YZ450F 1,015,200円

★ヤマハ YZ450F 車両解説

ヤマハのYZ450Fがモデルチェンジ、YZシリーズ各車も2018年モデルに

ヤマハのモトクロッサーシリーズの2018年モデルが登場した。昨年はYZ250Fが新スペックエンジンをYZ450Fと同型のフレームに搭載するなど、大幅な戦力アップが図られたが、今回はYZ450Fがモデルチェンジとなった。YZ250Fはカラー&グラフィックを変更、また、2ストロークのYZシリーズ各車もカラー&グラフィックが変更されている。

YZ450F/YZ250Fの4ストローク・モトクロッサー・シリーズは、2012年にフルモデルチェンジが行なわれている。この時のモデルの最大の特徴は、新設計フレームの採用だった。縦、横、ねじれの剛性バランスを一新するため、タンクレールをそれまでの2ボックス断面型から、3ボックス断面型へと変更し、リアアーム取り付け部周りの形状、エンジン懸架部分の仕様変更も行った。また、新設計のフレームに合わせて、フロント周りのねじれ剛性のアップも図られた。エンジン面でもピストン周りの軽量化、吸気・排気系の変更などが行われた。

そして’13年モデルでは、このシーズンからMFJ国内競技規則の変更に適合させる新型サイレンサーの採用が行われた。YZ250Fでは、カラーリング面でも新デザイングラフィック採用のフロントカウル・エアスクープ、シャープなイメージを強調するホワイトカラーのリアフェンダー、そして従来はシルバーだったハンドルバーのカラーを精悍なブラックへと変更している。また、YZ450Fでは同様の変更他、F.I.のセッティングが簡単にできる「Power Tuner」も同梱されることになった。

2013年10月には、戦力大幅アップの’14年モデルが登場している。YZ250Fでは、前方吸気、後方排気と、YZ450Fと同じシステムの新エンジンを採用。ループ状に取り巻く新型のエキゾーストパイプや、ニューグラフィックの採用など一目で分かる新型へと変身した。YZ450Fでも、250と同様エンジンをループ状に取り巻く新型のエキゾーストパイプや、新設計のアルミ製バイラテラルビーム・フレームの採用など一目で分かる新型に変身となった。

2014年8月発売の2015年モデルでは、F.I.マッピングの変更と整備性の向上がYZ450F、YZ250Fに共通で行われ、450ではさらにエンジン懸架ブラケット材質・形状変更が行われ、250では前後にニューパターンタイヤが採用されていた。

2015年8月には、戦力をさらにアップさせるビッグマイナーチェンジが行われた。YZ250Fでは、エンジンおよび車体周りの細かな熟成を図ることで競争力をさらにアップ。“リブ配置”構造と呼ばれる新形状の軽量ピストンの採用、最新の熱処理を施し、特に高回転域での信頼性を向上、トルクのリニア感を支えるクランク&バランサーの最適化、この他クラッチ、ミッション系の変更、サイレンサーブラケットの変更による軽量化、YZ450Fと同様φ270mmの大径ディスクブレーキの採用などが行われた。YZ450Fでは、コーナリングのしやすさ、軽量コンパクト、扱いやすく伸びのあるパワーという優れた特徴を継承しつつ、“More Calm and More Easy”をコンセプトに数々の改良が加えられた。

また、このモデルチェンジを機に、YZ250Fにヤマハの創業60周年を記念したカラーモデルが登場した。懐かしい’70年代のAMAモトクロスシーンを彷彿させるイエローに黒のスピードブロックパターンをあしらったデザインだった。

今回モデルチェンジされた、新型YZ450Fの主な特徴は、吸気ポート、ピストン、カムプロフィールなどを一新したエンジン、プレッシャープレートの形状変更などにより剛性感をアップさせたクラッチ、2~4速の歯幅を約1mm拡大し信頼感を向上させたミッション、新設計の“バイラテラルビーム・フレーム”の採用、オイル流量をアップさせるフロントフォークのシリンダー径を25mmに拡大など。また、レース中の始動を容易にするセルフスターターの採用や、スマートフォンできめ細かいエンジンセッティングを可能とした新パワーチューナーの搭載など盛りだくさん。

YZ450F。昨年のYZ250Fに続き今年はYZ450Fがビッグチェンジの年。セルスターターも装備。
YZ450F。カラーは「ディープパープリッシュブルーソリッドE」(ブルー)の1色。
YZ250F。今年はカラー&グラフィック変更。
YZ250F。カラーは「ディープパープリッシュブルーソリッドE」(ブルー)の1色。
YZ250。今年はカラー&グラフィック変更のみ。
YZ250。カラーは「ディープパープリッシュブルーソリッドE」(ブルー)の1色。
YZ125。今年はカラー&グラフィック変更。
YZ125。カラーは「ディープパープリッシュブルーソリッドE」(ブルー)の1色。
YZ85LW。YZ85のフロントを16から19インチに、リアを14インチから17インチとしたラージホイール版。今年はカラー&グラフィック変更。
YZ85LW。カラーは「ディープパープリッシュブルーソリッドE」(ブルー)の1色。
YZ85。今年はカラー&グラフィック変更。
YZ85。カラーは「ディープパープリッシュブルーソリッドE」(ブルー)の1色。

