NM4-01/NM4-02 1,020,600円~/1,182,600円~(3月11日発売)
★ホンダ NM4-01/NM4-02 車両解説
進化版DCTの採用やマフラー構造の変更などでNM4シリーズがモデルチェンジ
2014年3月のモーターサイクルショーで突然のデビューを飾ったホンダの“コンセプトモデル”NM4。その斬新なスタイルもさることながら、誰もがショーのためのコンセプトモデルと思ったこのNM4を、わずかひと月も経たずに市場へ投入するという電撃的な発表にはさらに驚かされたものだ。しかもトップバッターとして2014年4月に発売が開始されたベーシックタイプのNM4-01の価格は、99万9千円(消費税8%込み)と、“夢”でも“憧れ”のマシンでもない、多くの方がその気になれば手の出せる価格帯に設定されていた。エンジンと基本的な車体周りの構成をNC750シリーズをベースとすることで、このリーズナブルな価格が実現できたのだろう。
ちなみに、水冷4ストローク直列2気筒SOHC4バルブ、745cm3エンジンは、ボア×ストロークの77.0×80.0mmや、最高出力、トルク等がNC750Sと同一だったが、より低・中回転域で力強いトルク特性を発揮する味付けがされていた。トランスミッションは、DCT(Dual Clutch Transmission)を標準で装備。
一方車体周りの方は、NC750シリーズとの共通項は多くない。ホイールベースは、NC750Sで1,525mm、NC750Xは1,540mmだったが、NM4では1,645mmの超ロングホイールベース設定となっている(クルーザーながら同じ「NC一族」といえるCTX700は1,530mmとショート)。採用されたホイールもこれまでのNC系がフロント、リア、ともに17インチの最新ジオメトリーを持っていたのに対して、NM4ではフロントに18インチホイールが採用されている。CTX700シリーズの720mmよりさらに低い650mmとしたシート高など、ダイヤモンドタイプのフレームはほぼ一新されたといっていいだろう。
あれこれメカニズムを紹介するよりも、このマシンの真髄はそのスタイルにある。デザインテーマは「フロントマッシブスタイリング」と「コクピットポジション」。大胆な面構成と塊感を打ち出したフロントフェアリング。ビルトインしたミラーなどの処理も新しい。
NM4-01の登場から2ヵ月遅れの2014年6月には、リアにトランクスペースなどを備えたアップグレード版のNM4-02が発売される。迫力あるリアビューを構成するボディーは、デザイン性のみならず、実用性も考慮し小物の収納が可能なユーティリティーボックスを装備。左右それぞれ約7.5Lの容量を確保するとともに、LEDのウインカーランプをビルトインすることで、NM4-02独自のスタイリングを形成した。また、ツーリングなどで利便性の高いETC車載器と、5段階の温度調節が可能なグリップヒーターが標準装備だ。
NM4-01のリア周りが、カウルをすっきりと絞り込むことで、フロントのマッシブさを強調。また200/50ZR17というファットなリアタイヤとの対比を図っていたのに対して、NM4-02では、逆に車体デザインに溶け込ませるように装備したリアのユーティリティボックスでマッシブなフロントとのバランスをとっており、こちらが本来のNM4シリーズの基本デザインなのではと思わせるほどのまとまりをみせている。また、NM4シリーズのアップグレード版として、NM4-02では、ETC車載器(左側のフロントユーティリティボックス内に設置)とグリップヒーターが標準で装備されている。
2015年3月にはこのNM4シリーズに11色のカラーオーダープランが導入されている。フロントフェンダーやロアサイドカバー、アンダーカウルをボディーと同色にするとともに、タンクシェルタートップやリアセンターカウルなどには、ボディーカラーによって質感の異なるブラックとするなど、より個性を強調する配色としている。NM4-01、NM4-02ともに受注生産車となっている。
今回は、初のマイナーチェンジで、最大の変更点は進化型のDCTの採用だ。これはSモードにおいて、よりスポーティーな走りを実現するために、変速時のエンジン回転数を従来モデルより高く設定したのと、ライダーが任意にギアを選択できるMTモードでも、減速時のシフトダウン可能なエンジン回転数の上限を引き上げ、シフト選択の自由度を拡大している。マフラー構造の変更も行われ、よりパルス感のある排気音を実現している。
★HONDA プレスリリースより (2016年2月29日)
個性的なスタイリングの大型二輪車「NM4」シリーズの一部を熟成し発売
Hondaは、圧倒的な存在感を放つ独自のスタイリングと、新感覚のライディングフィールを追求した750ccのスポーツモデル「NM4-01(エヌエムフォー ゼロワン)」と「NM4-02(エヌエムフォー ゼロツー)」※1のデュアル・クラッチ・トランスミッション(以下DCT)をよりスポーティーな制御に進化させるとともに、個性的なスタイリングをさらに引き立てるデザインのマフラーを採用して3月11日(金)に発売します。
