V-Strom1000 ABS 1,404,000円(12月24日発売)
★スズキ V-Strom1000 ABS 車両解説
スズキのフラグシップ“アドベンチャー・ツアラー”V-Strom1000 ABSに新色を追加
スズキのフラグシップ“アドベンチャー・ツアラー”として欧州を中心に人気を集めていたV-Strom1000 ABSの国内仕様モデルが発売されたのは2014年6月。ハヤブサに続き、欧州仕様そのままのハイパワー仕様で国内市場へ導入だった。
1997年発売のTL1000S、そして翌1998年のTL1000Rに端を発するスズキのリッタークラスVツイン・スポーツに系譜をたどれるスズキの90度Vツインエンジン搭載スポーツモデル。セミカムギアトレインやラムエア機構、そしてF.I.採用などにより125PSのハイパワー(国内仕様は93馬力に抑えられていたが)エンジンを軽量なアルミツインスパーフレームに搭載した“じゃじゃ馬”マシンとしてのスタートだった。
“アドベンチャー・ツアラー”としてのヒストリーは、2002年、「次世代アドベンチャー・ツアラー・モデル」として生産を開始したV-Strom1000の登場に始まる。より快適で上質なロングツーリングに最適なモデルとしてツーリングファンの支持を得ることに成功し、その後、2004年に発売開始した弟分のV-Strom650と合わせて、スズキに個性的なアドベンチャー・ツアラー・シリーズここにあり、を強く印象づけることに成功している。その後、V-Strom1000は2007年に、650では2011年にエンジンから車体に至るまで、ほぼすべてを一新したモデルチェンジを受けている。
V-Strom1000 ABSの国内仕様発売は、2014年に新型に生まれ変わるや早くも販売実績を塗り替えたという人気の海外仕様モデルをベースに、180km/hのスピードリミッターの追加、イグニッションキーの変更(海外仕様で備わるパーキングポジションを廃止、国内のレギュレーションに合わせた)、そして各種のコーションラベル類を日本語に変更、という3点のみの変更にとどめている。
ちなみに2013年に行われた新型V-Strom1000 ABSへの変更点を取り上げておくと、エンジンでは、基本構造以外のほぼすべてを新設計。ピストン径をそれまでの98mmから100mmへとボアアップすることで、排気量を996ccから現状のシリンダーレイアウトではほぼ限界といえる1,036ccへアップ。最高出力は72.0kW(97PS)から74.0kW(100PS)に、最大トルクも101.0N・mから103.0N・mへとアップ。ピストン自体もサイズアップにもかかわらず、従来と変わらない重量と剛性も確保しているという。
シリンダーヘッド周りでは、ツインイリジュウムスパークプラグが新たに採用された。イグニッションコイルも1気筒当たり2個を採用。フューエルインジェクションでもインジェクターホールを4から10に増やし、よりクリティカルなコントロールを可能とし、排出ガス規制もEuro3をクリア(従来はEuro2)、燃費を18.0km/Lから20.9km/Lに向上させている。フライホイールマグネトーの慣性重量は15%アップし、ISC(Idle Speed Control)システムを採用したF.I.スロットルボディの採用などとともに低回転時のコントロール性を大幅にアップしている。
ラジエターの冷却能力を19.8kWから22.7kWに向上。オイルクーラーは廃止。さらに冷却システム全体でマイナス1.3kgの軽量化も実現。クラッチはスリッパークラッチ機能やアシスト機能を持たせたSCAS(Suzuki Clutch Assist System)を採用。マフラーは従来のツインマフラーからシングルへと変更、約4.7kgの軽量化を実現。
車体周りでは、スズキの二輪車では初採用となるトラクションコントロールを採用。状況に合わせて2タイプのモード(オフを入れて3ポジション)を選択可能だった。フレームはツインスパータイプと基本構造はそれまで通りだったが、最新のFEM(有限要素法)解析によりほぼ一新され、剛性を33%アップさせつつ、重量は従来モデルよりも13%軽量化している。スイングアームは約36mm延長、ホイールベースも20mmの延長となった。フロントにはKYB製のφ43mm倒立式フォーク、リアにはプリロードアジャスター付サスを採用。フロントブレーキは異形対向4ピストンモノブロックラジアルマウントキャリパーにグレードアップ。ボッシュ社製のABSを標準装備している。
ハンドルバーはそれまでのモデルよりも34mm後方に、フットレストも15mm後方にセッティングされ、ライダーの足着き性を向上させている。特徴的な上下2段にレイアウトされたヘッドライトを採用。そして必要にして最小限といえる、これまた特徴的なウインドスクリーンは、工具使用により3段階の高さ調節が可能。角度も3段階に調整が可能で、こちらは工具不要だ。メーターはデジタルの多機能メーターパネルを採用した。