★YAMAHA ニュースリリースより (2017年6月13日)

トップエンドモデル「YZ450F」は新スペックエンジン、新設計フレームで大幅に進化
モトクロス競技用YZ シリーズ6 機種の2018 年モデルを発売

ヤマハ発動機株式会社は、84cm3~449cm3の排気量を揃えた、モトクロス競技用モデル「YZ シリーズ」の2018年国内仕様6機種を8月30日より発売します。

最大排気量のトップエンドモデル「YZ450F」は、“IGNITE OFF-MANIA’S DESIRE !”をコンセプトに新スペックエンジン、新設計フレームを採用。主な特徴は、1)パワー感、操作性などを向上させたパワーユニット、2)新設計フレームの採用などによる旋回性、走破性の向上、3)レース中での始動を容易にするセルフスターターの採用、4)スマートフォンで、ユーザー自身がきめ細かいエンジンセッティングを可能とする新パワーチューナーの搭載、5)しなやかに躍動する美しさと技術進化によるパフォーマンスを表現したスタイ
リングなどです。

「YZ250F」「YZ250」「YZ125」「YZ85」「YZ85LW」は、カラーリング&グラフィックデザインを一新。トップエンドモデル「YZ450F」とのデザインリレーションを行います。

なお本製品は「ヤマハオフロードコンペティションモデル正規取扱店」にて、2017年6月13日から12月10日の期間限定で予約の受付を行い販売します。

<名称>
「YZ450F」
<メーカー希望小売価格>
1,015,200円(本体価格 940,000円/消費税75,200円)
 
<名称>
「YZ250F」
<メーカー希望小売価格>
777,600円(本体価格 720,000円/消費税57,600円)
 
<名称>
「YZ250」
<メーカー希望小売価格>
723,600円(本体価格 670,000円/消費税53,600円)
 
<名称>
「YZ125」
<メーカー希望小売価格>
615,600円(本体価格 570,000円/消費税45,600円)
 
<名称>
「YZ85LW」
<メーカー希望小売価格>
399,600円(本体価格 370,000円/消費税29,600円)
 
<名称>
「YZ85」
<メーカー希望小売価格>
388,800円(本体価格 360,000円/消費税28,800円)
 
<発売日>
2016年8月30日
 
<カラーリング>
ディープパープリッシュブルーソリッドE(ブルー)
 
<販売計画>
500台(シリーズ合計/国内)
 
※YZシリーズ各モデルは、国土交通省の認定を受けていませんので、ナンバープレートを取得できません。また道路を走行できません。道路を走行すると道路交通法及び道路運送車両法の違反となります。私道、寺の境内、海辺、堤防上、農道、林道など道路の形態を整えていないところでも、人や車が自由に出入り出来るところは道路とみなされます。
※保証(クレーム)の対象外製品となります。
《2018年「YZ450F」主な特徴と変更点》
1)パワー感、操作性などを向上させたパワーユニット
(1)吸気ポート、ピストン、カムプロフィールなどを一新したエンジン
優れたパワーフィーリングを引き出すため、吸気ポートを新設計するとともに12.8:1 の高圧縮比を支える新燃焼室を採用。新作軽量アルミ鍛造ピストンは、天面部リブ形状をチューニングして強度を確保、かつ質量を低減。ピストンピンにはDLCコートを施しフリクションロス低減を図りました。カムプロフィールは吸排ともハイリフト化し、バルブタイミングを最適化。FIセッティングとの統合で優れた性能を引き出しています。
(2)ミッションへの新仕様の織り込み
プレッシャープレートは、センターリブの形状を変更して軽量化を図りつつ、剛性を確保、良好なミート感を引き出しました。クラッチプレートは、両面に研削を施し駆動力の伝達ロスを低減。トランスミッションは、2~4速の歯幅を約1㎜拡大し信頼性を向上させながら、あわせてシフターストロークを1㎜減らし、ドッグ形状もチューニング、良好なシフト操作感をもたらしています。
 
2)新設計フレームの採用などによる旋回性、走破性の向上
(1)高剛性、軽量化を行った新設計フレーム
新設計のバイラテラルビーム・フレームを採用しました。タンクレールをストレート化しテンションパイプ配置を最適化しています。縦・横・捻れ剛性値は平均約15%向上、エンジン搭載角変更(後傾8.2度→6.2度)、懸架位置変更、懸架ブラケット最適化などの変更が加わり優れたギャップ走破性、旋回性、操縦安定性を支えます。その他、前後リム、ハンドル、ドライブチェーンなど細部の軽量化を施しました。
(2)サスペンションの仕様最適化
フロントフォークのシリンダー径は24㎜から25㎜に拡大しオイル流量をアップ。中速域での減衰発生を受け持つミッドスピードバルブには、微量のオイル流量にも対応するリーフスプリングを新たに織り込み低速での良好な減衰感をもたらしています。リアのショックアブソーバーには、高い疲労強度特性をもつコイルスプリングを採用して軽量化。サブタンク容量も増やし減衰力の安定化を図りました。良好なショック吸収性と駆動力を支えます。
 
