FJR1300AS/FJR1300A 1,836,000円/1,512,000円(7月25日発売)
★ヤマハ FJR1300AS/FJR1300A 車両解説
ヤマハの“ダイナミックツーリング”シリーズ”FJR1300AS/Aがマイナーチェンジ
FJ1100、1200シリーズの後継機として2001年に海外向けモデルとしてデビューしたFJR1300。車名にRが加わって、フレームからエンジンまで全面的に新設計されたニューモデルだった。メッキシリンダーや軽量ピストン、2軸バランサーなどを採用するエンジンこのモデルでついに水冷となり、これまた新開発のアルミダイキャスト製フレームに搭載と、新世代のマシン作りによって登場した。
その後、2003年モデルでABSを装備。前輪ディスクブレーキの大径化、イモビライザーの装備、シールド形状変更、小物入れの追加などのマイナーチェンジも同時に行われた。
YCC-S(Yamaha Chip Controlled Shift)という自動クラッチ装着モデルがデビューしたのは、2005年10月のパリショーだった。ツーリング機能を向上させるため、クラッチ操作なしでシフトチェンジを可能としたメカニズムで、2006年モデルとして発売されている。同時にABSを標準装備したノーマルクラッチのFJR1300Aがベーシック仕様となった。
2013年12月から国内でも販売されることになったFJR1300シリーズは、フェアリング周りを中心に新しくなった新型で、走行風を吸い込みながら同時に流れを制御して快適な居住空間を作り出すエアインテークを始め、マシンが前方に飛び出すような“ジャンピングムーブメント”のアンダーカウルが特徴とされている。2015年1月には、メタリックのダークグレーとブラックを組み合わせた新色が追加された。
今回のFJR1300AS/Aのモデルチェンジは、2013年のマイナーチェンジに続き、スポーツツアラーとしての性格により磨きをかけるため、といえるもので、6速ミッションの採用に始まり、LEDヘッドランプ、コーナリングランプ(FJR1300ASのみ)の採用に合わせたフェアリングのデザイン変更、そしてFJR1300AではA&Sクラッチの採用などが行われた。
★YAMAHA プレスリリースより (2016年6月9日)
6 速ミッション、コーナリングランプ採用などで、さらにツーリング性能・スポーツ性を向上
「FJR1300AS/A」を大幅に刷新して発売
ヤマハ発動機株式会社は、1,297cm3の水冷・直列4気筒エンジンを搭載し、長距離ツアラー性能とスポーツ性を兼ね備え、スポーツツアラーとしての資質をさらに磨き上げた「FJR1300AS」および「FJR1300A」を2016年7月25日より発売します。
「FJR1300AS」「FJR1300A」は、ベテランライダーが“よりダイナミックに走りを楽しむためのパートナーとしての熟成”をポイントに開発しました。6速トランスミッション採用、ヘッドランプやテールランプまわりのデザイン一新など、より楽しく、より快適に走りを楽しむための新装備を織り込みました。
新たな特徴は、1)6速トランスミッション、2)A&Sクラッチ※1、3)立体感あるフロントビューとLEDヘッドランプ、4)コーナリングランプ※2、5)新デザインマルチファンクションメーターなどです。
なお、「FJR1300AS」は、標準モデル「FJR1300A」をベースに、クラッチ操作なしでシフトチェンジが可能なYCC-S(ヤマハ電子制御シフト)と電動調整サスペンションなどを採用した上級モデルです。
※1:「FJR1300A」のみ、※2:「FJR1300AS」のみ
- <名称>
- 「FJR1300AS」、「FJR1300A」
- <発売日>
- 2016年7月25日
- <メーカー希望小売価格>
- 「FJR1300AS」1,836,000円(本体価格1,700,000円、消費税136,000円)
「FJR1300A」1,512,000円(本体価格1,400,000円、消費税112,000円)- ※メーカー希望小売価格(リサイクル費用含む)には、保険料、税金(除く消費税)、登録などに伴う諸費用は含まれない。
- <カラーリング>
- 「FJR1300AS」
- ・マットシルバー1(新色/マットシルバー)
- ・ダークグレーメタリックN(ダークグレー)
- 「FJR1300A」
- ・マットシルバー1(新色/マットシルバー)
- ・ダークグレーメタリックN(ダークグレー)
- <販売計画>
- 300台(シリーズ合計/年間、国内)
- ※お問い合わせは、「ヤマハ発動機お客様相談室(フリーダイヤル0120-090-819)」。
- 主な変更点
- 1)セパレートドッグ構造、ヘリカルギア採用の6速トランスミッション
- 快適な高速巡航性のために、6速トランスミッションを新たに採用しました。現行の5速にプラスした6速ではなく、ギアごとに効率よく駆動力を引きだすギアレシオを設定、全域での滑らかな繋がり感を支えています。
このトランスミッションでは、当社モーターサイクル初となるセパレートドッグ構造を採用。ギアとドッグを別体としてギアの噛み合い姿勢を高精度で維持します。さらに、各ギアは従来のスパーギア(平歯車)に替えてヘリカルギア(斜歯車)を採用。平歯車に比べて噛合い率を十分に確保できることからコンパクト化が可能となっています。これらの特徴により現行サイズを維持しながら6速化を実現しています。また、6速化による部品増にもかかわらず軽量化も図っています。 - 2)A&Sクラッチの採用(「FJR1300A」のみ)