“ワイルド&スマート”をデザインコンセプトにして生まれ変わった新型V-Strom1000 ABS。ライバル各車がリッタークラスからさらに排気量を拡大、より大きく、より豪華なマシンへと変身していくのに対して、あくまで軽量&コンパクトさ、にこだわったマシン作りで“アルペンマスター”、アルペンルートでの最速マシン、という分かりやすい目標を実現するべく生まれ変わったモデルだった。
今回は、国内販売されたこのV-Strom1000 ABSに新色が追加設定された。新色の「マットフィブロイングレーメタリック(PGZ)」と、「ミスティックシルバーメタリック(YMD)」の2色で、継続色の「キャンディダーリングレッド(YYG)」、「パールグレッシャーホワイト(YWW)」、「グラススパークルブラック(YVB)」の3色と合わせて計5色もが用意されるカラーラインナップとなった。
★SUZUKI プレスリリースより (2015年12月21日)
快適にツーリングを楽しめる大型二輪車
「V-Strom1000 ABS」に新色を追加して発売
スズキ株式会社は、長距離ツーリングで快適な大型スポーツアドベンチャーツアラー、「V-Strom1000 ABS」に新色を追加して2015年12月24日(木)より発売する。
「V-Strom1000 ABS」は、街中から高速道路、山岳路まで、長距離ツーリングでの様々なシーンで快適に楽しむことができるスポーツアドベンチャーツアラーである。
「ワイルド&スマート」をデザインコンセプトとしたスタイリングに、取り回しやすく足つき性の高い軽量・コンパクトな車体。直立した乗車姿勢や、高さと角度の調整ができる可変大型風防により、長距離走行での疲労を軽減した。さらに、スズキ二輪車初のトラクションコントロールシステムや多機能メーターを採用するなど、様々なライディングシーンで役立つ装備を充実させた。
- ●主な変更点
- ・従来の赤(キャンディダーリングレッド)、黒(グラススパークルブラック)、白(パールグレッシャーホワイト)に加え、新色の灰色(マットフィブロイングレーメタリック)と、銀色(ミスティックシルバーメタリック)を追加し、全5色とした。
- ・新色2色のマフラーカバー色をマットブラックに変更した。
- ※主要諸元、メーカー希望小売価格に変更は無い。
- ●「V-Strom1000 ABS」の主な特長
- デザイン
- ・冒険を感じさせる、力強くワイルドな造形と、軽快さを表現したスリムでスマートなスタイリング。フロントには、1988年に発売した「DR750S」のイメージや、縦型2灯ヘッドライトを採用した。
- エンジン
- ・低中速域での力強さと扱いやすさを高めた、1,036cm3水冷4サイクル90度Vツイン(V型2気筒)DOHC4バルブエンジン
- ・3段階(1/2/オフ)のモード選択機能を備えたトラクションコントロールシステム※をスズキ二輪車で初採用。エンジン出力をより効率よく後輪に伝達することが可能となり、より快適なライディングを楽しめる。
- ※トラクションコントロールシステムは、あらゆる状況下で後輪のスリップ(スピン)を完全に抑制したり、転倒を防止したりするものではありません
- 車体
- ・広い前方視界を確保する直立した乗車姿勢と、ワンタッチ操作で角度を3段階に調節できる可変大型風防により疲労を軽減。
- ・快適な座り心地と足つき性を実現する、スリムな形状のシートと燃料タンク。
- ・GSX-R シリーズなどスポーツモデル譲りの、ラジアルマウントフロントブレーキキャリパー。
- その他の装備
- ・ギヤポジション、平均燃費、航続可能距離など、液晶内に多様な情報を表示できる機能的なメーターパネル
- ・メーターパネル下部に12Vのアクセサリーソケットを装備。
- 商品名
- V-Strom1000 ABS(DL1000AL6)
- メーカー希望小売価格(消費税8%込み)
- 1,404,000円(消費税抜き1,300,000円)
- ※価格には、保険料、税金(消費税を除く)、登録等に伴う費用は含まれない。
- ※メーカー希望小売価格(消費税込み)は、消費税率の変更により変更される。
- 発売日
- 2015年12月24日
- パブリシティー
- 2015年12月21日
- 車体色
- 5色
- 新色 マットフィブロイングレーメタリック(PGZ)、ミスティックシルバーメタリック(YMD)、既存色 キャンディダーリングレッド(YYG)、パールグレッシャーホワイト(YWW)、グラススパークルブラック(YVB)