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成田からパリ経由でフィレンツェ、フローレンス・ペレトーラ空港へ。フィレンツェの市街地を横切り、東へおよそ50キロ。トスカーナの丘陵地帯にニッポツァーノ城はあった。ワイナリーでもある古城の周りはブドウ畑やオリーブ畑が。風景の美し過ぎて目はハートに。
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車寄せへと進み、玉砂利を踏むタイヤがその音を奏で終えた時、目に入るのがこの凜と並んだムルティストラーダ1200 エンデューロ軍団。これまた美し過ぎる・・・・・!
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このモデルにあるカラーがそれぞれ用意されている。純正のパッケージオプションから、エンデューロパックを選び、クラッシュバーを装備する。スクリーンはロープロファイルのものに交換されている。
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車体はノーマル。タイヤはピレリと共同開発したピレリ・スコーピオン・ラリーを履いていた。オンオフ共に旅するツアラーであるムルティストラーダ。そのキャラクターをオフロードによせたエンデューロだけに、このタイヤがとても似合う。エア圧もしっかり管理されていた。
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古城入り口で受け付け。名前、運転免許証などを確認する。
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城内に入る。1時間の座学が行われる会場。生徒の椅子はDREエンデューロのスポンサーでもあるスポーツ用品メーカーからのバランスボール。
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座学の部屋から見下ろしてもステキな風景とバイク。VWのトラックはオフィシャルカー。隅々までカッコ良い、それがイタリア流だ。このピックアップ、日本でも売らないかな。このVW、南米ではよく見かけました。
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細部に神が宿る、を実践する・・・・。
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16名の参加者を2グループに分ける。そのグループのリーダーについて、最後まで同じグループで走るよう指示される。座学もトレーニング中のブリーフィングも基本的に英語で進められる。
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ベッペはじめ、今回の講師はこの面々。
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さあ、出発だ!
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古城の回りはこんな風景が広がる。ああ、こんな風景を楽しめるとは、いわゆるライテク道場的なイメージはすっかり消え、良質なツーリングを楽しんでいる自分がいた。
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舗装路をゆっくりと移動しながらも、スラローム、体重移動の予行演習開開始。
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トレーニングの最初はスラローム。ブドウ畑の中を行く砂利道に置かれたパイロンを使い、スタンディングポジションで左右に切り返し、バイクをコントロールする。バイクを寝かす、切り返す。この一連に重みを感じるようであれば、体重移動が足りない証拠。いわゆるリーンアウトなのだが、ガソリン満タンで260キロを越えるアドベンチャーバイクを体力ではなく、自分の体重とバイクの重さをバランスさせる事で、軽く扱う練習なのだ。念入りに行った。
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私もみっちり繰り返しました。思いの外パイロンの間隔は狭く、頭で考えすぎると曲がりきれません。経験者も軽く追い込む(いえ、楽しめる)設定です。
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最初の頃、なんとなくポージングに専念しすぎて旋回を引き出せていない自分(汗)。
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寝かす、前輪が切れる、曲がる、バイクの旋回方向に寝よう、倒れようとするモーメントと自分の体重をバランスさせる。旋回性を引き出すためハンドルバーから力を抜きつつ、バイクを起こすのにアクセルを開ける・・・・。この循環がジャリ道パイロン攻略の秘密だった。え、変わらない? 本人はがっちり掴みました、そのコツを。
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風景は何処を見ても最高。トスカーナ、美しい。
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その中、DREエンデューロで低速旋回バランスをたたき込まれつつ、適宜休息を取る。僕が受講したクラスは各国から集まった体験取材のジャーナリスト達。腕自慢も多いが、なるほど得るモノが多い。
