|
カフェレーサーのルーツ ACE Café London |
今回借り受けたボンネビルは、言わずと知れたトライアンフの歴史を背負って立つと言っても過言ではないモデル。クラシックテイストを継承させたトライアンフの代表マシンの最新モデルだ。もう一台用意されたスラクストンもトライアンフでは欠かすことのできない歴代からのマシンだが、今回用意されたスラクストンはエースカフェとのコラボモデルで、モダンカフェレーサーといえるマシンだ。 |
|||||
マーク・ウィルスモア氏は元騎馬警官でロックンロールとバイクを愛するエースカフェの代表。 | ||||||
私が訪ねた時、アポイントが無いにも関らずウィルスモア氏が出てきて和やかにインタビューに報えてくれた。 |
|
|||||
エースカフェ店内に展示されていた往時の人気マシン。右からエンフィールド、スラクストンエース(2014年限定モデル)、ボンネビル、ノートン、BSA。 |
|
|||||
店内の壁にはイベントポスターが貼られ、カウンターと横長のテーブル、そして欠かすことができないジュークボックスが置かれている。 | ||||||
グラスゴーからハイランドに向けて
エースカフェでウィルスモア氏にインタビューができたことは、今回のツーリングの良い前兆のように思えた。英国特有といわれる曇りや雨の多い天候といった気配はなく、天気は快晴だ。期待一杯にツーリングの目的地であるハイランドを目指し、イングランドから自動車専用道M6を北上してグラスゴーの街を目指した。Mの付く道路は「モーターウエイ」という英国での高速道路だが、無料で制限速度は70マイル(時速112キロメートル)。日本の感覚で走っていると後ろからビュンビュンと抜かれまくる。英国ではAが付く道路が日本と同様の一般道だが、制限速度は最高で60マイル(時速96キロメートル)と日本の高速道路並みで速い。 |
|
|||||
往時を偲ばせるグラスゴーの街並は、近代的なスポーツカーも似合う。街角にあるパブにはマッさんも通ったのだろうか。 | ||||||
|
||||||
ハイランドを代表する景勝地グレンコー渓谷は、山々に囲まれた神秘的な雰囲気が広がる不思議な場所だ。 | ||||||
翌日A82を北上しハイランドでも屈指の絶景と言われるグレンコー渓谷を目指した。グラスゴーを出てしばらくするとロモンド湖を右に観ながら湖脇のワインディングを走る。しばらく湖岸を走りクリフトン・タインドラムという村で右折すると、いよいよグレンコー渓谷へと入って行く。グレンコーとはゲール語(スコットランド地方の言語)で「嘆きの峡谷」を意味し、「グレンコーの悲劇」というイングランドとスコットランドが敵対する原因の一つである歴史的虐殺事件のあった村がある場所だ。映画「007スカイフォール」ではジェームズ・ボンドの生家がグレンコーのスカイフォール(仮名)でMを狙う宿敵と戦う場面として登場する。 |
||||||
日本では観ることの無い岩肌を剥き出しにした禿げ山が延々と続き、急峻な山の斜面には雨や雪解け水に削られた痕が刻まれている。今にも中世の騎士が襲いかかってきそうな神秘的で不思議な光景が続いていた。 |
|
|||||
グレンコーの風景を象徴すると言われるブラックロックコテージ。厳しい自然を背景の荒々しい山が物語る。 | ||||||
ハリーポッターの世界 グレンコーを抜け、この日の宿のある「フォート・ウィリアム」を目指す。途中からスコットランドに来て初めての雨が降り出し慌ててカッパを着込んだ。日本でいうシトシト雨に近く、シールドに付く水滴を常に拭いながら走るといったほどではないので苦になることはなかった。フォート・ウィリアムに到着した時には、まだ日が高く(夏場は午後10時頃までは明るい)、グレフィナンを下見することにした。 |