CRF450R/CRF450RX 939,600円/977,400円(11月7日/12月15日発売)
★ホンダ CRF450R/CRF450RX 車両解説
CRF450Rの2017年モデルとエンデューロレーサーCRF450RXを発売
2000年のMFJモトクロス日本グランプリで、プロトタイプ車が世界に先駆けてデビュー。そして翌年の2001年から全日本モトクロス選手権シリーズ及び、AMAモトクロス選手権でワークスチームが使用開始した4ストロークモトクロッサーCRFシリーズ。この年の11月10日にCRF450Rの一般市販が開始されている。
2年遅れで登場したCRF250Rとともに、4ストロークエンジンを搭載するホンダの新時代環境対応モトクロッサーとして進化を続けているのがCRFシリーズだ。
市販開始以来、イヤーモデルごとに戦力アップがはかられてきているCRF250R/CRF450Rだが、2011年9月に登場した2012年モデルでは、更なる操縦安定性の向上を中心に、各部の熟成が行われた。車体周りでは、サスのセッティング変更、チェーン周りの改良、そしてワイドフットペグの採用などにより、より車体のコントロール性をアップさせた。吸気系の小径化なども行われたCRF250Rと異なり、CRF450Rではエンジン面の改良はPGM-FIのセッティング変更のみ。
そして、2013年モデルではCRF450Rのフルモデルチェンジが行われた。“MX Revolution モトクロス革命”を開発コンセプトに、さまざまな走行シーンで自由に操れるモトクロスマシンを目指したという。新設計アルミツインチューブに搭載されるのは、これまた新形状のピストンや吸・排気ポート形状など、大幅に仕様の見直しが行われたエンジン、そしてフロントフォークにはエアサスペンションが採用された。
2013年9月発売の2014年モデルでは、2013年モデルでのフルモデルチェンジを受けて、前後サスの減衰力特性の見直しや、シリンダーヘッドの吸・排気ポートの形状変更程度のマイナーチェンジイヤーとなった。2014年モデルのハイライトは、兄弟車、CRF250Rの方がフルモデルチェンジを受ける番だった。
2014年9月発売の2015年モデル。CRF450Rでは、エンジンの熟成とCRF250Rと同様、3種類のエンジン特性モードを、手元のスイッチで切り替えられるエンジンモードセレクトスイッチとインジケーターを新たに採用。足回りもセッティングの煮詰めが行われた。
2016年モデルも2015年の9月に発売され、さらなる安全性の向上を目指して、フロントフォークの全長を5mm延長、同時にアウターチューブ剛性の最適化が行われたのと、リアサスのセッティングを見直すことで高いトラクション性能を獲得している。
今回の2017年モデルでは、フルモデルチェンジが行われ、独自のストレート吸排気レイアウトを採用した新エンジンを、これまた後輪への荷重分布を引き上げてトラクション性能を向上させた新設計の高剛性フレームに搭載した。
また、このモデルチェンジを機に、エンデューロレースに照準を定めたニューモデル、CRF450RXが登場した。エンデューロレースでの競技専用車として扱いやすい特性を追及するとともに、セルフスターターを標準装備するなどの特別仕様のモデルとなっている。
★HONDA プレスリリースより (2016年9月16日)
モトクロス競技専用車「CRF450R」2017年型モデルおよびエンデューロ向け競技専用車「CRF450RX」を発売
Hondaは、世界各地のレース活動で培った先進技術を投入した、水冷・4ストローク・4バルブエンジン搭載のモトクロス競技専用車「CRF450R」をフルモデルチェンジし2017年型モデルとして11月7日に受注期間限定※1で発売。さらに、自然の地形を利用した不整地耐久競技のエンデューロレース向け競技専用車「CRF450RX」を新たに開発し、12月15日に受注期間限定※1で発売します。
CRF450Rは、モトクロスレースで重要なスタート性能ならびに加速性能を向上させるなど、圧倒的な走行性能の実現を目指し、フルモデルチェンジしました。
加速性能の向上は、新設計エンジンおよび独創のストレート吸排気レイアウトによる出力向上によって実現。さらに、新設計の高剛性フレームに加え、後輪への荷重分担を引き上げてトラクション性能を向上させるとともに、徹底した低重心化を図りました。
また、レース時の不意なエンジンストップに対し、再始動を容易にするセルフスターターをオプション設定しました。