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東屋の下で感覚と操作にまだズレのようなものがあるよ、とベッペ先生が説いて回る。バイクを寝かし、体でバランスを取る。ハンドルを切って曲がろうとしてはダメ。とたんにバイクが言うことを聞かなくなるだろ。寝かして前輪の向きを変えるんだ、と。
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次なるトレーニングは減速。後輪ブレーキを思い切り踏み、ロックさせる。その時、バイクを直立させて乗っていないと後輪が左右にスライドを始めてしまう。腰を引き、バイクを直立させる事に集中せよ、と先生。
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直線で加速、一機にブレーキング、腰を引きすぎると、ブレーキペダルをギュっと踏めない。その臨界点を自分で探してベストを探る。ムルティストラーダ1200エンデューロのリアブレーキペダルは踏面の高さが変えられる。こんな場面で使い勝手抜群。オフロードバイクだ、これ。反復練習、いまさらながら大切です。
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日本で言えば林道のようなルートが古城周辺には多くあるようで、人家のある集落から奥に入ると森の中へと道が吸い込まれ、山を巡るルートは特上のファンライドだった。
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ホテルでシャワーを浴び、さっぱりしてから再びクルマで古城へ。夜9時から始まったディナーはランチと同じダイニングで。夕食は全てサーブされる。ティピカルなトスカーナの食事のフルコース。どれも美味しかった。本文でも触れたが受講する同行者は140ユーロでランチ、ディナー、古城のガイドツアーに参加できる。夕食だけなら60ユーロだ。
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楽しい初日を振り返り、仕事忘れてます、この顔。左は一緒に参加した河野正士さん。
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DAY2。愛知の友人、太郎さんが「そのインストラクター、僕の知り合いです」とメッセージがあり、急遽、写メ撮影中、それを撮影されました。
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昨日と同じバイクに乗るように。クラッチやアクセルのフィーリングが同じものを使うことで、バイクと自分のコンビを崩さず2日目の講習を受けられるように、という配慮からだ。
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トスカーナの丘に造られたトレーニングコース。丘陵を使うため、旋回中に路面の傾き(カント)が変わるという仕掛け付き。。オモシロイのは、ゆっくり走ると意外と走れて、ペースを上げるとどんどん難しさが顔を出すという見た目とは裏腹にチョイ悪な設定だ。
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初日はスラローム、ブレーキングのトレーニング後、林道ファンライドに出た。雨でグラストラックの練習コースが滑りやすかったからだ。2日目、丘陵の牧草地の中に造られたコースでまずは丸太波状路。走破する事は簡単だが、膝、腕、ライディングポジションでこのギャップから来る衝撃を緩和する事を学ぶ。腕、肩、膝に力が入ると、ライダーが揺れる。揺れないよう、スムーズに吸収しバイクを走らせる、という基本の見直し練習。
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丸太コースB。こちらではあえてホイールベースがすっぽりはまる間隔で丸太が間引かれた設定。スピードは抑えて通過せよ、推進力を殺さず、クラッチでエンジンがぐずるのも抑える・・・。距離は短いがこれも考えすぎると体と操作がちぐはぐに動く。典型的な基礎練習にスパイスを利かせただけで手応えと攻略欲がムクムク出てくる設定だ。
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次は一本橋。落ちたら戻ろうとするな、戻ろうとすると転ぶぞ、とベッペ先生。見て下さいこの幅。教習所の一本橋がレインボーブリッジに思えるほど狭い。基本を忘れて下を見てしまうと、2秒後には橋から落ちます。先を見て、ステップへの左右の荷重バランスでバイクの直進を保つ。肩、腕に力が入ってもバイクは簡単に進行方向が乱れる・・・・。基本の見直し練習。慣れるとこれ、行けます。
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そしてグラストラックの周回コースへ。まず、楽しいです。こんな場所を走れるなんて! 1周目、全周低速でゆっくり走りなさい、2周目、カーブはゆっくり、直線で少しアクセルを開けなさい、3周目、直線では2周目よりアクセルを開け加速し、しっかりとブレーキで減速してカーブに入りなさい、4周目、ブレーキをもっと掛けるように直線スピードをマネージメントしなさい、と段階を追って走るように指示された。
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そして5周目以降、下りではトライアルのように止まったり動いたりをしながらバランスを取りつつ、走りなさい。このグラストラックの風景の中、この大型アドベンチャーバイクで楽しんで走る。低速バランスを会得するとこの大型アドベンチャーバイクもすでに友達だ。
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