NC750X/ABS/NC750X Dual Clutch Transmission 743,040円/793,800円/859,680円(1月26日)
★ホンダ NC750X/ABS/NC750X Dual Clutch Transmission 車両解説
750版“ニューミッドコンセプト”シリーズがモデルチェンジ
並列2気筒のシリンダー前傾角を62度と深くすることでエンジン全高を下げ、車体のレイアウトに自由度が得られる軽量コンパクトな新型700ccエンジンをゼロから開発。それに合わせて、低い位置にメインパイプ配置することが可能となったローフレームの組み合わせにより誕生した“ニューミッドコンセプト”シリーズ。
2012年2月のNC700X、4月のNC700S、インテグラの発売以降多くのファンを獲得したが、わずか2年足らずの2014年1月に、排気量アップで750シリーズに発展している。それは好調な販売ばかりでなく、未だ残にる日本独自の規格といえる“ナナハン”を試験車両とする大型自動二輪免許の存在も背景にありそうだ。スタート時のNCシリーズは、排気量669cm3であり、実質650クラスだった。教習車両、試験車両に使われるかどうかは、潜在ユーザー層となる教習生へのアピールの面からも重要なことだろう。ただ排気量アップの要因はもちろんそれだけではなく、生み出された余裕を排出ガス規制や騒音規制対策、はたまた好燃費化にも貢献させていた。
750となっても、共通のプラットフォームを使い回すことでより多様なニーズに合わせたモデル群を展開する、というNCシリーズの基本戦略は変わらず。“オン・オフ”モデルとして開発されたNC750Xと、“ネイキッド・スポーツ”のNC750Sを一足早く1月24日に発売。前モデルは海外でトップバッターデビューを飾った“スクーティング・モーターサイクル”のインテグラのみ若干遅れて2月7日発売となった。NC750X、NC750Sに用意される“デュアル・クラッチ・トランスミッション”仕様、NC750Xのローシート“TypeLD”仕様(NC750X)、そして“ABS”仕様の各仕様も、すべて発売開始日に合わせてラインナップされていた。
750シリーズのエンジンは、ボアを4mm拡大してボア77mm×ストローク80mmとなり、総排気量745cm3から低中回転域での力強い走りを実現。ピストンに樹脂コーティングを施すとともに、摩擦を低減するローラー式ロッカーアームにアルミ材を採用するなどの特徴的なメカニズムは踏襲されたが、従来の一軸バランサーは、さらなる低振動化の実現を図るため二軸式へと変更された。トランスミッションのハイレシオ化も行われ、デュアル・クラッチ・トランスミッションも新エンジンに合わせて変速特性が見直された。
車体面では基本構造に変化はないのでほぼ同一といえるが、インテグラではリアのスイングアームがアルミ化されたほか、フロントカウルとシート形状も変更。また、スポーティなストライプの採用やゴールドカラーの前後ホイールを装着したインテグラSタイプも追加されるなど新型NCシリーズでは一番変更点の多いモデルとなった。
NC750Xでは、よりオフイメージのパターンを持つタイヤが装着されたことと、ニューCBシリーズなどで採用されている瞬間燃費、および平均燃費などが表示できる機能を持つ燃費計が新たに装備された。また、シート表皮の変更、アジャストタイプのブレーキレバーも採用されていた。
また2014年4月には、新たにタイプ設定された“E Package”仕様が登場している。CB400SF/SBやCB1300SF/SBシリーズなどで導入が始まった、ETCとグリップヒーターを標準装備する仕様で、NC750Xでは、DCT搭載車のノーマル仕様とローダウン仕様にタイプ設定された。ETC車載器と5段階に温度調節が可能で装着の目立たない“スポーツグリップヒーター”、そして足でのギアチェンジ操作も可能とする“DTCチェンジペダル”を装備するモデルだ。
今回は、750シリーズになって初のモデルチェンジで、NC750ではフロントフェアリングを中心にスタイリングを一新。視認性に優れた配光パターンを持つLEDヘッドラインプの採用や、導光タイプのポジションランプをヘッドライト輪郭に配置するなどより個性的なフェイスに仕上げている。足周りではフロントサスに“デュアルベンディングバルブ”を採用、乗り心地の向上と制動時のノーズダイブを軽減、リアではプリロード調整機構を追加することで路面追従性の向上も図っている。またDCT搭載モデルでは、「Sモード」に3種類のレベルを設定できる機能を追加しDCTをさらに進化、熟成している。
NC750Xの「デュアル・クラッチ・トランスミッション(以下DCT)」搭載車にETCとグリップヒーターを装着した「Eパッケージタイプ」のみ2月19日に発売。また、NC750X、NC750X<ABS>、NC750X デュアル・クラッチ・トランスミッション<ABS>には、それぞれローダウンシート仕様の「Type LD」もラインナップ。
★HONDA プレスリリースより (2016年1月25日)
大型スポーツモデル「NC750X」「NC750S」を発売
