名古屋モーターショーにお目見え 2015/11/20〜23 JAPAN Première SUZUKI SV650/A<br />
●レポート&写真:泉田陸男

♦SUZUKIのブースには JAPAN プレミア SV650/A


スズキブース

 中部地区最大のモーターショー「名古屋モーターショー2015」が11月20日(金曜日)から23日(月曜日)までの4日間に渡り開催された。「東京モーターショー2015」に引き続き2016年モデルを中心にコンセプトカーも含め内外の四輪車、二輪車が展示された。
 スズキのブースにはスズキ二輪車の代表的マシン「隼」「GSX-S1000」「GIXXER(参考出品車)」等が出展されていた。「隼」は言わずと知れた究極の公道バイクを目指したスーパースポーツだ。

スズキブースはショー会場3号館の入口正面に構えていた。

隼

GSX-S1000
ストリート・スーパースポーツGSX-S1000は数々のテクノロジーが投入されたスズキの上級マシン。 公道バイクの究極を目指して造られた隼はスズキのフラッグシップマシンとして頂点に君臨するマシン。

GIXXER

「GSX-S1000」は、ストリートスポーツを標榜するレースシーンからフィードバックされた高性能エンジンを搭載するハイパーマシンだ。「GIXXER」は、スズキの二輪子会社スズキ・モーターサイクル・インディア社がインドで生産販売している空冷4サイクル単気筒の155cc小排気量スポーツで、インドのバイク・オブ・ザ・イヤーを受賞している。
 そして、スズキブースの中にあって、特別異彩を放って展示されていたマシンが「ジャパンプレミア SV650/A」だ。SV650は1999年に水冷90度V型2気筒DOHCエンジンをアルミフレームに搭載するスポーツバイクとして発売されたが、当時大排気量マシンの台頭に押され日本での販売が中止されたままになっていた。

GIXXER(ジクサー)はスズキがインドで生産する155ccの小型ストリートスポーツ。優れた燃費性能と力強い加速性能が人気。

 しかし、650cc90度V型エンジンのスリムで扱い易いエンジンとその特長を活かしたスタイルは欧州市場で人気が高く、今日まで改良を加えられながら好調な販売を続けていた。今回その評価から世界モデルとしてリニューアルされ、ニューモデルとして2016年1月より欧州、北米での発売予定車として「2015 EICMA ミラノショー」で発表された。そのニューマシンが日本での発売も予定に入れて、名古屋で発表となった。 
 今回の新開発に当たっては、従来よりも出力アップされ且つ排出ガス規制「ユーロ4」(欧州仕様車)や燃費向上に対応したコンパクトエンジンという難題をクリアしている。且つ「ローRPMアシスト」という発進時や市街地といった低回転域での走行時にエンジン回転を若干上げて操作性を向上させる新機構が投入されており、更には「スズキイージースタートシステム」というスタータースイッチを押し続けなくてもエンジンが始動する機構も採用されている。勿論、安全に係る制動装置にはABS装備モデルも用意される。


SV650/A

SV650/A

SV650/A
ミラノショーで発表されジャパンプレミアとなったSV650/A。 後ろから見ると、シャープなスタイリングとそのスリムさが判る。 正面からみると、エンジンがフレーム幅内に収まっているのが判る。

SV650/A

SV650/A

SV650/A

SV650/A

SV650/A

SV650/A

SV650/A

 会場で、開発に当たったスズキ二輪商品企画部の江口氏と二輪エンジン設計部の荒川氏に話を聞くことができた。
 新SV650はコンパクトなエンジンをスリムなフレームに搭載することでマシンの扱い易さを向上させている。200kgを下回る車体重量は、スティール製トラスフレームボディというスタイルで、精悍なだけでなく低いシート高と相まったスリムな車体幅が足着き性の向上を実現している。「ネイキッドとしての素性を大事に考えて開発し、日本ではツーリングユースも前提としたマシンと考えている」と言う。ツーリング装備としてのカウルやラゲッジ搭載能力はVストロームに譲るが軽量な車体と足つき性の良さがSV650ならではのユーザビリティを生みだしているはずだ。発表されているエンジン性能や特性は数字上では判りづらいかもしれないが、「文句無く扱い易く、ハイパースポーツモデルのような敷居の高さは無くオールマイティさが特長です」という。「多くのライダーに乗って欲しいが、リターンライダーや女性ライダーには是非乗って欲しいバイク」だそうだ。日本での発売時期はまだ未定だが、2016年の注目マシンの一台だ。

