SV650 ABS 738,720円(8月11日発売)

★スズキ SV650 ABS 車両解説

90度V型2気筒エンジンを搭載するロードスポーツSV650を国内でも発売

SV650のルーツは、1999年に発売されたスズキの90度Vツインスポーツモデルがスタートとなっている。国内では一足早く、1998年に発売が開始されていた400㏄版に対する、上級モデルとしてリリースされた(400同様ノンカウルのSV650とセミカウルのSV650Sの2機種をラインナップ)が、依然根強く残っていた国内市場の“ヨンヒャク”、“ナナハン”というクラス構成のヒエラルキーにはあがらえず、間もなくラインナップから消えてしまっている。SV400の方も10年の節目を迎えることなく、2006年12月に生産を終了しているが、こちらは2009年のグラディウスとして復活したといえるだろう。

ただ、SV650も海外でのポジションとなるとまた別で、手ごろな価格で扱いやすく、それでいて性能もそこそこ楽しめる手ごろなミドルクラススポーツとして人気を得ることに成功している。海外ではSV1000の魅力的な弟分としてとらえられていたのだ。

また、2008年9月には、国内市場と同様にSV系エンジンを採用するネイキッドモデルの新型車、グラディウス(SFV650)が登場しているが、SV650はその後も併売され続けており、昨年の11月のミラノショーでは満を持してフルモデルチェンジが行われた。

今回、国内発売が開始されたSV650 ABSは、この海外市場で一足先に登場したモデルそのもので、水冷90度V型2気筒、645cm3エンジンの基本は変わらないが、スズキ二輪車で初めてピストンのスカート部にスズめっきと樹脂コートを施すことで、シリンダーとピストンのフリクションを低減したほか、発進時や低回転走行時に、エンジン回転数、ギヤポジション、スロットル開度等の情報を用いて、エンジン回転数をわずかに上げる「ローRPMアシスト」を採用し、発進・停車を繰り返す市街地走行等での操作性を向上させるなど、使い勝手の充実を中心にモデルチェンジが行なわれている。

また、最近の乗用車のように、スタータースイッチを押し続けることなくワンプッシュするだけで、ECMがスターターモーターをコントロールしてエンジンを始動させてくれる“スズキイージースタートシステム”も採用。また、ニュートラル時はクラッチレバーを握らなくても始動可能なシステムの導入などもその一環だ。

ちなみにエンジンの基本スペックは、2011年7月に新型となったV-Strom 650 ABSと同一で、6速ミッションのギア比等も共通となっている(ファイナルが異なるくらい)。

SV650 ABS。カラーは3色。「パールグレッシャーホワイト」(YWW)。
SV650 ABS。「パールグレッシャーホワイト」(YWW)。
SV650 ABS。「パールミラレッド」(YVZ)。
SV650 ABS。「パールミラレッド」(YVZ)。
SV650 ABS。「マットブラックメタリックNo.2」(YKV)。
SV650 ABS。「マットブラックメタリックNo.2」(YKV)。

★SUZUKI プレスリリースより (2016年8月4日)

スズキ、650㏄ Vツインエンジンの
ロードスポーツバイク 新型「SV650 ABS」を発売

スズキ株式会社は、650cc V型2気筒(Vツイン)エンジンを搭載したスリムで軽量なロードスポーツバイク、新型「SV650 ABS」を8月11日より発売する。

新型「SV650 ABS」は、海外市場で好評を得た先代「SV650」の操縦性にさらに磨きをかけて、軽快なハンドリングと俊敏で力強いスロットルレスポンスを持ちながら、扱いやすさも兼ね備えたロードスポーツバイクである。新型「SV650 ABS」は、2015年11月にイタリア・ミラノショーでグローバルモデルとして発表し、2016年1月より海外に輸出を行っており、このたび日本市場に投入する。

新型「SV650 ABS」は、低回転域での鼓動感や、中回転域の力強い立ち上がりから高回転域までのスムーズな出力特性を特長とするVツインエンジンをスリムで軽量な車体に搭載し、高い操縦性を実現した。

エンジン内には、スズキ二輪車で初めてピストンのスカート部にスズめっきと樹脂コートを施すことでフリクションを低減した。また、発進時や低回転走行時においてエンジン回転数をわずかに上げる「ローRPMアシスト」を採用し、発進・停車を繰り返す市街地走行などでの操作性を向上した。さらに、スタータースイッチを押し続けずにワンプッシュするだけでエンジンが始動する「スズキイージースタートシステム」を採用し、日常用途での利便性を高めた。