Hondaは、力強いトルク特性で扱いやすく燃費性能に優れた直列2気筒750ccエンジンを搭載し、すぐれた燃費性能はもとより使い勝手の良いラゲッジ収納などで好評を得ている、「NC750X」を1月26日(火)に発売。また、NC750Xの「デュアル・クラッチ・トランスミッション(以下DCT)」搭載車にETCとグリップヒーターを装着した「Eパッケージタイプ」と、全車にETCとグリップヒーターを標準装備した「NC750S」を2月19日(金)に発売します。
今回、NC750Xはスタイリングを一新させるとともに、快適な走行が体感できる装備とライダーの感性に訴える官能性能を向上させました。装備は、視認性に優れた配光のLEDヘッドライトを採用することで存在感を主張するとともに、導光タイプのポジションランプをヘッドライト輪郭に縁取り個性を演出。さらにLEDテールランプの採用や、ラゲッジボックスの容量拡大により、実用性を向上させた装備にしました。フロントサスペンションに「デュアルベンディングバルブ」を採用し、乗り心地の向上と制動時のノーズダイブを軽減。さらに、リアクッションにはプリロード調整機構を追加し、路面追従性を向上させました。
また、DCT搭載モデルでは、Sモードに3種類のレベルを設定できる機能を追加するなど、DCTの制御をさらに熟成させました。あわせて、心地のよいパルス感を向上させる異形断面マフラーや、防風効果をさらに高めた大型ウインドスクリーンをそれぞれ採用しました。
NC750Sには、全タイプにETCとグリップヒーターを標準装備しました。
- ●販売計画台数(国内・年間)
- NC750X 2,200台
- NC750S 900台
- ●メーカー希望小売価格(消費税8%込み)
- NC750X、NC750X Type LD 743,040円(消費税抜き本体価格 688,000円)
- NC750X<ABS>、NC750X Type LD<ABS> 793,800円(消費税抜き本体価格 735,000円)
- NC750X デュアル・クラッチ・トランスミッション<ABS>
- NC750X Type LD デュアル・クラッチ・トランスミッション<ABS> 859,680円(消費税抜き本体価格 796,000円)
- NC750X デュアル・クラッチ・トランスミッション<ABS>Eパッケージ
- NC750X Type LD デュアル・クラッチ・トランスミッション<ABS>Eパッケージ 924,480円(消費税抜き本体価格 856,000円)
- NC750S 690,120円(消費税抜き本体価格 639,000円)
- NC750S ツートーンカラー 706,320円(消費税抜き本体価格 654,000円)
- NC750<ABS> 740,880円(消費税抜き本体価格 686,000円)
- NC750<ABS>ツートーンカラー 757,080円(消費税抜き本体価格 701,000円)
- NC750S デュアル・クラッチ・トランスミッション<ABS> 806,760円(消費税抜き本体価格 747,000円)
- NC750X デュアル・クラッチ・トランスミッション<ABS>ツートーンカラー 822,960円(消費税抜き本体価格 762,000円)
- ※価格(リサイクル費用を含む)には保険料・税金(消費税を除く)・登録などに伴う諸費用は含まれておりません
- =NC750Xの主な特長
- ●エンジン
- 力強いトルク特性で扱いやすく燃費性能に優れた、定評の直列2気筒750ccエンジンを搭載。特にDCTは従来のSモードに3つのレベルを選択でき、高めのギアや低めのギアなど、ライダーの嗜好や走行シチュエーションに合わせたシフトチェンジタイミングによる走行を可能としました。さらに、メインスイッチをオフにしても、レベルの設定が記憶され、好みの設定をする手間が省けます。
- また、ATモード走行時では坂道の斜度に応じて、坂道の登りや下りの走行時に適正なタイミングの変速を実現しました。
- その他、スロットル開閉時の車体挙動を安定させる制御を追加するなど、細部にわたる熟成を図りました。マフラーは、異形断面形状の2室構造に変更することで、鼓動感の良いエキゾーストサウンドを実現しています。
- ●車体・装備
- 大型ウインドスクリーンやボリュームのあるサイドカウルをコンパクトなサイドカバーによって際立たせ、アドベンチャーイメージを強調したスタイリングに一新しました。
- フロントビューは、LEDヘッドライトを採用し存在感を主張するとともに、ヘッドライトの輪郭を縁取るように、導光タイプのポジションランプを配置することで個性の演出に加え視認性を向上させました。
- リアビューは、リアカウルにビルトインされたLEDテールランプや、異形断面のショートマフラーを採用することにより、より軽快な印象となるデザインとしました。
- また、液晶メーター表示面積を拡大し、さまざまなライディングシーンを演出する「表示色可変新メーター」を採用するとともに、反転液晶の採用により精悍なイメージのメーター表示デザインとしました。さらに、仕様やオプションによって、DCTモード表示やグリップヒーターのレベル表示が追加されるなどメーターの各種情報表示の機能を強化しました。