CRF450RXは、CRF450Rをベースに近年人気が拡大している不整地でのエンデューロレースの競技専用車として、扱いやすい特性を追求するなど各部を最適化。さらにキックスタート式に加えセルフスターターを標準装備し、エンジンの再始動性能を向上させました。
カラーリングは、Hondaのアイデンティティーを継承するエクストリームレッドを主体色とし、一目でHonda車と認識できる個性を主張するとともに、新たにフィルムインサート成形のシュラウド一体型グラフィックを採用し、ライディング時の摩擦や洗車時などでもはがれにくい特性としています。
※1 受注期間は2016年9月16日(金)から12月26日(月)まで
- ●販売計画台数(国内・年間)
- CRF450R 60台
- CRF450RX 40台
- ●メーカー希望小売価格
- CRF450R 939,600円(消費税抜き本体価格 870,000円)
- CRF450R 977,400円(消費税抜き本体価格 905,000円)
- ※価格にはリサイクル費用を含みます
- ※このCRF450R、CRF450RXは、公道および一般交通の用に供する場所では一切走行できません。また、登録してナンバープレートを取得することもできません
- ※走行場所には十分注意してください。私道や林道、河原、海辺などの公共の道路以外の場所でも、人や車が自由に出入りできるところは道路とみなされ、道路交通法および道路運送車両法の違反になります
- =CRF450R 2017年モデルの主な特長=
- ●エンジン/電装
- エンジンは、さらなる加速性能の向上を目指し、Honda独創の新世代ユニカムバルブトレインを採用した新設計の水冷・4ストローク・4バルブエンジンを搭載しました。
- ・バルブリフト量の拡大と、インテーク側にはフィンガーロッカーアームを新規に採用することにより、低回転域から高回転域までの全域のトルクと出力を向上
- ・DLC(ダイヤモンドライクカーボン)※2処理をフィンガーロッカーアームとピストンピンに採用し、エンジンの摺動抵抗を軽減
- ・楕円断面形状のバルブスプリングを採用し、バルブリフト量を拡大させながら、エンジンの高さを抑え、車両の低重心化に貢献
- ・燃焼室形状の最適化と、ピストンオイルジェットノズルの数量を追加。排気レイアウトの見直しを行い、ノッキングを制御することにより圧縮比を引き上げてエンジン出力を向上
- ・クランク室内のオイルを吸い出してクランク室を負圧に保つ、進化した「スカベンジポンプシステム」を採用し、ポンピングロスを軽減。さらに吸い出したオイルをクラッチやミッションの潤滑に利用することで、オイルシステムの軽量化とミッションオイル全体の容量を低減し、フリクションの軽減を実現
- ・動弁機構やバルブ挟み角などを総合的に最適化し、吸気ポート形状をストレート化させるとともに、インテークバルブ径を38mmに拡大して充填効率を向上。また、リアサスペンション取り付け位置の見直しとエアクリーナーおよびエンジンの吸気側のポート変更によって、吸気通路を直線的につなぐ「ストレートインテークレイアウト」を実現
- ・エキゾーストパイプの曲げを緩やかにして高い圧縮比に対応させるとともに、マフラーを従来よりも前方にマウントすることでマスの集中化に貢献
- ・エンジン出力の増加に伴うクラッチシステムの大型化を回避するため、一次減速比を最適化し、クラッチシステムの小型化を実現
- ・ハンドル右側に設定されていたエンジンモードスイッチを左側に集約し、軽量化したスイッチハウジングを採用
- 上記に加え、エンジン始動時のライダーの負担軽減のために、セルフスタートを可能とする始動装置をオプション設定しました。
- ※2 主に炭素と水素で構成される非結晶のカーボン硬質膜
- ●フレーム/足回り
- 新設計のフレームは、良好なトラクションを得るために後輪への荷重を増やすディメンションの設定とし、フロントの浮き上がりを抑止する低重心化と合わせ、軽快な操縦性を実現するショートホイールベースのコンパクトなフレームとしました。
- ・テーパー形状のメインパイプを採用し、フロントの安定感とリアのトラクション向上を実現。加えてフレームの軽量化を達成
- ・サブフレームの後端部を押し出し成形構造とし、車両重心から遠い部分での軽量化を図り、加えてチタニウム製のフューエルタンクを採用することで軽量化と低重心化を実現
- ・フロントサスペンションは、新設計のフレームディメンションにマッチングするSHOWA製のコイルスプリングサスペンションを採用。大径化したφ39のコンプレッションピストン、φ25のシリンダー径、φ14のロッド径とし、滑らかな動きでギャップでの走破性を向上