今回、モーターサイクルの操る楽しさをより体感できるよう、DCTを進化させました。Sモードにおいて、よりスポーティーな走りを実現するため、変速時のエンジン回転数を従来モデルより高く設定。ライダーが任意にギアを選択できるMTモードでは、減速時のシフトダウン可能なエンジン回転数の上限を引き上げ、シフト選択の自由度を拡大しています。また、ATモードにおいて坂道の傾斜角に応じた制御を設定することで、登降坂の走行時に適正なシフトタイミングでの変速を実現しました。
マフラーは、内部構造などを変更し全長の短縮化を図るとともに、低周波領域の音を際立たせることで、心地よいパルス感のある排気音を実現しました。また、異型断面のショートマフラーに合わせ、シャープな形状のマフラーカバーを採用することで、近未来的なスタイリングをさらに引き立てました。
車体色は従来と同様、マットバリスティックブラックメタリック、パールグレアホワイトと11色のカラーオーダープラン※2の設定です。
※1 NM4-02、NM4-02 カラーオーダープランは、「Honda二輪ETC標準装備車取扱店」で販売します。使用するにあたり、セットアップ、セットアップ費用、および決済用のETCカードが必要となります
※2 カラーオーダープランは受注生産車です
- ●販売計画台数(国内・年間)
- シリーズ合計1,150台
- ●メーカー希望小売価格(消費税8%込み)
- NM4-01 1,020,600円(消費税抜き本体価格 945,000円)
- NM4-02 1,182,600円(消費税抜き本体価格 1,095,000円)
- NM4-01 カラーオーダープラン 1,042,200円(消費税抜き本体価格 965,000円)
- NM4-02 カラーオーダープラン 1,204,200円(消費税抜き本体価格 1,115,000円)
- ※価格(リサイクル費用を含む)には保険料・税金(消費税を除く)・登録などに伴う諸費用は含まれておりません
★主要諸元
車名型式 | 2BL-RC82 | |
---|---|---|
NM4-01〈NM4-02〉 | ||
発売日 | 2016年3月11日 | |
全長×全幅×全高(m) | 2.380×0.810(サイドミラー両端幅0.933)×1.170 | |
軸距(m) | 1.645 | |
最低地上高(m) | 0.130 | |
シート高(m) | 0.650 | |
車両重量(kg) | 245〈255〉 | |
乾燥重量(kg) | - | |
乗車定員(人) | 2 | |
燃費消費率※3(km/L) | 38.0(国交省届出値 定地燃費値 60km/h 2名乗車時) | |
26.4(WMTCモード値 クラス3-2 1名乗車時)※4 | ||
登坂能力(tanθ) | - | |
最小回転小半径(m) | 3.2 | |
エンジン型式 | RC70E | |
水冷4ストローク直列2気筒SOHC4バルブ | ||
総排気量(cm3) | 745 | |
内径×行程(mm) | 77.0×80.0 | |
圧縮比 | 10.7 | |
最高出力(kW[PS]/rpm) | 40[54]/6,250 | |
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) | 68[6.9]/4,750 | |
燃料供給装置形式 | 電子制御燃料噴射装置[PGM-FI] | |
始動方式 | セルフ式 | |
点火方式 | フルトランジスタ式バッテリー点火 | |
潤滑油方式 | 圧送飛沫併用式 | |
潤滑油容量(L) | - | |
燃料タンク容量(L) | 11 | |
クラッチ形式 | 湿式多板コイル・スプリング | |
変速機形式 | 電子式6段変速(DCT) | |
変速比 | 1速 | 2.666 |
2速 | 1.904 | |
3速 | 1.454 | |
4速 | 1.200 | |
5速 | 1.033 | |
6速 | 0.864 | |
減速比1次/2次 | 1.921/2.294 | |
キャスター(度) | 33°00′ | |
トレール(mm) | 110 | |
タイヤサイズ | 前 | 120/70ZR18M/C 59W |
後 | 200/50ZR17M/C 75W | |
ブレーキ形式 | 前 | 油圧式シングルディスク |
後 | 油圧式シングルディスク | |
懸架方式 | 前 | テレスコピック式 |
後 | スイングアーム式(プロリンク) | |
フレーム形式 | ダイヤモンド |
※3 燃料消費率は定められた試験条件のもとでの値です。使用環境(気象、渋滞等)や運転方法、車両状態(装備、仕様)や整備状態などの諸条件により異なります
※4 WMTCモード値は、発進、加速、停止などを含んだ国際基準となっている走行モードで測定された排出ガス試験結果に基づいた計算値です。走行モードのクラスは排気量と最高速度によって分類されます
※〈 〉内はNM4-02のデータ