ジャイロX ベーシック/ジャイロX スタンダード/ジャイロキャノピー 397,440円/419,040円/560,520円(9月22日発売)
★ホンダ ジャイロX ベーシック/ジャイロX スタンダード/ジャイロキャノピー 車両解説
ジャイロX/キャノピーが平成28年国内排出ガス規制対応と一部仕様を変更して発売
新しいカテゴリーの乗り物“スリーター”の第二弾としてジャイロXが発売開始されたのは1982年10月。前年の11月に華々しくデビューしたストリームに次ぐ“スリーホイールの乗り物”シリーズの新たなラインナップだった。(1984年7月には、スポーティなスタイルのロードフォックスもラインナップに加わっている)
リア部分を単純に2輪とした機構ではなく、車体と後輪ユニットの連結部分に“ナイトハルト機構”という独自の車体部をリーンさせる機能を持たせたユニークなメカニズムを採用し、さらにリア2輪への駆動軸にはデファレンシャル・クラッチを採用するなど、まったく新しい感覚の乗り物だった。
その後ジャイロXは、優れた積載安定性や走行性能により、ケータリングやビジネス、そして“荷車”的感覚での使い勝手の良さで“商用車”として根強い人気に支えられてきた。1983年10月にはフロントにも大型キャリアを採用、グリップヒーターをオプション設定、時速30㎞以上で点灯する速度警告灯を採用するなどのモデルチェンジ。
1989年12月には、燃焼室の形状変更と変速比のワイド化を図ることなどで低速での粘り強さを向上。フレーム、車体周りもビジネスユースを考慮して強度、耐久性をアップ。補水が不要なMFバッテリーの採用などが行われた。1992年6月、1993年12月と2回のカラーチェンジを経て、1999年12月に国内の排出ガス規制に適合させるためのマイナーチェンジ。同時に出力を3.3kWから3.7kW(5.0PS)にアップ。リアタイヤとドライブベルトの素材の変更なども行われた。
ジャイロXシリーズの廉価版といえるジャイロX<ベーシック>が加わったのは2002年6月。ウインドシールドとリアキャリアを廃止し、<スタンダード>の259,000円に対して239,000円とプライスを抑えた設定で発売された。
スリーターの特性を活かして荷崩れしにくい低床の大型リアデッキを備えた純然たるビジネスモデルとしたジャイロ・アップが登場したのは1985年10月。こちらも1991年6月にエンジン出力の向上が行われ、1993年5月のカラーチェンジを挟んで、2000年2月に国内排出ガス規制に適合させるとともに、リアタイヤとドライブベルトの材質変更が行われた。
屋根付きモデルのジャイロキャノピーが発売されたのは1990年12月。国内量産車唯一のフロントスクリーンとルーフを装備した屋根付き3輪スクーターとして宅配や巡回サービスなどを中心としたビジネスシーンで人気を呼ぶこととなった。1993年4月には油圧ダンパー付きのトランクリッドを採用したワゴンタイプと、より幅広い用途に対応するフラットな荷台形状のデッキタイプの2タイプを設定。1996年9月にはマフラーのテールキャップ部分を着脱タイプにすることでマフラー内部のカーボン除去を容易にするとともにルーフ部の材質もより強度を高め、カラーもブラックからグレーへと変更している。1999年10月にはデジタル式のCDIを採用、キャブレターの最適化、二次空気導入装置、マフラー内に酸化触媒の採用するなどにより国内排出ガス規制に適合。2002年6月には、当時人気となったカラーオーダープランも導入している。
現行ジャイロXとジャイロキャノピーのラインナップは、2008年3月のモデルチェンジにより、従来の2ストロークから4ストロークエンジンへと変身したモデルの系譜で、OHC4バルブ、40㏄エンジンはPGM-FIの採用などにより燃費で約30%の向上が図られるなど、環境性能や経済性が大幅に高められた新時代のジャイロXシリーズといえるものだった。車体面では新設計のアルミ製ホイールとチューブレスタイヤの採用、後輪のサイズを6インチから8インチへと大径化、後輪のトレッドも従来モデルに比べ65㎜拡大、走行安定性をより向上させている。前後のブレーキサイズもφ130㎜へと大径化した。
今回行われたモデルチェンジは、平成28年国内排出ガス規制対応がメインで、燃料蒸発ガス抑制装置の採用や、排出ガスの異常を警告する車載故障診断装置の採用も行われた。リアフェンダーの左側にエンジンオイルの点検・交換時に役立つ開閉式の点検窓の設置、オイルレベルゲージも延長してメンテナンス性も向上させている。
★HONDA ニュースリリースより (2017年8月22日)
原付三輪スクーター「ジャイロX」「ジャイロキャノピー」の法規対応と
メンテナンス性を向上し発売
Hondaは、積載性に優れ宅配など幅広いビジネス⽤途で活躍している原付三輪スクーター「ジャイロX」と「ジャイロキャノピー」を、平成28年排出ガス規制に適合させるとともに、⼀部仕様を変更し9月22日(金)に発売します。