●新型「SV650 ABS」の主な特長
エンジン・車体
・水冷90°V型2気筒645cm3エンジン
・スズキ二輪車で初めてピストンのスカート部にスズめっきと樹脂コートを施すことで、シリンダーとピストンのフリクションを低減。
・発進時や低回転走行時に、エンジン回転数、ギヤポジション、スロットル開度等の情報を用いて、エンジン回転数をわずかに上げる「ローRPMアシスト」を採用し、発進・停車を繰り返す市街地走行などでの操作性を向上。
・平成28年国内新排出ガス基準に対応。
・スリムで軽量な車体(装備重量196kg)により、街乗りからツーリングまで幅広い走行条件において、軽快で優れたハンドリング性能を実現。
 
装備
・スタータースイッチを押し続けずにワンプッシュするだけで、ECMがスターターモーターを回転させてエンジンが始動する「スズキイージースタートシステム」を採用。また、ニュートラル時はクラッチレバーを握らなくても始動可能とした。
・前・後輪に取り付けられたホイールスピードセンサーにより各車輪速度を検知し、ブレーキの効きを自動的にコントロールして車輪のロックを一定範囲内で防ぐABS※を標準装備。
※路面状況(濡れた路面や悪路等)によっては、ABSを装着していない車両よりも制動距離が長くなる場合があります。また、コーナリング中のブレーキングによる車輪の横滑りはコントロールすることができません。
 
デザイン
・“スリム&シンプル”をコンセプトにデザインされたスタイリングは、すっきりとしたボディラインを実現。幅広いユーザーに受け入れられる、飽きのこないデザインとした。
・車体色は、白「パールグレッシャーホワイト」、赤「パールミラレッド」、黒「マットブラックメタリックNo.2」の3色を設定。
●年間目標販売台数
800台
 
商品名
SV650 ABS
 
メーカー希望小売価格(消費税8%込み
738,720円
※価格には、保険料、税金(消費税を含む)、登録等に伴う費用は含まれない。
 
発売日
2016年8月11日
 
エンジン
4サイクル 645cm3
 

★主要諸元

車名型式 2BL-VP55B
SV650 ABS(SV650AL6)
発売日 2016年8月11日
全長×全幅×全高(m) 2.140×0.760×1.090
軸距(m) 1.450
最低地上高(m) 0.135
シート高(m) 0.785
車両重量(kg) 196
乾燥重量(kg) -
乗車定員(人) 2
燃費消費率(km/L) 37.5(国交省届出値 定地燃費値 60km/h 2名乗車時)
26.6(WMTCモード値 クラス3 サブクラス3-2 1名乗車時)
登坂能力(tanθ) -
最小回転半径(m) 3.0
エンジン型式   P511
水冷4ストローク90度V型2気筒DOHC4バルブ
総排気量(cm3) 645
内径×行程(mm) 81.0×62.6
圧縮比 11.2
最高出力(kW[PS]/rpm) 56[76.1]/8,500
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) 64[6.5]/8,100
燃料供給装置形式 フューエルインジェクション
始動方式 セルフ式
点火方式 フルトランジスタ式
潤滑油方式 ウエットサンプ式
潤滑油容量(L) 3.0
燃料タンク容量(L) 13
クラッチ形式 湿式多板コイルスプリング
変速機形式 常時噛合式6段リターン
変速比 1速 2.461
2速 1.777
3速 1.380
4速 1.125
5速 0.961
6速 0.851
減速比1次/2次 2.088/3.066
キャスター(度) 25°
トレール(mm) 106
タイヤサイズ 120/70ZR17M/C 58W
160/60ZR17M/C 69W
ブレーキ形式 油圧式ダブルディスク(ABS)
油圧式シングルディスク(ABS)
懸架方式 テレスコピック式
スイングアーム式
フレーム形式 ダイヤモンドタイプ

※エンジン出力表示は、「ps/rpm」から「kW/rpm」へ、トルク表示は「kg・m/rpm」から「N・m/rpm」へ切り替わりました。( )内は、旧単位での参考値です。
 ※定置燃費値は、国土交通省届出の車速一定で走行実測にもとづいた2名乗車時の燃料消費率です。
 ※WMTCモード値は、発進、加速、停止などを含んだ国際基準となっている走行モードで測定された排出ガス試験結果にもとづいた1名乗車時の計算値です。走行モードのクラスは排気量と最高速度によって分類されます。