションキット、タンデム走行で安全性がアップするバックレストなど、人気のオプションがリアルに体感できた。
その他ヤマハのブースでは、XSR700ABSのカスタマイズコンセプトモデル「FASTER SONS」を筆頭に、ワイズギアのカスタムパーツ装着モデルを多数展示。自らのライフスタイルをより強く表現するため、さまざまなアプローチから既存ラインナップを新鮮に見せてくれた。
SUZUKI
ワクワクを体感する仕掛けで
スズキワールドを満喫!
今回は既存モデルの展示が中心となったスズキ。新型車トピックがないぶん、もっとバイクへの「ワクワク」を実感してもらおうと、漫画家の東本昌平氏による特大パネルを用意してインスタ映えする撮影スポットをセッティング。SV650X ABSやGSX-S1000ABSに跨り、マンガの1コマになった気分で思い出のショットが撮影できた。また、VR体験コーナーや売店ゾーンなど、イベントならではの趣向もファンには好評だった。
GSX-R125 ABS
GSX-S125 ABS
今年、スズキは125ccクラスに力を入れており、昨年末に発売されたGSX-S125 ABS、さらに今年の1月に発売されたGSX-R125 ABSの兄弟モデルが注目の的。特に発売間もないフルサイズ125ccスポーツのGSX-R125 ABSは、スズキのレーシングスピリットを継承するGSX-Rシリーズの末弟としてスタイリングも本格的。お値打ちなプライスも魅力的なだけに、ビギナーからベテランまで幅広く楽しめそうだ。
GSX-R1000R ABS
2018年モデルにて、MotoGPマシンと同じカラーリングが登場! まさにワークスイメージとなるトリトンブルーメタリックの車体は、今回のショーが国内初披露となる。先進のブロードパワーシステム、モーショントラックTCS、モーショントラックブレーキシステムなどの電子制御を搭載し、ハイスペックなスーパースポーツカテゴリーを牽引している。
GSX-RR
2018年シーズンを戦うスズキのMotoGPマシン。ライダーは#29アンドレア・イアンノーネ選手と#42アレックス・リンス選手で、昨年の日本GPでは4位と5位に入る健闘を見せた。着実にマシン性能は向上しており、電子制御技術を含めてさまざまなノウハウが市販車へフィードバックされている。
Swish
昨秋の東京モーターショーに参考出品された125ccスクーター。大阪のショーでも参考出品という扱いだが、ほぼ市販予定車としてリサーチを実施した状況だ。燃料タンクをフロア下に設置して広いトランクスペースを確保。LEDのヘッドライトやポジションライトバーを装備するなど、優れた機能性とルックスを両立している。発売時期は、まだ未定。
SUZUKI その他
来場者が長蛇の列を作ったVR体験コーナーでは、ケビン・シュワンツのライディングにてフィリップアイランドのコースを周回する映像を疑似体験! おりもとみまな氏の人気マンガ「ばくおん!!」のキャラクターが“聖杯”と呼ぶ湯呑みも巨大なオブジェとしてフィーチャーされ、撮影スポットとして賑わっていた。ちなみに“聖杯”ことスズキ湯呑みは会場限定にて実際に販売されていた。
KAWASAKI
フルオプション仕様を用意し
さまざまなライフスタイルを提案
発表済みの車両ばかりとはいえ、昨年末の発売で即バックオーダーとなったZ900RS、発売間もない最新ミドルスポーツのNinja400/250、スーパーチャージドエンジンを搭載するメガスポーツツアラーのNinja H2 SX SEなど、話題の車種が目白押し! なかなかお目にかかれないフルオプション装備の車両も4車種ディスプレイし、ライフスタイルに応じたカスタマイズを提案してくれた。
Ninja H2 SX SE
発売間もないNinja H2 SX SEをフルオプション状態にカスタマイズして展示。コーナリングランプはリーン角に応じて3段階に点灯する仕組みで、ターンテーブル上にてデモ発光させていた。Ninja H2がベースのように見えて、実はフレームからスーパーチャージャーの設計までツアラーとして見直しを実施。欧州ライダーをも唸らせる存在は、羨望の眼差しに囲まれていた。
Z900
今回のショーで一般に初公開されたZ900。先に発売されて大人気となっているZ900RSのベースモデルで、車体の基本構造は同じながら出力はこちらが10ps上回る。スーパーネイキッドらしいスパルタンなスタイルはZ800譲りだが、新設計フレームの恩恵もあって車重は21kgもの軽量化を実現する。発売は4月2日。
Z900RS
往年のZ1を彷彿させる、ネオクラシックなスタイルで昨年12月1日にデビュー。年内販売分を即完売した勢いのまま、今年もバックオーダーが続く超人気のバイクだ。今回のショーではフレームスライダーなどの人気オプションを装着したモデルを用意し、アパレルとコーディネートしてリアルなライフスタイルを提案してくれた。
Ninja400/250
2月1日に発売されたばかりのNinja400&250は、クラストップの性能を争う最新ミドルスポーツとして話題の存在。多くのライダーが購入候補にしていることから、会場では足着きやポジションを確認する様子が目立っていた。壇上に設置されたNinja400はフルオプション仕様で、フレームスライダーや大型ウインドシールドなどを装着。これもライフスタイルの提案として、アパレルとセットでアピールしていた。
