2018年4月12日
MBHCC C2 ゆきゆきて道祖神 添乗員ヨッティのバイクツアー裏レポート その33
その33「スクーターの国、台湾ではスクーターで旅をするのが流儀だ」の巻
台湾といえばスクーター。朝の通勤ラッシュはスクーターが滝のように町を流れる。交差点の信号ダッシュはそりゃもう大迫力! 今までの台湾ツーリングは中型バイクを使っていましたが、今年はスクーターで走ることにしました。郷に入れば郷に従うのだ。同じ台湾ツーリングでも、スクーターのほうが色々なものが見える気がするのです。
今まで台湾ツーリングを何度も実施してきましたが、CBR250などの中型バイクを利用していました。が、しかし。台湾といえばスクーター。125ccクラスのスクーターが北から南まで、まるで台湾の血液のようにドクドクと流れている。朝の通勤ラッシュは世界的な名物画像となり、「台湾 バイクの滝」というキーワードで検索すると強烈な画像が出てくる。そんなスクーターの国では大きなバイクに乗るより、やっぱり現地のライダーと同じマシンに乗って彼らのアツイ波に乗ってみたい、というのが旅心。現地の人と同じ視線で風景を見つめてこそ、その国の本当の風景が見えてくるのだ。そんなわけで、アジアのお気軽スクーターツアーに行ってきました。
台北の混沌とした雑踏を抜けると、快適なワインディングが続く。気持ちよく走っていると、コーナーでカメラ小僧がたくさん、僕たちに向かってレンズを向けている。知り合いでもない僕たちを、彼らのカメラはバシャバシャ! と連写する。一体何事だ? 数時間後、僕たちのコーナーリング・フォームは台湾のインターネット・サイトにアップされていた。その写真は誰でも無料でダウンロードできる仕組みになっている。そう、それはまさしく、日本の1990年代「走り屋系投稿雑誌」の現代版だ。かつて、誰よりも速く! ではなく、「誰よりもカッコよく膝をすってコーナーを駆け抜ける」ことに命を懸けていた時代があった。スクーターでもついつい膝を出したくなるのは、バイク乗りの性というべきか? 今、台湾では休日の峠にはギャラリーがあふれ、自分の走っている姿を誰かが撮ってくれ、ネットから自分のライディング・スタイルをチェックできるシステムが出来上がっているのだ。
ところで、スクーターツアーで困ったことが1つあった。道祖神のグループのお客様と地元ライダーの区別が全くできなくなったのだ。これまで、世界中の国でバイクツアーを実施し、地元のバイクの群れに紛れることは多々あった。でも、道祖神のライダーは目立つライディング・ウェアのため地元民から明らかに「浮いて」おり、ツアーのお客様は一目瞭然だった。しかし、台湾でスクーターに乗ってしまっては、さすがにわからない。お客様もスクーターツアーということで、ゴテゴテのパッドの入ったライディング・ジャケットなんて着てこない。「普通の町乗りのカッコ」で参加されるので、見事に台湾市民に紛れ込んでしまうのだ。同じく、お客様から見て添乗員(私)がバイクの群れのどこにいるのか、わからない状態となった。これは次回のスクーターツアーの大きな課題となった。ツアーのお客様は全員お揃いのベストを着るか? 添乗員は目印の旗を背中に差すか?
それにしても、やはりスクーターは楽しい。どこでも止まれる。どこでも気軽にUターンできる。美味しそうな店があったら、すぐに戻って気軽に店に立ち寄れる。この身軽さこそ、バイク旅の特権ではなかったか? 大型バイクに乗ってると、ついつい通り過ぎてしまうものが、スクーターだとたくさん発見できるのも魅力だ。
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