MT-09 ABS 1,004,400円(2月15日発売)
★ヤマハ MT-09 ABS 車両解説
MT-09 ABSがアシスト&スリッパークラッチ等を採用するモデルチェンジ
新世代の“MT”シリーズ、MT-09は、水冷3気筒、846cc、DOHC4バルブF.I.エンジンして2014年4月に発売が開始された。「ネイキッドとスーパーモタードの異種交配造形による個性的なデザイン」を持つと紹介された車体に、MotoGPマシン“YZR-M1”のヒューマンフレンドリーなハイテク技術、クロスプレーン・コンセプトにも基づいて開発されたエンジンを搭載していた。開発コンセプトは“Synchronized Performance Bike”。「日常の速度域で乗り手の意志とシンクロする“意のままに操れる悦び”を提唱する」マシンのデビューだった。
フレームはアルミダイキャスト製ダイヤモンドタイプフレームで、外側締結リアアームなどとともに、最新テクノロジーを導入することで市街地での楽しい走りを狙いとした方向で開発されていた。YCC-T(ヤマハ電子制御スロットル)およびD-MODE、マスの集中に貢献する一体成型のエキゾーストパイプ&サイレンサー、アルミテーパーハンドル、ラジアルマウント式フロントブレーキキャリパー、アルミ鍛造ブレーキ&シフトペダルなどなど。そして極めつけは装備重量188kgがMT-09の性格のすべてを物語っていると言えた。
2015年3月には、ABS標準装備モデル、MT-09 ABSにレースブルーとマットシルバーを調和させたニューカラーが設定されている。マットシルバーの車体をベースに、ホイールとフォークアウターチューブにレースブルーを採用してアクセントととし、車体には、RB(レースブルー)シリーズとしてヤマハのレーシングスピリットを象徴する“RB”ロゴも追加されていた。
2016年3月には、初のマイナーチェンジとして、ABSを採用するMT-09 ABSにトラクションコントロール(TCS)が新たに採用された。2モード+オフから選択が可能で、点火時期と燃料噴射量、そしてスロットル開度を統合制御するタイプのトラクションコントロールだった。
今回は、初のモデルチェンジといえるもので、スタリングよりも主に中身、メカニズムのアップグレードが実質的な変更点といえる。開発コンセプトは“Multi performance Neo readster”。A&S(アシスト&スリッパー)クラッチの採用を始め、滑らかなシフトアップを可能とするQSS(クイック・シフト・システム)、圧側減衰調整機能を追加したフロントサスペンションを採用。また、スタイリング面でも、フローティング風懸架のLED4灯ヘッドランプを採用したフロントフェイスデザイン、“塊感”“力感”を強調したサイドビュー、そしてショートテールを実現したアルミ鍛造製ステーによる片持ちのリアフェンダーなどMTシリーズの個性をより強調するスタイリングが取り入れられている。
★YAMAHA プレスリリースより (2017年1月23日)
精悍なフロントビュー&さらに上質な走行性能
MTシリーズの人気機種「MT-09 ABS」初のマイナーチェンジ
ヤマハ発動機株式会社は、ネイキッドとスーパーモタードの“異種混合”スタイルと優れた走行性で人気の「MT-09 ABS」をマイナーチェンジし、2017年2月15日から発売します。
「MT-09 ABS」は、現行モデルのさらなる熟成をベクトルに、“Multi performance Neo roadster”をコンセプトに開発、1)レバー操作荷重を低減するA&S(アシスト&スリッパー)クラッチ、2)滑らかにシフトアップできるQSS(クイック・シフト・システム)、3) 圧側減衰の調整機能を追加したフロントサスペンション、4)フローティング風懸架のLED4灯ヘッドランプで軽快さを印象づけるフロントビュー、5)“塊感”&“力感”のあるサイドビュー、6)ショートテールを実現するライセンスプレート懸架を兼ねたアルミ鍛造製ステーの片持ちリアフェンダーなどを新たに採用しました。
- <名称>
- 「MT-09 ABS」
- <発売日>
- 2017年2月15日
- <メーカー希望小売価格>
- 「MT-09 ABS」 1,004,400円 (本体価格 930,000円/消費税74,400円)
- ※メーカー希望小売価格(リサイクル費用含む)には、保険料、税金(除く消費税)、登録などに伴う諸費用は含まれません。
- <販売計画>
- 2,000台(年間、国内)
- <カラーリング>
- ・ブルーイッシュグレーソリッド4(グレー)
- ・ディープパープリッシュブルーメタリックC(ブルー)
- ・マットダークグレーメタリック6(マットグレー)
- 《2017 年モデル「MT-09 ABS」の新たな特徴》
- 1)レバー操作荷重を低減するA&S クラッチ
- 穏やかな車体挙動と、軽いクラッチ操作荷重を実現するため、アシストカムとスリッパーカムの2 種のカムを設けたA&S(アシスト&スリッパー)クラッチを採用しました。クラッチレバーの操作荷重は従来モデル比で約20%低減しました。
- 2)滑らかにシフトアップできるQSS
- 機敏で滑らかなシフトアップ操作を支援するQSS(クイック・シフト・システム)を新採用。シフトレバーの動きをシフトレバーロッドに設けたスイッチが検知すると、ECU演算によりエンジン出力を補正し、噛み合っているギアの駆動トルクを瞬間的にキャンセルし、シフトアップ操作を支援します(「YZF-R1」と同様の仕組み)。なお、これに合わせ新作スプロケットカバーを装着しました。
- 3)圧側減衰の調整機能を追加したフロントサスペンション
- 走行シーンに合わせてセッティングを楽しめるよう、41㎜インナーチューブ採用倒立フロントフォークには圧側減衰力の調整機能を設けました。
