■取材・文:松井 勉 ■取材協力:ダカール・ラリー日本事務局 http://www.paridaka-info.com/w/ |
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世界選手権も、国内選手権も、多くのモータースポーツがオフシーズンを迎える年末、年始。スポーツ紙に話題が減るその時期、そこに目をつけ、壮大なイベントを仕掛けた男がいた。ティエリー・サビーヌ。自らの名を冠したティエリー・サビーヌ・オーガニゼーション(略してTSO)を率い、計画されたのがパリ・ダカールラリーだ。 |
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出発する者にとって挑戦、
残る者にとっては夢……。
By ティエリー・サビーヌ(ダカールラリー創始者)
さっそく40周年を迎えるダカールラリーの概要をお伝えしたい。マップにあるように、次回のラリーはペルーのリマをスタートし、ボリビアの首都ラパスでラリー中日を迎えレストデイを過ごす。そしてアルゼンチンのコルドバでゴールを迎えるルートが取られている。1月6日にスタートし、20日ゴールする、15日間、14ステージで行われる。 |
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前半、砂丘、砂漠の連続のルートを走ることになる。2018年のルートは前半からハイライトとなりそうだ。すでにこの3月にはASOのスポーティングディレクターを務めるマルク・コマがルート製作を行っている。その模様を収めた映像が流されたが、見応えのある砂丘の広がりは見る者にロマンを感じさせ、競技者には悪夢を見せるのかもしれない。 | ||
ダカールラリー、でもその前に……。
ガボリー氏は「ラリーを志す人にとってダカールラリーは夢であり目標。ただし、初めてのラリーに選ぶにはハードルが高いのも事実。そこで、北アフリカの国、モロッコで2010年から行われているメルズーガラリー(http://www.merzougarally.com/en/)など、短くも経験値を積めるラリーに参加してからでも遅くないのでは。」と言う。
ダカール夢、ダカール狂気、ダカール論争……。
YouTubeで見る『Best of Dakar 2017』(https://www.youtube.com/watch?v=s2HDAYNCJ4Q)というビデオはダカールラリーのダイジェストだ。美しく描かれた埃、闘う参加者。強く、逞しく、しかし戸惑い、疲れ、そして夢破れる。大自然のスケールとちっぽけな人間を描くことで、見る人の脳内で一つの短編映画と見立て、感動を組み立てる筋書きになっている。 |
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1982年、賀曽利隆さんとともに二輪部門で日本人としては初めてダカールラリーに挑戦した風間深志さん。2016年、息子晋之介さんとともにダカールラリーへのチャレンジを開始した。2017年1月のダカールラリーでは、晋之介さんのサポートのため、ラリーに同道した。「やっぱり自分で走りたいよ。UTVクラスでの参加も模索しているんだけど、最終的にはやっぱりバイクだね。バイクが好きだから。」と風間さん。2004年のダカールラリー参戦中、事故により受傷した足の怪我のため、苦しいライディングを強いられているが、その改善策まで模索しているとのことで、具現化される日も近いかもしれない。「だって、フランコ・ピコがまだやっているんだよ。オレだってさ、頑張らないと。」とのこと。 ※フランコ・ピコ 80年代、イタリアヤマハからダカールラリーに参戦していたライダー。哲学的な風貌で、ファンは多い。60歳を越えた今もダカールラリーに挑戦し続けている。 |
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この日、ダカールラリーレジェンドのトークショーも行われた。日野チームスガワラで長年参加をしている菅原義正さん、照仁さん親子とともに晋之介さんもオンラインで参加。本業でもある俳優業の撮影で当日は会場に参加ができなかった。ダカールラリーへは5カ年計画で参加を続けたい、とのこと。 | 40年前、トロカデロ広場に集まった第一回オアシスラリー(パリ〜ダカールラリーの1回目の呼称は、飲料水のスポンサー名、オアシスがそのまま使われたという)。セーヌ川を挟み、エッフェル塔が見える絶好の場所。都内に置き換えたら、絵画館前広場から外苑の銀杏並木と周回路を封鎖し、国立競技場の中からスタートするようなスケール感だ。 | |
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ASOのグザビエ・ガボリーさん。自身、親日家で日本国内も旅行して回った経験があるという。酷い雨を経験した風間さんから雨期の季節から天候が安定する2月、3月に会期を移すことはないのか、との質問には「伝統的に1月にしています。それは40年変わらない歴史です。アフリカ時代も思い出してみて下さい。砂嵐でステージがキャンセルされる事もありましたから。ね、スガワラさん!」とウイットに富んだ受け答えをする人。 |
会の〆はダカールラリーに過去参加したことがある人、参加を夢見る人とともに記念撮影。世界を目指す人が一枚に収まった。 写真は両サイドに次回ダカールラリーへのスポンサー契約を交わしたオイルメーカー、MOTULからプロモーションのために会場にやって来たお二人、エントラントは、左から、チーム・トヨタ・オートボデー・ランドクルーザーの監督、角谷さん、ドライバー、三浦さん、日野チームスガワラ、2号車ナビゲーターの高橋さん、ドライバー、菅原照仁さん、40周年のプレートを持つ風間さん、グザビエさん、オート部門で優勝経験も持つ篠塚建次郎さん。 |