今回、平成28年排出ガス規制対応として燃料蒸発ガス抑制装置や、排出ガスの異常を警告する車載故障診断装置を装着。新たにリアフェンダーの左側にエンジンオイルの点検・交換時に役立つ開閉式の点検窓を設置し、オイルレベルゲージの延長とあいまってメンテナンス性を向上させています。
また従来同様、電子制御燃料噴射装置(PGM-FI)や触媒装置(デュアルコアキャタライザー)による環境性能や経済性に優れた水冷・4ストローク・OHC・4バルブ50ccエンジンを搭載。走行安定性の高い車体には、前・後輪にアルミ製ホイールやチューブレスタイヤ、大径ドラムブレーキを装備しています。
ジャイロXは、ウインドシールドと車体前・後にキャリアを装着したスタンダードタイプと、ウインドシールドとリアキャリアを廃したベーシックタイプの2タイプを設定しています。また、ジャイロキャノピーは、雨や埃など天候の影響を受けにくい大型フロントスクリーンとルーフを装着しながらも、開放感のある運転スペースと良好な視界を確保。宅配ビジネスや出張修理サービスなど、多様化するビジネス⽤途の要望に対応できるものとしています。
ジャイロXのカラーリングは、両タイプともシャスタホワイトとファイティングレッドの2色を用意。ジャイロキャノピーにはシャスタホワイトの1色を設定しています。
- ●販売計画台数
- (国内・年間) ジャイロXシリーズ 2,500台
- ジャイロキャノピー 3,400台
- ●メーカー希望小売価格
- ジャイロX ベーシック 397,440円(消費税抜き本体価格 368,000円)
スタンダード 419,040円(消費税抜き本体価格 388,000円) - ジャイロキャノピー 560,520円(消費税抜き本体価格 519,000円)
- ※価格(リサイクル費用を含む)には保険料・税金(消費税を除く)・登録などに伴う諸費用は含まれておりません
★主要諸元
車名型式 | 2BH-TD02〈2BH-TA03〉 | |
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ジャイロX(スタンダード)〔ベーシック〕〈ジャイロキャノピー〉 | ||
発売日 | 2017年9月22日 | |
全長×全幅×全高(m) | 1.700〈1.895〉×0.665〈660〉×1.045〔1.050〕〈1.690〉 | |
軸距(m) | 1.205〈1.410〉 | |
最低地上高(m)★ | 0.085 | |
シート高(m)★ | 0.735〈700〉 | |
車両重量(kg) | 113〔110〕〈139〉 | |
乾燥重量(kg) | - | |
乗車定員(人) | 1 | |
燃費消費率(km/L)※1 | 59.0〔60.0〕〈54.5〉(国交省届出値 定地燃費値 30km/h 1名乗車時)※2 | |
登坂能力(tanθ) | - | |
最小回転半径(m) | 1.7〈2.0〉 | |
エンジン型式 | TA03E | |
水冷4ストローク単気筒SOHC4バルブ | ||
総排気量(cm3) | 49 | |
内径×行程(mm) | 38.0×44.0 | |
圧縮比★ | 12.0 | |
最高出力(kW[PS]/rpm) | 3.4[4.6]/7,500 | |
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) | 4.4[0.45]/7,000 | |
燃料供給装置形式 | 電子制御燃料噴射装置(PGM-FI) | |
始動方式★ | セルフ式(キック式併設) | |
点火方式★ | フルトランジスタ式バッテリー点火 | |
潤滑油方式 | 圧送飛沫併用式 | |
潤滑油容量(L) | - | |
燃料タンク容量(L) | 4.6〈5.9〉 | |
クラッチ形式 | - | |
変速機形式 | 無段変速式(Vマチック) | |
変速比 | 1速 | 2.950~0.815 |
減速比1次/2次 | 3.500/4.083 | |
キャスター(度) | - | |
トレール(mm) | - | |
タイヤサイズ | 前 | 90/100-10 53J |
後 | 100/100-12 62J | |
ブレーキ形式 | 前 | 機械式リーディングトレーリング |
後 | 機械式リーディングトレーリング | |
懸架方式 | 前 | ボトムリンク式 |
後 | ユニットスイング式 | |
フレーム形式 | アンダーボーン式 |
※〔 〕内はベーシック、〈 〉内はジャイロキャノピーのデータです
■道路運送⾞両法による型式指定申請書数値(★の項⽬はHonda公表諸元)
※1 燃料消費率は定められた試験条件のもとでの値です。使用環境(気象、渋滞など)や運転方法、車両状態(装備、仕様)や整備状態などの諸条件により異なります。
※2 定地燃費値は、車速一定で走行した実測にもとづいた燃料消費率です。