- フロントサスペンションに、デュアルベンディングバルブを採用し、従来のフロントサスペンションに比べ、ピストンスピードに比例させた減衰力を発生させ、乗り心地の質感を向上させました。さらに、グレーアルマイト処理を施したフォークキャップを採用し、ハンドル周りの高級感を演出しました。
- リアサスペンションには、プリロード調整機構を新たに追加し、タンデム走行時や積載量の状況に応じた調整を可能としました。
- ユーティリティー面では、ラゲッジボックスの容量を拡大するとともに、タンクバックなどの取り付けを考慮した、ユーティリティーレールをボックスリッド上面に設定しました。
- マニュアルトランスミッション車のクラッチレバーは、レバー比の見直しによる操作荷重の低減を行うとともに、ドッグレッグレバーを採用するなど、操作フィーリングを向上させました。
- ●カラーバリエーション
- 全タイプに、キャンディーアルカディアンレッド、グリントウェーブブルーメタリック、パールグレアホワイト、マットバリスティックブラックメタリックの4種類を設定しています。
- =NC750Sの主な特長=
- ●エンジン
- エンジンとトランスミッションはNC750Xと同様の変更を施しています。
- ●車体・装備
- フロントサスペンション、リアサスペンションおよびスピードメーターの表示機能を、NC750Xと同様に変更を実施しています。
- ETCとグリップヒーターを全タイプに標準装備しました。
- ●カラーバリエーション
- 全タイプに、パールグレアホワイトとツートーンカラータイプのグラファイトブラック、マットガンパウダーブラックメタリックの3色を設定しています。
★主要諸元
車名型式 | EBL-RC90 | |
---|---|---|
NC750X〔ABS仕様〕【Dual Clutch Transmission<ABS>仕様】《Type LD仕様》{Eパッケージ仕様} | ||
発売日 | 2016年1月26日{2月19日} | |
全長×全幅×全高(m) | 2.230《2.215》×0.845×1.350《1.320》 | |
軸距(m) | 1.535《1.520》 | |
最低地上高(m) | 0.165《0.140》 | |
シート高(m) | 0.830《0.800》 | |
車両重量(kg) | 218〔220〕【230】{231} | |
乾燥重量(kg) | - | |
乗車定員(人) | 2 | |
燃費消費率(km/L)※1 | 42.0(国交省届出値 定地燃費値 60km/h 2名乗車時) | |
28.3(WMTCモード値 クラス3-2 1名乗車時)※2 | ||
登坂能力(tanθ) | - | |
最小回転小半径(m) | 3.0 | |
エンジン型式 | RC88E | |
水冷4ストローク直列2気筒SOHC4バルブ | ||
総排気量(cm3) | 745 | |
内径×行程(mm) | 77.0×80.0 | |
圧縮比 | 10.7 | |
最高出力(kW[PS]/rpm) | 40[54]/6,250 | |
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) | 68[6.9]/4,750 | |
燃料供給装置形式 | 電子制御燃料噴射装置[PGM-FI] | |
始動方式 | セルフ式 | |
点火方式 | フルトランジスタ式バッテリー点火 | |
潤滑油方式 | 圧送飛沫併用式 | |
潤滑油容量(L) | - | |
燃料タンク容量(L) | 14 | |
クラッチ形式 | 湿式多板コイルスプリング式 | |
変速機形式 | 常時噛合式6段リターン【電子式6段変速(DCT)】 | |
変速比 | 1速 | 2.812【2.666】 |
2速 | 1.894【1.904】 | |
3速 | 1.454 | |
4速 | 1.200 | |
5速 | 1.033 | |
6速 | 0.837【0.864】 | |
減速比1次/2次 | 1.731×2.529【1.921×2.294】 | |
キャスター(度) | 27°00′ | |
トレール(mm) | 110 | |
タイヤサイズ | 前 | 120/70ZR17M/C 58W |
後 | 160/60ZR17M/C 69W | |
ブレーキ形式 | 前 | 油圧式シングルディスク |
後 | 油圧式シングルディスク | |
懸架方式 | 前 | テレスコピック式 |
後 | スイングアーム式(プロリンク) | |
フレーム形式 | ダイヤモンド |
〔 〕内は、ABS仕様 【 】内はデュアル・クラッチ・トランスミッション
※1 燃料消費率は定められた試験条件のもとでの値です。使用環境(気象、渋滞等)や運転方法、車両状態(装備、仕様)や整備状態などの諸条件により異なります
※2WMTCモード値は、発進、加速、停止などを含んだ国際基準となっている走行モードで測定された排出ガス試験結果にもとづいた計算値です。走行モードのクラスは排気量と最高速度によって分類されます