2016年12月22日 

■Ninjaを駆る二人の“ブリティッシュ・ファイター”大いに語る

 “市販車世界最速決定戦”こと、スーパーバイク世界選手権(WSBK)で2年連続ライダー&マニュファクチャラーズ・タイトルを獲得したKawasaki Racing Team(KRT)。最終戦までチームメイト同士のチャンピオン争いを展開した二人のライダー、ジョナサン・レイとトム・サイクスが来日、12月21日にプレスコンファレンスが開催された。

プレスコンファレンスは8月、お台場にオープンした川崎重工の東京ロボットセンターショールーム「Kawasaki Robostage」にて行われた。カワサキ・ロボットが二人の似顔絵を描く。


 コンファレンスはカワサキで数々の栄光を共にし、現在開発ライダーやアドバイザーを務める藤原克昭が両ライダーに質問をぶつけるという形式で行われる。

 2016年にベース車がモデルチェンジしたことでキャラクターも変わり、当初はマシンの理解に多少時間を要するもチーム一丸となって前進を続け、Ninja ZX-10Rのチャームポイントは “安定したパッケージ”であるというのは、お互いライディングスタイルは異なるもののレイ、サイクス共に同意見。さらにチーム力を加えたトータルなパッケージがWSBKでの勝因だという。

 ヘレス・サーキットで行われた2017年シーズン向けのテストでは、市販車ベースのマシンながらバレンティーノ・ロッシのMotoGPマシンのタイムを上回ったことで話題となったが、2年連続チャンピオンのレイはとても謙虚。ただ2017年シーズンに大きな期待を寄せていることは確かだ。

 終盤になると、二人に対し「鈴鹿8耐に出たいか?」という質問も。藤原個人が気になることとしていたが、多くのカワサキ・ファン、レース・ファンも気になるアンサーはサイクス、そして8耐優勝経験者(2012年)であるレイも参加したいと考えているようだが、現状ではWSBKとのバランスで難しいとのこと。ただ、世界耐久選手権の最終戦となったことで注目を集めている鈴鹿8耐、日本のメーカーであるカワサキにとっても地元を盛り上げるための秘策は考えているだろうから、期待したいところ。



ジョナサン・レイ(Jonathan Rea):1987年2月2日生。イギリス出身。2009年よりスーパーバイク世界選手権に参戦。2015年にカワサキへ移籍。2015・2016年にチャンピオンを獲得。 トム・サイクス(Tom Sykes):1985年8月19日生。イギリス出身。2009年よりスーパーバイク世界選手権に参戦。2010年よりカワサキを駆り、ワークス・チーム入りした2012年は僅か0.5ポイント差でチャンピオンを逃すも、翌2013年に雪辱を果たす。2014年2位、2015年3位、2016年2位。

 2018年シーズンまでKRTから戦うことが決まっているジョナサン・レイとトム・サイクス。WSBKでの更なる活躍に要注目である。

 尚、国内でカワサキの主力チームとして戦う、カワサキモータースジャパンが運営する「チームグリーン」の2017年シーズンの参戦体制も明らかに。名称は新たに「カワサキ チームグリーン」となり、全日本ロードレース選手権JSB1000クラスは渡辺一馬、松崎克哉の2名を起用。今シーズンのレギュラーライダーであった柳川 明は同チームのコーチ兼ライダーとしてJSB1000にスポット参戦(4月:鈴鹿2&4、6月:オートポリス)を予定、渡辺一樹はGoeleven Kawasakiからスーパースポーツ世界選手権(WSS)を戦う。また、全日本モトクロス選手権はエントリーがカワサキレーシングチーム(KRT)からカワサキ チームグリーンとなり、新井宏彰、小方 誠が戦う。

12月18日、カワサキ製品の歴史を一望できる神戸カワサキワールドで開催されたサイン&握手会には二人に会いたい200名を超えるファンが詰め掛ける大盛況だったという(残念ながら飛行機の遅れによってサイクスの来場は叶わなかったが……)。
サイクスも無事合流、チームスタッフと共に川崎重工の本社や兵庫工場を訪れ、マシンをテストし、風呂に箸と日本文化に触れる。