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シーズン中盤から調子を崩したロレンソと、まさかの体調不良のロッシ。この二人が共倒れするとは、マルケスも予想してなかった展開のもてぎでした。 「今シーズン、マルケスは強かった」と、誰もがコメントを残したように、強い人は運も持っていくものなんですね。 GPのトップライダーは、速いだけでなくとても素直だなぁと思うことが度々あり、今回もまさかのチャンピオンが決まってはしゃぐマルケスをみて、憎たらしいくらいにそう思いました。嬉しいときは思いっきり感情を表に出して全身で喜びを表現し、また、そうでなく不満に思うこともハッキリと言う。マルケス以外のライダーもそう、そういうところがとても気持ちいい。それだけモノを言えるのも、自信に裏打ちされたライディングとレースに取り組む姿勢があるから。無論、彼らから話など聞かなくても、見ればレースの緊張感が伝わってくるし、全力で戦う彼らに対して自然と応援の声が出てくるものです。そして、彼らから受けるもの、心に残るものの大きさに満足感を得る。 一方、日本人ライダーの中には、レースが終わって観客に手を振る余裕もなかった選手もいました。ワイルドカードで出場したライダーは「走りの次元が違った、全日本に居過ぎた……」と肩を落としていましたが、国内ではランキング上位で人気の彼は、今回は残念な結果に終わったけど、世界最高峰のライダーと走ることによって、自分に足らないものを見つけ、意識を変えてさらに上を目指そうと奮起しています。心から頑張ってもらいたいと思います。 現在フル参戦しているMoto2の中上貴晶やMoto3の尾野弘樹はトップグループで戦う実力があり、もてぎを沸かせました。自信に満ちたいい顔をしていて、日本のライダー達にとって大きな目標であり、私たちにも希望の光です。来週シーズンは長島哲太もフル参戦です。やはり日本人としては、日本人ライダーが感情を弾けさせるところが見てみたいと思う。それに一番近いのが、彼らです。 チームスタッフと喜びを分かち合うマルケスに日本人ライダーを重ねあわせながら、日本人が爆発する、そんな画を撮りたいなぁと思ったのでした。
[楠堂亜希先生のスーパーコラム全日本ちょこちょこっとへ]