- より快適なシフト操作を実現するため、アシストカムとスリッパーカムの2種のカムを設けたA&S(アシスト&スリッパー)クラッチを採用しました。クラッチレバーの操作荷重を低減するとともに、減速時の穏やかな車体挙動により市街地での軽快な走りに貢献しています。
- 3)立体感ある新デザインフロントビューと新型2眼ヘッドランプ、フルLED灯火器
- カウル及びヘッドランプのアウターレンズの形状は継承しつつ、ヘッドランプのデザインを一新しました。「FJR1300AS」と「FJR1300A」ではそれぞれ異なるデザインアプローチにより、個性化を図っています。
新型2眼ヘッドランプは、片眼内にハイビーム・ロービームをそれぞれ受け持つLEDがあり、ロービームでは外側2灯、ハイビームでは内側2灯が追加点灯します。またリアコンビネーションランプ、ライセンスランプ、ポジションランプにもLEDを採用し、先進性と高級感を演出しました。 - 4)夜間のコーナーで、ライダー負担軽減を図るコーナリングランプ(「FJR1300AS」のみ)
- ヤマハ初のコーナリングランプ(LED)を採用しました。走行中、バンク角に応じて、イン側前方を照射する“コーナリングランプ”が順次自動点灯し、照射エリアを広げることで、夜間走行でのライダーの負担軽減を図るものです。バンク角の検出は、搭載の「IMU」(Inertial Measurement Unit)の高速演算処理で行い、CAN通信による「コーナリングランプコントロールユニット」で作動する仕組みです。ロービーム、ハイビームいずれの場合も、浅いバンク角ではイン側のコーナリングランプの1個が点灯、バンクが深くなるにつれて2個目、3個目が追加点灯します。
- 5)新デザインのマルチファンクションメーター
- 3 連独立マルチファンクションメーターは、ガンメタの枠で囲むデザインとして、落ち着いた高級感を一層際立たせました。またメーターアッパーケース表面は低反射化処理を施しました。タコメーター盤面にはR シリーズ系を思わせるスポーティーな新作の専用フォントを採用しました。デジタル表示メーター液晶もアップデートし、液晶バー表示の燃料計はブロックバータイプに変更、みやすい表示となっています。
★主要諸元
車名型式 | EBL-RP27J | |
---|---|---|
FJR1300AS〈FJR1300A〉 | ||
発売日 | 2016年7月25日 | |
全長×全幅×全高(m) | 2.230×0.750×1.325 | |
軸距(m) | 1.545 | |
最低地上高(m) | 0.125〈0.130〉 | |
シート高(m) | 0.805/0.825 | |
車両重量(kg) | 296〈289〉 | |
乾燥重量(kg) | - | |
乗車定員(人) | 2 | |
燃費消費率(km/L)※1 | 24.6(国交省届出値 定地燃費値 60km/h 2名乗車時)※2 | |
16.6(WMTCモード値 クラス3-2 1名乗車時)※3 | ||
登坂能力(tanθ) | - | |
最小回転半径(m) | - | |
エンジン型式 | P518E | |
水冷4ストローク直列4気筒DOHC4バルブ | ||
総排気量(cm3) | 1,297 | |
内径×行程(mm) | 79.0×66.2 | |
圧縮比 | 10.8 | |
最高出力(kW[PS]/rpm) | 108[147]/8,000 | |
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) | 138[14.1]/7,000 | |
燃料供給装置形式 | フューエルインジェクション | |
始動方式 | セルフ式 | |
点火方式 | T.C.I.(トランジスタ式)式 | |
潤滑油方式 | ウェットサンプ | |
潤滑油容量(L) | 4.9 | |
燃料タンク容量(L) | 25 | |
クラッチ形式 | 湿式多板 | |
変速機形式 | 常時噛合式6段リターン | |
変速比 | 1速 | 2.500 |
2速 | 1.722 | |
3速 | 1.350 | |
4速 | 1.111 | |
5速 | 0.962 | |
6速 | 0.846 | |
減速比1次/2次 | 1.562/2.693 | |
キャスター(度) | 26°00′ | |
トレール(mm) | 109 | |
タイヤサイズ | 前 | 120/70ZR17M/C 58W |
後 | 180/55ZR17M/C 73W | |
ブレーキ形式 | 前 | 油圧式ダブルディスク |
後 | 油圧式シングルディスク | |
懸架方式 | 前 | テレスコピック式 |
後 | スイングアーム(リンク式) | |
フレーム形式 | ダイヤモンド |
※〈 〉内はFJR1300Aのデータです。
※燃費消費率は、定められた試験条件のもとでの値。使用環境(気象、渋滞等)や運転方法、車両状態(装備、仕様)や整備状態などの諸条件により異なります。
※定地燃費値は、車速一定で走行した実測の燃料消費率。
※WMTCモード値は、発進、加速、停止などを含んだ国際基準となっている走行モードで測定された排出ガス試験結果からの計算値。