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「命題は他メーカと同じバイクは作らない。ホンダらしいものを」「難しいことを言わず、とにかく欲しいものを作ってみよう、出してみよう」「少年の夢を叶えよう。50だからできる事をやろう。のびのび威張って乗れ、しかも目立つデザイン。結論としてはレーサーのイメージ、つまりRCBをイメージ」というような環境で、のびのびと開発されたホンダ初の2スト原付スポーツは、シート下まで続く燃料タンクや電装系などを重心近くに配置したX型バックボーンフレームと呼ばれる個性的なルックスに、「ホンダがつくるからには、『スーパー2サイクル』といえるエンジンを創ります」と雑誌広告に謳ったエンジンは、1軸バランサー、燃焼室集中冷却シリンダーヘッド、吊鐘型燃焼室を持った当時クラス最強の7馬力。125クラス並の大柄なボディ、コムスターホイール、セパレートハンドル風の前傾ライディングスタイルなど、若者のハートをがっちりと掴む大ヒット作となり、原付スポーツモデル競争激化の発端にもなった。
新たにセミアップハンドルモデルを追加すると共に、グラフィックも変更しシートにMB5のネームが入った。セミアップハンドルは主要諸元が全幅705mm、全高1025mmに変更。価格は共に142000円にアップ。車体色はブラックとヒーリオスレッドの2色になった。2月には二人乗りができる78cc、9.5馬力のMB-8(152000円)も加わった。
MB50で原付スポーツ競争をリードしたホンダが送り込んだ2スト第二弾は、すべてを新設計とした意欲作。エンジンは整流板付4葉リードバルブ付きの水冷となり0.2psのパワーアップ。フレームはセミダブルクレードルフレームで、リアにはプロリンクサスを採用。大容量12リットル燃料タンク、テールカウルと一体化したウインカー、アルミブーメランコムスターホイール、フロントブレーキはデュアルピストンキャリパー、電装の12V化などによりフルモデルチェンジとなった。車体色はコルチナホワイト、モンツアレッド、ブラックの3色。
先鋭化する原付スポーツが事故の増加につながるとして、1983年『速度性能の抑制等に関する措置についての通達」が当時の運輸省から出された。認可省庁から出されたこの通達を受け、メーカーの自主規制という形で、新たに販売される原付は最高速度が60km/h以下に規制されることとなった。この対応のために最高出力を5.6馬力にパワーダウンしミッションも5段に変更。その代わりというわけでもないが、オプションで設定されていたスポーティなアンダーカウルが標準装備となり、メーターパネルは透過光式、バッテリー容量もアップした。車体色はシャスタホワイト、ブラックの2色に。
車名にFが追加されたこのモデルから速度リミッターを装着、最高出力は5.6PSから7.2PSへと復活した。価格は9千円アップしたが、新たにミニカウルが追加された。ウイングマーク付きのニューグラフィックとなり、車体色はルミナスレッド、ブラック。パワーは復帰を果たしたものの、一度牙を抜かれた原付スポーツにかつての勢いはなく、この後1986年7月に道交法が一部改正され、原付のヘルメット着用と二段階右折が義務化されたことも重なり、原付スポーツ市場は急速に冷えこんでいく。
CBR1000やCBR750に採用された、フルカバードのエアロデザインをイメージしたニューデザインへとフルモデルチェンジ。ハーフフェアリング、小物入れ付きのシートカウル、S字断面スポークのアルミキャストホイール、30W/30Wハロゲンヘッドライト、エアプレーンタイプのガソリンタンクキャップ、サイレンサー別体式チャンバーなども新たに採用された。
ポート形状、排気タイミング、キャブレター、マフラー形状の変更などによって燃焼効率を向上させた。最高出力は変わらず7.2馬力だが、発生回転数が8000回転から10000回転に変更され、多孔式のブレーキディスクやニューパターンタイヤが新たに採用された。車体色はシックなグラニットブルーメタリックと、HRCカラーをイメージしたファイティングレッド。価格は215000円にアップ。
18W/18W×2の淡黄色クリプトンバルブを使用した一体型のデュアルヘッドライトを新たに採用。車体色はロスホワイトとグラニットブルーメタリックU。スタンダードモデルより一足早く1月にロスマンズカラーを4000台の限定で発売。価格は共に225000円。主要諸元に変更はない。
NS50Fの最終型は、ブラックとロスホワイトにカラー変更。主要諸元、価格は変更なし。
原付スポーツバイクとしては初めて燃料タンク部分にセンタートランクを装備し、メットイン機能が追加されたNS-1へとフルモデルチェンジ。燃料タンクはシート下に配置し、給油口はリアカウル上部に配置された。エンジンはNS50F系の流用だが、マフラーやエアクリーナーは新設計。デザインはNSRシリーズのイメージを踏襲している。車体色は当初ブラックとロスホワイトの2色であったが、翌年1月にブラッシュカラーのロスホワイト×ファイティングレッドが追加された。
カラーリングをロスホワイト×ファイティングレッド、ブラック×パープルに変更。主要諸元に変更はないが、価格は1万円アップの289000円。
車体色名称はロスホワイト×ファイティングレッド、ブラック×パープルと変更はないが、グラフィックを変更。同時にロスマンズカラーを4000台の限定で発売。主要諸元に変更はないが、価格は292000円にアップ。スペシャルカラーは299000円。
大型アッパーカウルに、クリプトンバルブ12V18W×2のデュアルヘッドライトを新たに採用し、RVFイメージのカラーリングにモデルチェンジ。車体色はロスホワイトとブラック。価格、主要諸元に変更はないが、より扱いやすい出力特性へと変更された。
車体色の表記はブラックとロスホワイトで前型と同じだが、色使いが変更された。価格、主要諸元に変更はない。
スパークリングシルバーメタリックを追加。ロスホワイトはホイールカラーなどを小変更して継続、ブラックは廃止された。主要諸元、価格に変更はない。
ロスホワイトに代わってピュアレッドを追加。スパークリングシルバーメタリックは継続、これがMB50から脈々と続いたホンダ2スト原付スポーツの最期となった。主要諸元、価格に変更はない。
[青春のゼロハンスポーツ図鑑Vol.1 HONDAその1(4スト編)| Vol.2 HONDAその2(2スト編)|Vol.3 YAMAHAその1(空冷編)]