- 4)フローティング風懸架のLED4灯ヘッドランプで軽快さを印象づけるフロントビュー
- コンパクトな新作LED4灯ヘッドランプと、「MT-10」と連動した2眼デザインによるヒール感ある表情がフロントビューの特徴。車体をコンパクトに見せるため、ランプユニットはフロントフォークへ近づけてレイアウトしました。また、フロントを軽快に見せるため、フォークとライトの間に空間を設けフローティング風のデザインとしつつ、フラッシャーもラジエター側面に移しています。フローティング風の懸架にすることで見えてくるヘッドランプ裏のヒートシンクとボルトにも抜き意匠を施し、ライダーに”魅せる裏側”を構成しています。
- 5)“塊感”&“力感”のあるサイドビュー
- ラジエター周辺にはサイドフィンと大型エアスクープを採用し、“塊感”と“力感”を強調するシルエットに貢献しています。”立体感・奥行感”あるテールランプは傾斜しながらボディに一体化しており、上から眺めると「M」の形がみてとれます。レンズ内側の4本の導光体によってリアビューでも”フローティング”の印象を醸し出します。
- 6)ショートテールを実現するライセンスプレート懸架を兼ねたリアフェンダー
- リアフェンダーは、ライセンスプレート懸架も兼ねたアルミ鍛造製の片持ちステーを採用し、ショートテール化を実現しました。また、右側面からのリアタイヤとリアホイールをクリーンに見せ、ライセンスホルダー周辺にもフローティング風デザインを施しています。(ヤマハ製モーターサイクル初)。
- 《従来からの主な特徴》
- ■軽量アルミ鍛造ピストン■破断分割式(FS)コンロッド■オフセットシリンダー■1次偶力バランサー■YCC-T(ヤマハ電子制御スロットル)■ナノ膜コーティングのエキゾーストパイプ■YAMAHA D-MODE(走行モード切替システム)■CFアルミダイキャスト製フレーム
- 「MT-09 ABS」 主な変更点フィーチャーマップ
- ・ヘッドランプとの一体感ある配置のメーターパネル(傾斜角調整、パネル本体変更なし)
- ・フローティング風懸架LED4灯ヘッドランプ
- ・LED6灯ポジションランプ
- ・圧側減衰力調整追加
- ・大型エアスクープ
- ・左スクープエア内にDC コネクタ2個(2A/5A)追加/右側は従来通り1個(2A)
- ・ラジエターのサイドフィン
- ・A&Sクラッチ
- ・QSS
- ・蒸発ガソリンの大気放出を抑止するキャニスター採用
- ・フィット性に優れた新シート(クッション形状最適化)
- ・ボディ側にインテグレートしたテールランプ(リアフレーム後端は30㎜ショート化)
- ・グリルを追加した新テールカウル
- ・アルミ鍛造ステーのリアフェンダー(ライセンスプレート懸架)
- ・新デザインのフラットなサイレンサーカバー
- ・新デザインのサイレンサーエンドカバー
- ・前フラッシャー取り付け位置変更
★主要諸元
車名型式 | 2BL-RN52J | |
---|---|---|
MT-09 ABS | ||
発売日 | 2017年2月15日 | |
全長×全幅×全高(m) | 2.075×0.815×1.120 | |
軸距(m) | 1.440 | |
最低地上高(m) | 0.135 | |
シート高(m) | 0.820 | |
車両重量(kg) | 193 | |
乾燥重量(kg) | - | |
乗車定員(人) | 2 | |
燃費消費率(km/L)※1 | 29.4(国交省届出値 定地燃費値 60km/h 2名乗車時)※2 | |
19.7(WMTCモード値 クラス3 サブクラス3-2 1名乗車時)※3 | ||
登坂能力(tanθ) | - | |
最小回転半径(m) | - | |
エンジン型式 | N711E | |
水冷4ストローク直列3気筒DOHC4バルブ | ||
総排気量(cm3) | 845 | |
内径×行程(mm) | 78.0×59.0 | |
圧縮比 | 11.5 | |
最高出力(kW[PS]/rpm) | 85[116]/10,000 | |
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) | 87[8.9]/8,500 | |
燃料供給装置形式 | フューエルインジェクション | |
始動方式 | セルフ式 | |
点火方式 | T.C.I.(トランジスタ式)式 | |
潤滑油方式 | ウェットサンプ | |
潤滑油容量(L) | 3.4 | |
燃料タンク容量(L) | 14 | |
クラッチ形式 | 湿式多板 | |
変速機形式 | 常時噛合式6段リターン | |
変速比 | 1速 | 2.666 |
2速 | 2.000 | |
3速 | 1.619 | |
4速 | 1.380 | |
5速 | 1.190 | |
6速 | 1.037 | |
減速比1次/2次 | 1.680/2.812 | |
キャスター(度) | 25°00′ | |
トレール(mm) | 103 | |
タイヤサイズ | 前 | 120/70ZR17M/C 58W |
後 | 180/55ZR17M/C 73W | |
ブレーキ形式 | 前 | 油圧式ダブルディスク |
後 | 油圧式シングルディスク | |
懸架方式 | 前 | テレスコピック式 |
後 | スイングアーム(リンク式) | |
フレーム形式 | ダイヤモンド |
※燃費消費率は、定められた試験条件のもとでの値。使用環境(気象、渋滞等)や運転方法、車両状態(装備、仕様)や整備状態などの諸条件により異なります。
※定地燃費値は、車速一定で走行した実測の燃料消費率。
※WMTCモード値は、発進、加速、停止などを含んだ国際基準となっている走行モードで測定された排出ガス試験結果からの計算値。