Honda CBR1000RR Fireblade/CBR1000RR Fireblade SP
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開発のまとめ役を務めた本田技術研究所二輪R&Dセンターの佐藤まさとしさん。2008年からCBR1000RR、CBR600RR等スーパースポーツの開発に携わる。「Total Control」公道でのライダーが操る楽しさを感じられるプロダクト。その哲学を貫くべく開発を進めました。なので、レーサーを造る、という目標ではありませんでした。しかしFirebladeはSBKのベースモデルでもあります。レースベース車として、SP2を設定することで、レースユーザーの期待にも応えています。 外装を留めるボルトの頭の形状、その長さも必要最低限として軽量化を進め、15キロという目標を達成しています。新型の良さはスタンダードモデルに集約させています。是非走りを楽しんでいただきたい。また、電子制御サスやチタンタンクを備えたSPでは、よりセッティングの幅を広げた走りを楽しんでいただけます。このチタンタンク、熊本製作所の努力で、同じ金型で鉄タンクとチタンタンクを造れることで実現したものです。SPには軽量なリチウムイオンバッテリーも搭載しています。結果的にSP仕様は17キロもの軽量化を達成しています。フレーム、エンジンに外見上先代と似ている部分がありますが、中身は全くの別物。多くのFirebladeがお客様を楽しませることを願っています。 |
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ライダーの身長は183cm。写真の上でクリックすると両足時の足着き性が見られます。 |
2017年モデルとしてリニューアルするに当たり、開発者は1992年に誕生した初代FIrebladeが目指したものをあらためて見つめ直したという。
公道を意のままにライディングできることを目指し、パワー競争、最高速競争ではなくスーパースポーツの真髄を目指した初代。そのマシンが開発された当時の資料を改めて読み直し「ワインディングで真価を発揮する」というパッケージングテーマ「Total Control」というキーワードを新型に封入することに迷いは無かったという。
そして新型開発に掲げたテーマは、「NEXT STAGE Total Control」
・クラス最軽量の車重とマスの集中化がもたらす圧倒的な軽快感。
・出力向上と、よりコントローラブルな特性を両立したパワーユニット。
・ファンライディングをサポートする電子制御の搭載。
この3つを柱に開発は進められた。
実物を目にするとまず驚くのそのコンパクトさだ。歴代のモデル、初代900RR、2004年型1000RR、そして新型2017年モデルを並べると解りやすい。当日、取材現場にあった話題のCBR250RRと並べても、見た目はCBR1000RRのほうが明らかにコンパクトなほど。
右から初代Fireblade、中央はユニットプロリンクを採用し、999㏄エンジンとなったCBR1000RR。そして左が新型だ。並べると解るように、まるで相似形で初代からコンパクトになる印象。実際跨がると、初代がリッターネイキッド、’04モデルが400㏄クラス、そして新型が250㏄クラスに思えるほどサイズ感、軽さ感が異なる。実際に跨がっても、タンク形状、ピボット周りのスリムさ、サイドスタンドから起こす時の手応え、重みとも、クラスの異なるバイクを触っているようだった。 |
これも開発テーマ通りのものなのだ。徹底的に施された軽量化により先代よりも15kgの減量を達成。SP仕様では量産市販車初のチタンタンクの採用などもあり17kgもの減量に成功したという。
これらはフレーム、外装、エンジン内部はもちろん、ボルトの長さ、形状にまで拘って行われた軽量化の積み重ねだという。これにより運動性能や慣性重量の低減によりライダーが扱いやすいマシンであることを目指した。
その上で、新型CBR1000RRには歴代初となる各種電子デバイスを初搭載した。パワーセレクター。トラクションコントロールであるホンダセレクタブルトルクコントロールやセレクタルブルエンジンブレーキなどのデバイスを装備することで、開発ターゲットとした200馬力前後のエンジンパワーを「安心」して使いこなせるようにまとめ上げたという。
こうした装備をライバル達はすでに採用していただけに、CBRファンにとってはホンダがどのような味付けにするのか興味津々だったはず。まさに待望の装備ではないだろうか。
2004年に初採用されて以来、HESDやシステムを刷新したABSは継続搭載される。さらにSPモデルではオーリンズ製セミアクティブサスペンションを搭載するなど、ライバルに引けを取らない装備の選択ができるのだ。
電子制御の精度を高めるために、ボッシュ製の加速度センサーの搭載や電子制御スロットルなど、車体の動きと状況をECUで総合判断し各制御系を統合制御する方式も採用している。これらがどんな走りに結び着いていいるのか。乗る日が待ち遠しい。
これに合わせ、CBR1000RRではワイヤーハーネスから相互通信が可能なCAN-Busシステム(相互通信を可能にしたハーネス。コントロール・エリア・ネットワークの略。必要な信号を必要な箇所に送ることで作動させる、情報をECUに集める等する。集約された配線でそれを行うところが乗り合いバスに似ている点、バスの路線図のような配線になる事からキャンバスと呼ばれるという)を採用。より緻密な制御と軽量化に貢献している。
また、電子制御スロットルを作動させるECUは、MotoGP直系のシステムだということもあり、その操作感、レスポンスにダニ・ペドロサ、マルク・マルケスら、限られた人数しか触れる事の無かった頂点モータースポーツで培われた世界最高峰の技術、その手触りを確かめられることになるという。
撮影のために車両を動かすだけで感じるマスが集中具合と動きの軽さ。複雑な形状のチタンマフラーボディーの製法など、軽量化と理想のパッケージのために様々な革新敵技術が入っているという。マフラーは音の良さも自慢だという。
フレームやエンジン外観が先代と似た部分もあるが、実際に中身は全くの新設計を施したと話す開発者。峠で、サーキットで、その走りを実感できる日は遠くない。
(レポート:松井 勉)
左グリップのスイッチでモードセレクト、選択、決定が行える。 | 速度や切れ角などを判断してダンパーの減衰を可変させる電子制御ステアリングダンパー“HESD”。タンクシェルターに隠れて搭載。 | スイッチ類は左グリップ側に集約したため右グリップ側はスターターボタンが着くだけのシンプルなものに。 |
ライダーがコンタクトするエリアの細さはその下に並列4気筒エンジンを載せるバイクとは思えないほど。 | 全体が細く絞られたライダーズシート。STDは2人乗り、SPは1人乗りとなる。 | カウルサイドが包み込むような造形となっているテール。LEDを使ったランプは954RR以来の伝統。新型のそれはLEDの指向性を弱め被視認性に優れたデザインになっている。 |
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