XSR700 ABS 899,640円(11月6 日発売)
★ヤマハ XSR700 ABS車両解説
MT-07にも一族誕生“Neo Retro”スポーツXSR700 ABSを国内発売
「ネイキッドとスーパーモタードの異種交配造形による個性的なデザイン」を持つマシンとして、2014年8月、MT-09の弟分といえるMT-07シリーズが発売された。3気筒、846cm3のMT-09に対して、MT-07は、689cm3の排気量を持つ水冷直列2気筒エンジンを搭載する“スポーツパッション&スマート”をコンセプトとしたモデルだった。
2気筒と3気筒という違いはあるが、クロスプレーン・コンセプトの設計思想により開発されたエンジンなど、MT-09との共通項は多い。日常の使用領域でパワフルながら扱いやすいエンジンを、軽量、コンパクトでスタイリッシュな車体に搭載する、というモデルだった。
このMT-07、MT-09同様“基本プラットフォームをベースにバリエーション展開の拡大”を狙うというヤマハの“中期経営計画”を実現する戦略モデルの第二弾と思われたのだが、MT-09ほどことは進まず、今回やっとXSR版が登場することになった。しかもこのモデルは一足先に欧州おいてすでに発表されていたモデルで、北米仕様の発売がスタートするのに合わせて国内仕様もやっと発表された感がなきにしもあらず。ここら辺、順調にグローバル路線を展開するMT-09一族との温度差がちょっと気になってしまうところだが、やはり日本ローカルといえるナナハンクラスのマシンの宿命なのかもしれない。
それはともかく、MT-07一族モデル初の誕生は素直に喜びたい。XSR700 ABSの概要は、XSR900のケースと同様、MT-07のコンポーネントをベースに、オーセンティックな外観とオールラウンドな性能をバランスよくまとめ上げた“Neo Retro”ロードスポーツというところ。手ごろなパワーや扱い易さはさすが“ナナハンクラス”ならではのまとまり具合といっていいだろう。
★YAMAHA ニュースリリースより (2017年10月4日)
“オーセンティック”なスタイリングに688cm3水冷2気筒エンジンを搭載
“Neo Retro”ロードスポーツ「XSR700 ABS」を新発売
ヤマハ発動機株式会社は、“オーセンティック”なスタイリングに水冷・4ストローク・直列2気筒DOHC・688cm3・270度クランクエンジンを搭載し、欧州でも人気のロードスポーツモデル「XSR700 ABS」の日本仕様を11月6日より発売します。
「XSR700 ABS」は“Urban Casual Retro-ster”をコンセプトに開発しました。「MT-07」をベースモデルとしながらも、オーセンティックな外観、街中もリラックス&カジュアルに楽しめる性能、カスタマイズの可能性を想起させるボディ構成を調和させたモデルです。
主な特徴は、1)ホリゾンタルスタイルを踏襲したボディライン、2)タンクサイドカバーやフロントフェンダーステーなどへのアルミパーツの織り込み、3)水冷2気筒688cm3“クロスプレーン・コンセプト※”エンジンの搭載、4)カジュアル&スポーティな走りを支えるディメンション、5)カスタマイズを想起させる独立した構成のパーツ類などです。カラーリングは、ガレージビルド感を表現する「マットグレーメタリック3」と、ヘリテージ゙モデルをリスペクトする「ダルレッドメタリックD」の2色設定です。
※クロスプレーン・コンセプト:<ライダーのスロットル操作に対しリニアなトルクを創出すること>を求める設計思想。
- <名称>
- 「XSR700 ABS」
- <発売日>
- 2017年11月6日
- <メーカー希望小売価格>
- 899,640円(本体価格833,000円/消費税66,640円)
- ※メーカー希望小売価格(リサイクル費用含む)には、保険料、税金(除く消費税)、登録などに伴う諸費用は含まれません。
- <販売計画>
- 1,500台(年間、国内)
- <カラーリング>
- ・マッドグレーメタリック3(マットグレー)
- ・ダルレッドメタリックD(レッド)
- 《企画の狙い》
- 2016年の国内二輪市場(401cc以上)において、レトロな外観と先進技術によるパフォーマンスを合わせもった当社の「XSR900 ABS」が人気を得ていますが、同時に「MT-07」も支持を得ており、手頃な600~700ccクラスへの人気を示しています。今回の「XSR700 ABS」は、定評のある「MT-07」のコンポーネントをベースに、オーセンティックな外観、街中もリラックス&カジュアルに楽しめる性能、カスタマイズの可能性を想起するボディ構成などをバランスさせるモデルとして開発しました。
- 《主な特長》
- 1. ホリゾンタルスタイルを踏襲したボディライン
- 水平基調をモチーフとしたボディラインを採用しました。「XSR900 ABS」同様、ヘッドランプからタンク、シートまで連続する滑らかなライン構成として、ピュアかつシンプルな構造により、オーセンティックな雰囲気を伝えます。
- 2. 各部へのアルミパーツの織り込み
- 多彩なアルミパーツを織り込み、素材感を強調、ヘリテージモデルとしての佇まいを表現しました。アルミ製のタンクサイドカバーは、表面カーブに微妙な変化を持たせ、ニーグリップの絞り込み部も滑らかな面構成で仕上げています。その他、ヘッドランプステー、ラジエターサイドカバー、フロントフェンダーステー、ハンドルなどにアルミ材を採用。ヤマハデザインが目指すCMFG(カラー、マテリアル、フィニッシュ、グラフィック)デザインを象徴するところです。さらにヘッドランプ、メーター、テールランプ、マフラーエンドは普遍的な形状である“サークル”をモチーフに、機能をデザイン要素として表現しました。またサイドカバー、フロントフェンダーステーにはサークル型の肉抜き加工を施しガレージビルドのような軽量感を持たせました。