3)レース中での始動を容易にするセルフスターターの採用
レース中での始動、再始動の容易化を図るためヤマハモーターサイクル初となる軽量リチウムイオンバッテリーを電源とするセルフスターターを採用し、戦闘力向上をはかりました。小型設計のトルクリミッターをプライマリーギアにオフセット配置する独創設計により、マス集中・軽量化・コンパクト化も達成。スターター装着ながらクランクケースは従来と同サイズとなっています。またメインスイッチレス設計として始動容易化を図りました。
 
4)スマートフォンで、きめ細かいエンジンセッティングを可能とする新パワーチューナーの搭載
ユーザーの好みやコース状況に応じてエンジンセッティングができるパワーチューナー。2018年モデルでは、無料の専用アプリをダウンロードしたスマートフォンでセッティング操作可能なシステムとしました。さらにセッティングの精度も向上。燃料噴射/点火時期のマップは、従来モデルの「3×3」から「4×4」の格子へと細分化、かつビジュアルでの表示も可能としました。また各格子に設定できる数値も任意に選べるため、狙いの回転域でのきめ細かなセッティングも可能となりました。その他に、レースログや故障診断コードの表示、リアルタイム車両状況チェック、バックアップ機能、作成したマップやレースログをユーザー同士で簡単にシェアできる機能なども備えています。
 
5)しなやかに躍動する美しさと技術進化によるパフォーマンスを表現したスタイリング
2018年モデル「YZ450F」は、“意のままに操る快感”をデザインコンセプトに掲げデザインを行いました。「YZ450F」のシンボルであるホリゾンタルラインを進化させ強調。連続したバンプの走行でも頭の位置を動かさず滑らかに走行するライダーのイメージを、新シート、低く設定したリアフェンダー位置などのバランスを整え表現しました。また、新設計フロントダクトのデザインは、前方吸気というオリジナリティを可視化する基本的な考え方を受け継ぎながら、ライダー視線でフロントまわりに軽快な印象を感じられる造形処
理としました。サイドカバーは、ポリアミド樹脂(PA)を新たに投入、熱影響も受けにくく滑らかな表面はライダーアクションをサポートし、マシンがライダーにあわせてくれるような自由自在なフィーリングを実現します。この他、リブ構造を取り入れたフロントフェンダーなどの採用で力強さを表現しました。
2018 年モデル「YZ450F」新たな特徴
・軽量ハンドル
・整備性を配慮したエアクリーナーボックス
・シリンダー径拡大、減衰特性を見直した倒立式フロントサスペンション
・スリム化を図ったシュラウド
・ラジエター取付角度最適化&導風パネル最適レイアウト
・セルフスターター
・12.8:1 高圧縮比燃焼室(現行12.5:1)
・天面部リブ形状をチューニングした新ピストン
・新ECU(メインスイッチレス設計)
・クランクバランスチューニング
・新作プレッシャープレート&クラッチプレート
・歯幅拡大ギア採用トランスミッション
・6.2Lコンパクト燃料タンク
・新設計バイラテラルビーム・フレーム
・エンジン搭載角&懸架ポイント最適設計
・スリム&フラットシート
・軽量リチウムイオンバッテリー
・軽量ドライブチェーン
・軽量リム(前後)
・サブタンク容量アップ(+30cc)
・サイレンサー内部構造最適化
・スマートフォン対応の新パワーチューナーおよびCCU(コミュニケーションコントロールユニット)
・111kg ボディ(現行モデル比1kg減)

★主要諸元

車名型式 -
YZ450F(BR93)
発売日 2017年8月30日
全長×全幅×全高(m) 2.185×0.825×1.285
軸距(m) 1.485
最低地上高(m) 0.335
シート高(m) 0.965
車両重量(kg) 111
乾燥重量(kg) -
乗車定員(人) 1
燃費(km/L) -(60km/h定地走行テスト値)
登坂能力(tanθ) -
最小回転半径(m) -
エンジン型式 J342E
水冷4ストローク単気筒DOHC4バルブ
総排気量(cm3) 449
内径×行程(mm) 97.0×60.8
圧縮比 12.8
最高出力(kW[PS]/rpm) -[-]/-
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) -[-]/-
燃料供給装置形式 フューエルインジェクション
始動方式 セルフ式
点火方式 TCI(トランジスタ式)
潤滑油方式 ウェットサンプ
潤滑油容量(L) 0.9
燃料タンク容量(L) 6.2
クラッチ形式 湿式多板
変速機形式 常時噛合式5段リターン
変速比 1速 1.928
2速 1.533
3速 1.300
4速 1.090
5速 0.952
減速比1次/2次 2.608/3.692
キャスター(度) 27°20′
トレール(mm) 121
タイヤサイズ 80/100-21 51M
120/80-19 63M
ブレーキ形式 油圧式シングルディスク
油圧式シングルディスク
懸架方式 テレスコピック式
スイングアーム(リンク式)
フレーム形式 セミダブルクレードル