2016年11月22日 

■多くのライダーがエアバッグを装着する時代は近い!

 ライディング&レーシング・ギアでお馴染みのアールエス タイチが、エアバッグを装着したレーシングスーツの開発、実戦投入を開始した。同社が使用するエアバッグはアルパインスターズ社製「TECH AIR」。アルパインスターズ以外のメーカーで、ベストタイプにアッセンブリーしたエアバッグユニットをレーシングスーツに組み込み、実戦投入したのは世界初となる。

 エアバッグは前身/後身の上半身ほぼ全域と、肩から上腕中央部付近をカバー、作動は危険を感知してから約25/1000秒でバッグが展開(一瞬の出来事)する。その後、約1分ほどでエアが抜けるため、車両や身体のダメージが軽微であればリスタートも可能。軽微なスリップダウンでは作動しない設計になっており、車両から振り落とされたり、ライダーが大きく転がる様な状況において、ユニットがあらゆる計算の結果「危険」と判断した際に作動するという。

アールエス タイチのレーシングスーツに装着される「Tech-Air Raceシステム」。

 電源にはリチウムイオンバッテリーを使用。満充電の状態から約25時間の使用が可能で、実際の走行時間を考えると、1レースウィーク中に充電しなおす必要はないという。充電に要する時間はバッテリーが空の状態から約6時間。

  TECH AIRを装着したアールエス タイチのレーシングスーツは、FIMロードレース世界選手権シリーズ(MotoGP) 第17戦・マレーシア・グランプリにおいて、Moto2クラスのハフィス・ シャーリン選手(Petronas Raceline Malaysia)と、Moto3クラスのカイルール・イダム・パウイ選手(Honda Team Asia)が、鈴鹿サーキットで開催された全日本ロードレース選手権・最終戦ではJSB1000 クラスの秋吉耕祐選手(au&テルルKohara RT)が着用している。

 アールエス タイチは、現時点においては開発段階だが、将来的には限られた一部の選手だけではなく、一般のユーザーも購入できるようになり、より高い安全性を手に入れることができることを前提に開発を進めていくという。



カイルール・イダム・パウイ選手 秋吉耕祐選手