硬派な漆黒の壁の中央にNinja H2 Carbonを掲げ、カリスマ的なオーラを放つカワサキブース。コンセプトワードの「ライディオロジー」を掲げて独自性をアピールしながら、大阪/東京のショーに連携して「Kawaジャンが当たる!!」キャンペーンを展開していた。3月31日までQRコードからプレゼントに応募することができる。
BMW Motorrad
日本初公開となる3台
F850GS/750GS、C400X参上
すでに欧州で発表されていた話題の新型車両、F850GS/750GSとC400Xが遂に日本で初公開された。限定モデル「BMWスペツィアル」が設定されるR1200RT、K1600GT、K1600GTLやショー初日に発売日を迎えたK1600グランドアメリカなども跨がれる状態で展示。既存の人気モデルも多数揃い、ファンの目を楽しませてくれた。
F850GS
F750GS
従来モデルから50ccの排気量アップをしただけではなく、設計から見直しを実施。エンジンは360度クランクから270度クランクへ変更され、より低速での粘りと軽快なエキゾーストを手に入れた。F850GSは新たに電子制御サスペンションのダイナミックESAやクルーズコントロールなどの快適装備を充実させ、フラッグシップのR1200GSに迫るツアラー性能へと進化! ライダーの好みで、軽快なF850GSを選ぶという選択肢ができる。
C400X
BMW Motorrad初となる、普通二輪免許で乗れるスクーター。排気量は350ccで、GS系譲りのアドベンチャーなディテールを都会的なセンスでまとめ上げる。シート下には特許取得の収納機構が装備され、停車時に底面を押し下げることでフルフェイスヘルメットの収納が可能! 走行時はヘルメットを取り出して底面を戻すため、スッキリしたフォルムとメットイン機構を巧みに両立している。展示車は標準仕様のメーターだったが、オプションにてGS系に採用されるTFTモニターを装着することも可能。専用スマホアプリと連携すれば、ナビ案内をメーター画面に表示することができる。
HARLEY-DAVIDSON
ソフテイルシリーズが一新!
カスタムコンテスト入賞車も注目
2018年モデルから、ソフテイルシリーズを一新したハーレーダビッドソン。タイヤ、タンク、ハンドルなどが異なることで、全く違ったキャラクターにモデル展開している。しかし、それらのベースは同じソフテイルのシャシーということで、ストリップモデルをガラスケースに収めて展示していた。また、正規ディーラー53店舗が参加したカスタムコンテスト「BATTLE OF KINGS 2018」の表彰も代表のグレッグ・ウィルス氏を迎えて実施。一般投票によって審査されたスタイリッシュなカスタム車が中央に飾られていた。
HARLEY-DAVIDSON FORTY-EIGHT
ANNIVERSARY X
STREET GLIDE ANNIVERSARY V
115周年記念の限定モデル2台を展示。3月末には全国ディーラーにて115周年記念イベントがスタートする。
DUCATI
多彩なバリエーションを展開
ドゥカティレッドに彩られたスポーツバイクの展示と、カジュアルに演出されたスクランブラーの展示で個性を分割。それぞれの世界観を大切にすることで、バイクの魅力を理解してもらうコンセプトだ。
Panigale V4 S
昨年末に発表されて話題となった、ドゥカティの新型スーパースポーツ。伝統のLツインからV4へとエンジンをスイッチし、その走行性能は新たな次元に突入した。上級モデルの「S」には、オーリンズ製の電子制御サスペンション&ステアリングダンパー、鍛造アルミホイール、軽量なリチウムイオンバッテリーなどが装備される。
TRIUMPH
新型タイガーがデビュー!
カスタムテイスト溢れるクルーザーやネオクラシック、カフェレーサーのイメージを前面に押し出すトライアンフ。個性を求めるライダーに好評で、英国の上品なブランドイメージが年配ライダーに好評だ。
TIGER800
欧州で発表された新型タイガー800が、発売前にひと足早く公開! 伝統の3気筒エンジンはレスポンスが向上し、1速のローギアード化で俊敏な走りが味わえる。レベル調整式のABSやトラクションコントロールなど、電子装備も充実。他にも多岐にわたるリファインが施されており、快適なツーリングが楽しめそうだ。
KTM
目の覚めるオレンジ軍団!
すでに発表されていた新型の790デューク、まだプロトタイプの790アドベンチャーRを壇上にセット。フラッグシップの1290スーパーデュークRからミニモトクロッサーまで、多種多様なモデルがひしめき合っていた。
用品&パーツ出展ブース
今回の大阪モーターサイクルショー2018は過去最大の出展社数となったため、イベントステージを中心にした催し物ゾーンを新規の3号館に集中。人気のアウトレットセールやメディアPRブースも3号館に集められた。1・2号館には車両メーカーと用品&パーツメーカーを集約。最新ヘルメットやウェア、インカム、各種チューニングパーツまでも一堂に網羅し、土日は大変な混雑ぶりとなった。屋外では恒例のニューモデル試乗会が16日/17日に開催され、最終日の18日には同会場でレディーススクールや親子バイク体験教室を開催。大迫力のトライアルデモンストレーションも実施された。