- 3. 水冷2気筒688cm3“クロスプレーン・コンセプト”エンジンの搭載
- 「MT-07」に搭載され定評のある“クロスプレーン・コンセプト”に基づいたエンジンを搭載。実用域で使用頻度の多い回転域(3,000~6,500r/min)での粘り強いトルクとのバランスを主眼に開発したエンジンです。とくに 4~6速使用時に粘り強い特性を発揮、ミッションレシオの効果が相まって扱い易さ、楽しさ、コントロール感に繋がっています。
- 4. カジュアル&スポーティな走りを支えるディメンション
- リラックス&カジュアルな走りにフィットするアップライトなライディン
グポジションとしました。アルミ製ハンドルはワイドな740 mm幅、フィッ
ト感あるシートおよびヒップポイント/ハンドル高とのバランスで、リラ
ックスした姿勢ながら優れたハンドリングを支えます。 - 5. カスタマイズを想起させる独立した構成のパーツ類
- サイドカバー、センターカバー、メーター、前後フェンダーなどもそ
れぞれシンプルかつ独立した構成として、ドレスアップ時の容易性を
配慮しました。その他、リアフレームをボルトオン式とした軽量バック
ボーン型フレームを採用しました。リラックス&カジュアルな走りを支
え、またカスタマイズ時の整備性にも役立ちます。
- 「XSR700 ABS」フィーチャー
- ・LCDメーター
- ・アルミ製メインスイッチカバー
- ・ハロゲンヘッドランプ
- ・アルミ製ヘッドランプステー
- ・マットブラックのアンダーブラケット/ハンドルクラウン
- ・アルミ製フェンダーステー
- ・アルミ製ラジエターサイドカバー
- ・ABS(フローティング/ウェーブローター)
- ・ポット対向ピストン・MOSキャリパー
- ・水冷4ストローク・直列2気筒DOHC4バルブ、270度クランク、FIエンジン
- ・鍛造ピストン、メッキオフセットシリンダー
- ・コンパクト1軸バランサー
- ・小型燃料ポンプ、小型設計クラッチ
- ・740mmワイド幅アルミ製テーパーハンドル
- ・アルミ製タンクサイドカバー
- ・ステッチ/レザー切替入りダブルシート
- ・丸型LEDテールランプ
- ・ボルトオン式リアフレーム
- ・PIRELLIファントムタイヤ(前後)
- ・サンドブラスト処理のマフラーカバー
- ・ブラック塗装アルミ製フレームカバー
★主要諸元
車名型式 | 2BL-RM22J | |
---|---|---|
XSR700 ABS | ||
発売日 | 2017年11月6日 | |
全長×全幅×全高(m) | 2.075×0.820×1.130 | |
軸距(m) | 1.405 | |
最低地上高(m) | 0.140 | |
シート高(m) | 0.835 | |
車両重量(kg) | 186 | |
乾燥重量(kg) | - | |
乗車定員(人) | 2 | |
燃費消費率(km/L)※1 | 38.4(国交省届出値 定地燃費値 60km/h 2名乗車時)※2 | |
23.9(WMTCモード値 クラス3 サブクラス3-2 1名乗車時)※3 | ||
登坂能力(tanθ) | - | |
最小回転半径(m) | - | |
エンジン型式 | M410E | |
水冷4ストローク直列2気筒DOHC4バルブ | ||
総排気量(cm3) | 689 | |
内径×行程(mm) | 80.0×68.5 | |
圧縮比 | 11.5 | |
最高出力(kW[PS]/rpm) | 54[73]/9,000 | |
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) | 68[6.9]/6,500 | |
燃料供給装置形式 | フューエルインジェクション | |
始動方式 | セルフ式 | |
点火方式 | T.C.I.(トランジスタ式)式 | |
潤滑油方式 | ウェットサンプ | |
潤滑油容量(L) | 3.0 | |
燃料タンク容量(L) | 13 | |
クラッチ形式 | 湿式多板 | |
変速機形式 | 常時噛合式6段リターン | |
変速比 | 1速 | 2.846 |
2速 | 2.125 | |
3速 | 1.631 | |
4速 | 1.300 | |
5速 | 1.090 | |
6速 | 0.964 | |
減速比1次/2次 | 1.925/2.687 | |
キャスター(度) | 25°00′ | |
トレール(mm) | 90 | |
タイヤサイズ | 前 | 120/70ZR17M/C 58V |
後 | 180/55ZR17M/C 73V | |
ブレーキ形式 | 前 | 油圧式ダブルディスク |
後 | 油圧式シングルディスク | |
懸架方式 | 前 | テレスコピック式 |
後 | スイングアーム(リンク式) | |
フレーム形式 | ダイヤモンド |
※1:燃料消費率は、定められた試験条件のもとでの値です。使用環境(気象、渋滞等)や運転方法、車両状態(装備、仕様)や整備状態などの諸条件により異なります。
※2:定地燃費値は、車速一定で走行した実測の燃料消費率です。
※3:WMTCモード値は、発進、加速、停止などを含んだ国際基準となっている走行モードで測定された排出ガス試験結果にもとづいた計算値です。走行モードのクラスは排気量と最高速度によって分類されます。