第30回東京モーターショーホンダ二輪車ブースのテーマは「モーターサイクル。輝く」。
周りをかためるのはスーパーカブをベースにしたライトカスタムモデルたち。その前には、スーパーカブ史上おそらく初めて製作された近未来のコンセプトモデルであるシティカブが展示され、多くの観客の注目を集めた。
馬力よりもトルクよりも燃費が売りになるこの時代。1993年の夢舞台が再び再現されることは、あるやもしれない(その時はEVが主役かもしれないが……)。
これだけのカスタム&コンセプトモデルに囲まれながらもまったく引けを取らない初代C100の存在感は、今更だがさすがというより他はない。世界的な大ヒットとなったのもうなずける。1993年にデビューしたオーストラリア郵便仕様は、20年近く経過した今でも並行ものの新車が手に入る稀少なモデル。CT110との違いは、郵便配達用装備の他、12V電装、ヘッドライトと別体のスピードメーター、副変速機なしなど。
アメリカで一大旋風を巻き起こしたダブルシートの初代輸出仕様CA100をイメージした`60Sは、二人乗り仕様のためスーパーカブ90がベース。フロント部分には「おっぱいかぶ」と言われた1966年モデル風のカバーを付けるなど、歴代モデルのリミックスバージョンでもあった。右のスポーティは小型のリアキャリアが、後のストリートバージョンのご先祖とも言える。
1991年にマイナーチェンジしたプレスカブのレッグシールドに文字を入れただけでオシャレ指数が3割増。このまま市販されてもよさそうに思えたが……。タイカブは翌年1月に輸入販売された。重箱の隅を突くと、東京モーターショーに出品されたこのモデルと市販バージョンではフロントキャリアの取付部分がやや異なっていた。この頃は、まさか海外生産モデルのスーパーカブが国内でも主流になると思っている人は少なかったはず。
カブラ・L |
カブラ・S |
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ホンダアクセスから1993年4月に発売されたスーパーカブ用のキットパーツ「カブラ」(カブラについては次週号で紹介予定)のアレンジモデル。このパーツのうちいくつかは後に市販化されている。スーパーカブの特徴の一つであるレッグシールドをカットしたフォルムは、若者向けカスタムの定番となった。それにしてもビジネスシーンは言うに及ばず、幅広いカスタム指向にフィットするスーパーカブの懐のでかさには改めて驚かざるを得ない。
シティカブ
ラス前のおまけ
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第01号 2011.08.01[アナザストーリー 広告宣伝に見るスーパーカブの歴史 「51年目の知られざる真実」前編]
第02号 2011.08.08[インジェクションモデル「スーパーカブ50・インプレッション」]
第03号 2011.08.15[「不動の思想 進化する思考」スーパーカブ全史・1 1958〜]
第04号 2011.08.22[ピンキー高橋大統領の「スーパーカブ110 インプレッション」]
第05号 2011.08.29[「不動の思想 進化する思考」スーパーカブ全史・2 1966〜]
第07号 2011.09.12[初期の新聞、雑誌広告に見るスーパーカブの広告ヒストリー・1]
第08号 2011.09.20[ピンキー高橋大統領の「スーパーカブ110プロ インプレッション」]
第09号 2011.09.26[「不動の思想 進化する思考」スーパーカブ全史・3 1978〜]
第10号 2011.10.03[初代スーパーカブデザイナー 木村讓三郎氏に聞く「カブは、何故世紀の大ヒット・バイクになったのか?」(前編)]
第12号 2011.10.14[「不動の思想 進化する思考」スーパーカブ全史・4 1982〜]
第13号 2011.10.24[野口オヤビンの「オモシロ系カブインプレッション ポートカブC240」]
第14号 2011.10.31[「不動の思想 進化する思考」スーパーカブ全史・5 1986〜]
第15号 2011.11.07[初代スーパーカブデザイナー 木村讓三郎氏に聞く「カブは、何故世紀の大ヒット・バイクになったのか?」(後編)]
第17号 2011.11.21[野口オヤビンの「オモシロ系カブインプレッション CT200」]
第18号 2011.11.28[初期の新聞、雑誌広告に見るスーパーカブの広告ヒストリー・3]
第19号 2011.12.05[「不動の思想 進化する思考」スーパーカブ全史・6 1991〜]
第20号 2011.12.12[野口オヤビンの「オモシロ系カブインプレッション スーパーカブ50SDX」]
第22号 2011.12.26[初期の新聞、雑誌広告に見るスーパーカブの広告ヒストリー・4]
第23号 2012.01.10[51年目のスーパーカブで国道51号線を走る「イバラッキーストライクホンダが征く」]
第24号 2012.01.16[「不動の思想 進化する思考」スーパーカブ全史・8 1998〜]
第25号 2012.01.23[野口オヤビンの「オモシロ系カブインプレッション Wave125i」]
第27号 2012.02.06[「不動の思想 進化する思考」スーパーカブ全史・9 2007〜]
第28号 2012.02.13[『変えない」という名の進化 スーパーカブ開発ストーリー]
第29号 2012.02.20[スーパーカブ110がフルモデルチェンジ]
第30号 2012.02.27[アンジョーのオモシロ系カブ・インプレッション ハンターカブCT55]
第32号 2012.03.12[PINKIE大統領 ちょっとだけアセアンカブに乗る]
第33号 2012.03.19[ホンダワークスが仕掛けたカスタマイジングの新しいカタチ「カブラ」]
第34号 2012.03.26[NEWスーパーカブ110開発者インタビュー]
第35号 2012.04.2[NEWスーパーカブ110の生産地・中国 新大州本田]
第36号 2012.04.09[1993年東京モーターショー スーパーカブ華の競演夢舞台]
最終号 2012.04.16[[PINKIE高橋大統領のNEWスーパーカブ110インプレッション]
おかわり号 2012.06.15[[NEWスーパーカブ50インプレッション]
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