- ・リアクッションは、低位置センターレイアウトとし、走行時の安定感を向上。さらに、スイングアームを軽量・短縮化したことによりバネ下重量を軽減し、軽快性とトラクションの向上を実現
- ●その他
- ・フロントビューのデザインは、ラジエーターシュラウドとフロントフェンダーを見直し、前面投影面積を最小限に抑え空気抵抗を低減させるとともに、フロントフェンダーからの空気の流れをラジエーターシュラウド内に効率的に導き、冷却効果を向上
- ・フィルムインサート成形を採用したラジエーターシュラウドは従来品に比べ、光沢のある美しさを保ち洗車や摩擦でもはがれにくい耐久性を確保
- ・セルモーターとバッテリーを搭載し、セルフスタートを可能としたオプションを設定
- =CRF450RX 2017年モデルの主な特長=
- ●主な仕様
- CRF450Rの高性能に加え、スプリントエンデューロレースに参戦されるお客様のために、各部の最適化を図っています。
- ●エンジン
- ・CRF450Rのエンジンをそのままに、セルフスタートを可能とするセルモーターとバッテリーを標準装備
- ・CRF450RX専用の点火時期と燃料マッピングをエンデューロレース向けに最適化
- ●フレーム・足回り
- ・CRF450Rのフレームのエンジンハンガーを変更し、剛性を最適化
- ・樹脂素材のフューエルタンクを採用し、容量を8.5Lに増量して耐久性と航続距離を確保
- ・前後サスペンションは、エンデューロ走行に合わせ、プリロードの最適化と乗り心地を重視した減衰力セッティングを設定
- ・タイヤはエンデューロレースに適した、フロント90/90-21とリア120/90-18のサイズを採用
- ・サイドスタンドは、アルミ鍛造製を採用して強度と軽量化を両立
★主要諸元
車名型式 | PE07〈PE07〉 | |
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CRF450R〈CRF450RX〉 | ||
発売日 | 2016年11月1日 | |
全長×全幅×全高(mm) | 2,183〈2,175〉×827×1,274 | |
軸距(mm) | 1,482〈1,477〉 | |
最低地上高(m) | 0.328 | |
シート高(m) | 0.960〈0.959〉 | |
車両重量(kg) | 110〈118〉 | |
乾燥重量(kg) | - | |
乗車定員(人) | - | |
燃費(km/L) | - | |
登坂能力(tanθ) | - | |
最小回転小半径(m) | - | |
エンジン型式 | - | |
水冷4ストローク単気筒SOHC4バルブ | ||
総排気量(cm3) | 449.7 | |
内径×行程(mm) | 96.0×62.1 | |
圧縮比 | 13.5〉 | |
最高出力(kW[PS]/rpm) | - | |
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) | - | |
燃料供給装置形式 | 電子制御燃料噴射装置(PGM-FI) | |
始動方式 | プライマリーキック式〈セルフ式・キック式併設〉 | |
点火方式 | DC-CDI | |
潤滑油方式 | - | |
潤滑油容量(L) | - | |
燃料タンク容量(L) | 6.3〈8.5〉 | |
クラッチ形式 | 湿式多板コイルスプリング式 | |
変速機形式 | 常時噛合式5段リターン | |
変速比 | 1速 | 2.133 |
2速 | 1.706 | |
3速 | 1.421 | |
4速 | 1.211 | |
5速 | 1.043 | |
減速比1次/2次 | 2.357×3.769〈3.846〉 | |
キャスター(度) | 27°22′〈27°26′〉 | |
トレール(mm) | 116.0 | |
タイヤサイズ | 前 | 80/100-21 51M〈90/90-21 54M〉 |
後 | 120/80-19 63M〈100/90-18 65M〉 | |
ブレーキ形式 | 前 | 油圧式シングルディスク |
後 | 油圧式シングルディスク | |
懸架方式 | 前 | テレスコピック式(倒立タイプ) |
後 | スイングアーム式(プロリンク) | |
フレーム形式 | アルミツインチューブ |
※〈 〉内はCRF450RXのデータです