♦SV650 specification(欧州仕様車)
■全長2140mm ■全高1445mm ■全幅760mm ■シート高785mm ■総重量195kg/197kg(ABS)
■ブレーキ形式(前)ダブルディスク (後)シングルディスク
■タイヤサイズ(前)120/70 ZR17 M/C(58W)(後)160/60 ZR17 M/C(69W)
■エンジン種類 水冷4ストロークDOHC V型2気筒 ■ボア・ストローク 81.0mm×62.6mm
■総排気量645cc ■最高出力 56kw/8500rpm ■最大トルク 64Nm/8100rpm ■燃費3.48ℓ/100km 
シートの裏側の左右に荷掛け用のナイロンベルトフックが装備されている。


ズキ二輪商品企画部の江口氏と二輪エンジン設計部の荒川氏
SV650の開発担当、商品企画課の江口卓也氏(右)とエンジン設計二課の荒川英俊氏(左)。
♦ホンダブースにはコンセプトマシン

ホンダブース

 名古屋モーターショーには当然、本田技研工業も出展をしていて二輪車の展示がされていた。東京モーターショーに続きコンセプトマシンの展示が目を引いていた。存在感を示していたモデルは、次世代のHondaライトウエイト・スーパースポーツの方向性を表現した「Light Weight Super Sports Concept」だ。
 更には「CBR400R」(市販予定参考出品)や「RC213V–S」(MotoGP参戦マシン「RC213V」の一般公道での走行を可能としたマシン)が「RC213V」と共に展示されThe Power of Dreams のテーマを具現化した展示がホンダらしさを主張していた。

ホンダブースにはコーポレートスローガン「The Power of Dreams」が掲げられていた。

ライト・ウエイト・スーパー・スポーツ

CBR400R
コンセプトマシン「ライト・ウエイト・スーパー・スポーツ」。 市販予定のスーパースポーツ「CBR400R」。

RC213V-S

 その他にも、街乗りもツーリングもこなすクロスオーバー「400X」「NC750X」や本格アドベンチャーモデル「CRF1000L Africa Twin」が展示されていて、二輪のホンダの健在ぶりが目立っていた。

スーパースポーツの究極「RC213V-S」。

CRF1000L アフリカン・ツイン


400X、NC750


右 クロスオーバーコンセプトというスタイルで造られた「400X」「NC750X」は市街地でもツーリングシーンでもオールマイティに走れるロードスポーツも凌駕するマシン。

左 本格アドベンチャーモデル「CRF1000L アフリカン・ツイン」は様々な場所に行ける高度な走破性を誇るデュアルパーパス・マシン。
♦アメリカン・ビッグマシン インディアン&ヴィクトリー

 大きく三会場に分けられたショー会場の輸入車館には、アメリカン・モーターサイクルの雄「インディアン」と「ヴィクトリー」が出展されていた。インディアンからは「チーフ・ビンテージ」「チーフ・クラシック」「ロード・マスター」「スカウト」等が展示されネオクラシックなスタイルを披露していた。ヴィクトリーの展示では「Touring シリーズ」「Baggers シリーズ」「Cruisers シリーズ」が展示されビッグマシン、アメリカンスタイルのファンが食い入るようにマシンを眺めたり、跨がったりして羨望の眼差しを注いでいた。


ヴィクトリー

インディアン
アメリカンモーターサイクル・ヘリテイジと言えるインディアンも製品は2004年スタートのメーカー。 ヴィクトリーはモダン・アメリカン・モーターサイクルと評されるグランド・ツーリングモデル。

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