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1975年10月の免許制度改正(改正ではなく改悪なのだが)で、二輪免許はそれまでの自動二輪(排気量無制限のいわゆる大型)と、小型限定(125ccまで)の間に、400ccまでの中型限定が加わった。これは、当時大きな社会問題となっていた暴走族対策の一環という触れ込みであったが、まじめな? 暴走族は苦労して大型を、普通の暴走族はすんなり中型に収まり、そしてそもそも無免許の暴走族もいたわけで、実効性があったかどうかは疑問が残るが、とにもかくにもそれから長い間、401cc以上のバイクに乗るには、試験場で難関な事前審査、技能試験という高い壁をクリアしなければならなくなった。 そもそもなぜ中型は400ccで区切られたのか? 実はハッキリとした根拠は示されていない。750の半分ならば375ccだから、当時メジャーな350ccで区切られてもおかしくはなかったが、原付1台分のおまけ? が付いた400ccに収まった。指定教習所に通えば実技試験が免除になる自動二輪免許(中型限定)の上限である400クラスは、このときからメインマーケットとなり、大きな需要を生み出していくことになる。 1980年代空前のバイクブームを背景に、今からは考えも及ばないような熱く激しい闘いが繰り広げられたのである。ことの善し悪しは別として400という限られた枠があったからこそ、その中で切磋琢磨を繰り返し、今日でも人気の高い名車たちが生まれたともいえるのである。
750、500に続き4気筒エンジンCB-FOURシリーズの第3弾は、コンパクトな350で登場した。10000回転までスムーズに回るハイメカニズムな最小の4気筒車は、大きな話題になったものの、免許区分が大型と小型の2区分の時代でもあり、インパクトのありすぎたナナハンの影に隠れてしまい、また500との価格差も1万円弱で、「静」をイメージした大人しめなデザインも影響してか営業面で苦戦を強いられてしまった。
CB350FOURのテコ入れとして、ボアアップにより排気量を408ccまで拡大してパワーアップし、カフェスタイルへと外装を一新し誕生したのがご存じ通称ヨンフォア。流れるようなスタイリングは今日でも人気が高い。408ccで誕生したものの、1975年10月に免許区分が改正されたため、中型対応として、急遽ストロークダウンにより398ccとしたCB400FOUR-Ⅰ(コンチハンドル)とCB400FOUR-Ⅱ(セミアップハンドル)の2タイプが1976年3月に追加された。中型クラスでは唯一の4気筒車であり人気は高かったものの、部品点数の多い4気筒車で、なおかつ国内専用の398ccと、主に輸出用408ccの2本立ての生産ではコスト増は免れず、作れば作るほど赤字とさえ言われ、惜しむ声は多かったもののわずか2年ほどで2気筒のホークシリーズへとバトンを渡した。
ヨンフォア亡き後、沈黙を守り続けたホンダが1981年の東京モーターショーで発表したニューモデルがCBX400Fだった。コンパクトにまとめられたボディに、クラス最強の4気筒エンジンを搭載。インボードディスク、TRAC、プロリンク、オイルクーラー(当時はオイルリザーバータンクと呼ばれていた)など最新の装備を満載し満を持しての登場で、発表と同時に予約が殺到する大ヒット作となった。1982年にパールホワイト×キャンディブルーが追加されている。今日でもヨンフォアに負けない高い人気を誇り、新車当時よりも高価な価格で中古車が流通しているのはご存じの通り。
CBX400Fに認可されたばかりのカウル(当時フェアリングと呼ばれた)を取り付けたインテグラ。ただの後付けカウル車と思われそうだが、ハンドル角度によって制御されるオートウインカーキャンセラーも初めて装備されていた。
後継モデルであるCBR400Fが発売されても、CBX400Fの人気は衰えることがなく、1984年9月にカラーリングを変更して復活販売された。主要諸元、価格に変更はない。
CBXで大ヒットを飛ばしたホンダであったが、激動の1980年代はライバル勢も次々にニューモデルを投入、今からは考えられないあっという間のフルモデルチェンジ、新車ラッシュであった。400クラスもすでに水冷エンジン時代へ突入していたのだが、水冷はV4にまかせ、あえて空冷のまま1983年にCBXのフルモデルチェンジ版CBRが誕生した。レース人気の高まりを反映してF3レーサーを意識したようなレーシーなスタイリングで、フレームはスチールながら角型となった。エンジンはCBXをベースとしながらも、低回転域では2バルブ、高回転域では4バルブに変化する可変バルブシステムREVを搭載、58馬力へとパワーアップしながら、日常的な街乗りでの乗りやすさも兼ね備えていた。
F3レーサーをイメージさせるデザインのCBRに、カウルが装着されたエンデュランスが加わった。カウル付きの第一作となったCBX400Fインテグラは後付感が否めなかったが、こちらは最初からカウル付きでデザインされていたようにしっくりと似合っていた。F-3とロゴの入ったアンダーカウル付きもラインアップされている。
1985年には3本タイプのニューキャストホイール、4into1の集合マフラーなどを装着してマイナーチェンジしながらも、価格は据え置き。
1985年モデルでもエンデュランスは設定されたが、フルカウルモデル(F-3)に代わり、シングルシート、ゼッケン付きリアカウル、直管拡散排気システム採用の集合管などを採用したよりレーシーなスタイリングのフォーミュラー3が登場した。
※印の写真は広報写真が存在しないため編集部で着色した参考用イメージ写真です。実際の車両とは色味など異なります。
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