2017年11月7日 

■高橋 巧、全日本ロード最高峰クラスで念願のタイトル獲得!

 11月5日、三重県の鈴鹿サーキットで開催された全日本ロードレース選手権・第9戦「第49回 MFJグランプリ」は2017年シリーズ最終戦。J-GP2クラスは水野 涼(MuSASHi RT HARC-PRO.)が前戦すでにチャンオピオンを決めていたが、他3クラスはタイトルを懸けた戦いが展開される。

 最高峰クラスのJSB1000は例年通り2レース制。いずれのレースもディフェンディング・チャンピオンの中須賀克之(YAMAHA FACTORY RACING TEAM )が優勝を飾るも、今シーズンは9レース中5勝の最多勝ながら、タイヤ径の変更(16.5→17インチ)による僅かなフィーリングの違いで転倒による取りこぼしも多く、シリーズ6位に終わる。一方、最終戦で逆転を狙うランキング2位の高橋 巧(MuSASHi RT HARC-PRO. Honda) は両レース2位でフィニッシュ。ランキングトップながら投入した新型マシンのポテンシャルを引き出すことに苦しみ8位/5位と奮わなかった津田拓也 (ヨシムラスズキMOTUL )のポイントを逆転し、2017年シーズン・チャンピオンの栄冠を手に入れた。高橋にとって2009年から参戦を開始したJSB1000クラスで初のタイトル。また、ホンダにとっては同クラス6年振りのタイトル獲得となった。

 尚、ST600クラスはヤマハYZF-R6 を駆る参戦4年目の前田恵助(伊藤RACING・GMDスズカ )が、J-GP3クラスは3ポイントビハインドで挑んだ伊達悠太(BATTLE FACTORY)が逆転でタイトルを獲得している。

高橋 巧のコメント(JSB1000クラス・チャンピオン)
「ここ何年も悔しいシーズンが続いていましたが、やっとチャンピオンを獲得できました。本当に嬉しく思います。レース1でランキングトップにたったことで少し気持ちが楽になりました。レース2はポイント差を気にせずに勝つことだけを考えて自分のレースをしました。最終戦で優勝することは出来ませんでしたが、最後まで全力を尽くしました。応援してくれたファンの皆さん、支えてくれたチーム・スタッフに感謝したいと思います」
前田恵助のコメント(ST600クラス・チャンピオン)
「昨年、チャンピオンを獲り損なったこともあり、本当にすごくうれしいし、最高の気分です。今シーズンは、もてぎで全日本初優勝を獲得し、その直後のオートポリスで崩れてしまったのですが、岡山国際で2勝目をあげ“いける”という感触を掴みました。この最終戦は、優勝がなくそれを求めるが故に、自分にプレッシャーをかけた昨年と違い、不安はなく、グリッドでも皆さんの声に励まされ落ち着いてスタートを切れたのですが、序盤はガチガチで攻めることができず、ポジションを落としてしまいました。ただ4番手に落ちた時に、“何をやっているんだ”と我に返り、一気に緊張が解け、優勝こそ逃しましたが、表彰台に立ってチャンピオンを決めることができました。うれしいのですが、僕はもっと上のクラスで勝負したいという気持ちがあります。だからこそ、このタイトルでようやくスタートラインに立ったという感じです。もし今後、ステップアップの機会があれば、全力を尽くしさらに成長していきたいと考えています。最後に伊藤監督をはじめ、支えてくれたすべての方に感謝します。1年間、ありがとうございました」
伊達悠太のコメント(J-GP3クラス・チャンピオン)
「混戦のレースになり、自分のペースを作るのが難しいレースでした。それでも、常に前に出ることを意識しながら走りました。最終ラップに勝負をかけて前に出ることは決めていて、作戦通りに勝つことが出来てよかったです。自分はミニバイクでチャンピオンになった経験はありますが、それ以外はなく、タレントカップでもラインキングトップで最終戦に挑んで転倒してしまって、チャンピオンになれなかったので、今回は、しっかりとタイトルが取れてうれしいです」