スズキは、昨年のインターモトでGSX-R1000、GSX-R125、GSX-S750、V-Strom1000、V-Strom1000XT、V-Strom650、V-Strom650XT、そしてミラノショーでGSX250R、GSX-S125、V-Strom250、BURGMAN400と大量のニューモデル発表を行った。これらのモデルの大半は2017年の春、最も遅いモデルでも夏までには販売を開始するという。そしてその怒涛の新車ラッシュ第一弾となるのが、今回発表された150ロードスポーツ「ジクサー」、そして250フルカウルスポーツ「GSX250R」だ。
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SUZUKI ジクサー(GIXXER)
ライダーの身長は176cm。写真の上でクリックすると両足時の足着き性が見られます。 |
今回、国内導入が発表されたスズキのジクサーは、2014年にインド市場でのフラグシップスポーツモデルとして開発され、インド国内やアジア、中南米向けを中心に輸出されているモデルがベースとなっている。先進的な外観を始め、優れた走行性能、クラストップレベルの燃費性能などを兼ね備えたモデルとして人気を集め、すでにインド国内でバイクオブザイヤーを13賞も獲得しているという。
国内導入にあたっての最大の変更点は、現地仕様がキャブなのに対してフューエルインジェクション化が図られたことで、優れた出力フィーリングとクラストップレベルの燃費性能を両立。また、平成28年度国内排出ガス規制(EURO4相当)にも対応している。このインジェクションシステムは、O2センサー、エンジン温度センサー、吸気温度センサー、スロットル位置センサー、吸気圧力センサー、そしてクランクシャフト位置センサーという6つのセンサーを搭載する日本仕様独自のものとなっている。
ジクサー用に専用開発されたエンジンの基本的なスペックは、空冷単気筒SOHC2バルブ、排気量154㏄で、ボア56mm×ストローク62.9mmのロングストロークタイプでありながら、高回転域までスムーズに回るエンジンを実現しているという。ちなみに、最高出力は10kW/8,000rpm、最大トルク14N・m/6,000rpmを発生。メカニズム的な特徴としては、狭角のバルブ角度に設定されたシリンダーヘッドを採用し、燃焼室のコンパクト化とタンブルフローを積極的にバックアップ。そしてスズキジェット冷却システム(SJCS)等の採用により優れた燃焼効率を実現。ローラーロッカーアームと軽量ピストンによるフリクションロスの低減なども併せて高出力と燃費性能の向上を実現している。
コンパクトなエンジンを搭載する車体は、必要な剛性を確保しつつ、軽量なフレームを採用し、装備重量も135kgと125クラス並みの取り回し性能を実現。
フロントフォークにはインナーチューブ径41㎜のテレスコピックタイプ、リアには7段階のプリロード調整が可能なモノサスペンションを採用している。ブレーキは前輪に266mm径のシングル、後輪には220mm径のシングルディスクをそれぞれ採用。タイヤはフロントに100/80-17M/C 52Sバイアス、リアに140/60R17M/C 63Hラジアルタイヤを組み合わせている。
インナーチューブ径41㎜のテレスコピックサス。ブレーキはφ266mmシングル。 | 日本国内の平成28年排出ガス規制に対応させるべく6センサーを導入したフューエルインジェクションを採用。 | 7段階のプリロード調整が可能なリアサスペンション。ブレーキはφ220mmシングル。リアタイヤは140サイズのラジアルだ。 |
シートカウルと一体化したデザインのグラブバーを採用。シャープでコンパクトなリアデザインを実現。 | スタイリッシュなアクセントとして、エンジンを包み込むようにデザインしたゴールドのフレームカバーを採用(青と黒のソリッドモデル)。 | テールランプにはLEDを採用。コンパクトなテール周りの造形に一役買っている。 |
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SUZUKI GSX250R
ライダーの身長は176cm。写真の上でクリックすると両足時の足着き性が見られます。 |
2012年7月から日本国内にも導入されているスズキのグローバルモデルGSR250は、250スポーツクラスにおいて“力強いスタイリングと扱いやすいエンジン特性”で着実に人気を集めてきている。このGSR250の優れたパッケージを受け継ぎ、走りの魅力をさらに高め、フルカウルによるスポーティな外観と合わせて、スズキの250ラインナップを充実させるべく登場したのがGSX250Rだ。
GSXの名称が取り入れられているが、その実態は質実剛健なGSR250のエンジン、フレームに、GSX-Rイメージのフルカウルスタイルを合体させた250ロードスポーツ、がGSX250Rの構成だろう。ということは、GSR250で定評の高トルク型エンジンとライダーが意のままに操れる軽快なハンドリングにより、日常使いから長距離ツーリングまで、これ一台でバイクライフをすべてこなせる、懐の広いモデルということだ。
ちなみに開発コンセプトは、『街乗りにおける日常的な扱いやすさを持つ、スタイリッシュなスタンダードスポーツバイク』。それを具現化するため、低・中速域のトルクに重点を置いたエンジン、クラストップレベルの燃費性能、意のままに操れる軽快なハンドリングと乗り心地の良さ、長距離の走行に安心な大容量15リットル入り燃料タンク、平成28年国内排出ガス規制に対応、という目標が立てられ開発が行われた。
搭載されるエンジンは、GSR250ベースの水冷2気筒SOHC2バルブ、排気量248㏄で、低・中速トルクを重点的に向上させ、パワフルさと扱いやすさを両立させるため徹底的な分析と最適化が実施されたという。最高出力は18kW(24PS)/8,000rpm、最大トルクは22N・m/6,500rpmだが、とにかく日常で使うことの多い9,000回転までのトルク特性に注目して開発したという。
フリクションロスの低減のためローラータイプのロッカーアームを採用、低張力のピストンリング、ホーニング方法を最適化しオイル保持性を向上させたシリンダー、プロジェクトタイプ(突出し仕様)のスパークプラグ、ウエスト化(細く加工)し吸入抵抗を低減したインテークバルブ、カムプロフィールやオイルポンプも加速性能やフリクションロス低減のため最適化されている。
ホイールにはスポーティな新設計10本スポークタイプを採用。ぺタルタイプのディスクブレーキ、IRC製タイヤを装備。 | 2-1エキゾーストシステムは左右不等長として高回転域での出力を維持しながら低速トルクの向上を実現。 | タイヤサイズはフロントが110/80-17M/C 57H、リアに140/70-17M/C 66Hを装着。リアもぺタルタイプのシングルディスクブレーキ。 |
ライダーとパッセンジャー部を分離したシート。シート先端を細くしたタンク形状と相まって快適な足付き性を実現。 | サイレンサーには異型断面形状タイプを採用してバンク角を確保している。内部構造も見直され、排気損失を低減し出力向上に貢献している。 | テールランプにも面発光のLEDを採用。V字型デザインにより個性を主張。 |
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