2018年3月24日
第45回東京モーターサイクルショー速報 『世界のバイクが大集合!! まるごとバイクざんまい! 二輪祭 2018』
■撮影:松川 忍/依田 麗
3月23日(金)に東京ビッグサイトで開幕した「第45回東京モーターサイクルショー」(一般公開は3月25日まで)。
一足早く3月16日(金)から18日(日)の日程で開催された「第34回大阪モーターサイクルショー2018」で展示されたニューモデルの数々はすでにご紹介済み(大阪モーターサイクルショーの模様はこちら)なので、ここでは大勢の観客を集めた3月23日の特別公開&午後の一般公開の会場から速報をお伝えしよう。
「東京モーターサイクルショー」独自のトピックスとしては、今年の7月にフランスとベルギーで行われるFIM世界トライアル選手権「TRIAL E」クラスに参戦するヤマハの電動トライアルマシン“TY-R”の公開展示に注目だ。
■Honda
大阪モーターサイクルショーには合計25台、東京モーターサイクルショーには合計23台の様々なカテゴリーのモデルを出展したHonda。従来のコンセプトモデルを中心とした“夢”の近未来車たちの祭典ではなく、現実に即した市販車中心の“豊かなモーターサイクルライフを体感してもらう”ブース展開を行っていた。
中でも注目は、次期250スクーターの本命、新型“フォルツァ”(市販予定車)が国内初公開されたことだろう。250ビッグスクーター復権の鍵を握る車種だけに多くの関係者の関心も集めていた。先の東京モーターショーで公開された、PCXの電動モデルとハイブリッドモデル、そして4月6日発売予定の新型PCXの3台揃い踏みも注目を集めていた。スクーター市場の大黒柱となった125、150クラスのベストセラーの動向には目が離せない。
このほか多くの人だかりができていたのは125版となった「ビッグ・モンキー」こと“モンキー125”(市販予定車)とこれまた125エンジンを搭載した“スーパーカブ C125”(市販予定車)のコーナーだ。先のモーターショーでお目見え済みなので、さすがに「でっけー」「これがモンキーなの」と言った声こそ聞かれなかったが、改めて見ても意表を突く大きさ。それほど旧世代のモンキーが小さくて可愛かったことの裏返しでしょうか。“スーパーカブ C125”はなによりスタイリングとカラーリングがオリジナルのスーパーカブをイメージさせるもので、コレクションには欠かせないな~と、カブファンには悩ましい一台が登場してしまった、というところでしょう。
この他、4月2日発売の新世代ゴールドウイング/ゴールドウイング ツアー、新型CRF1000L Africa Twin/Africa Twin Adventure Sports、5月22日発売のCB250R、3月9日発売のCB125Rなど、購入前の下見、はたまた他社モデルとの比較検討、といった購入を前提にした来場者の方々も多く見受けられるHondaの市販車、市販予定車の展示スペースでした。
■YAMAHA
ヤマハ発動機販売株式会社代表取締役、石井謙司社長のバイク関連報道陣向けの実質お披露目となったプレス・カンファレンスには、大勢の報道陣が集まっての華やかなデビューとなった。苦戦の続く二輪業界の中にあっても、積極的な新車攻勢にチャレンジしているヤマハ、今回の東京モーターサイクルショーでは、昨年にも増してバイクライフ面に焦点を当てた展示を行っていた。それを裏付けるかのように、ヤマハ発動機販売のブースを圧倒するかのような勢いを見せてくれたY’S GEARブースの存在が印象的だった。
そんな中で目を惹いたのが、昨年のEICMAにも出展した「フロント2輪の3輪バイク」LMW(Leaning Multi Wheel)モデル、“NIKEN(ナイケン)”の展示コーナーだった。ショーモデル以上に目を惹く存在、と言ってもいいこの“NIKEN”、だからといってコンセプトモデルの役割で登場したわけじゃない。何と昨年11月の発表通り、2018年の発売開始に備えて、つまりは市販予定車として展示されたのだ。2014年発売の“TRICITY 125”をかわきりに、2017年発売の“TRICITY 155”に続くLMWの第三弾として、なんと超ド級のロードスポーツ車の市販が目前になりました。
■SUZUKI
スズキは大阪と東京、両モーターサイクルショー会場に同じラインナップで登場している。2017年10月の東京モーターショーで発表した「上質なスタンダードスクーター」“SWISH(スウィッシュ)”や、新グラフィックを採用したスーパースポーツバイク“GSX-R1000R”の輸出仕様車を参考出品したスズキ、市販車では2018年1月に発売した125ccのロードスポーツバイク“GSX-R125 ABS”や伝統的な外観を取り入れたネオレトロの“SV650X ABS”などの新型モデルを中心に、実際に触れることができる車両を数多く展示することで「スズキ二輪車の魅力を発信していく」とした。
また、“GSX-R1000R”にまたがりながらサーキットでの走行映像をVR(バーチャルリアリティ)装置で再生するVR体験コーナーを開設。映像に合わせて車両を左右にバンクさせることで、サーキットにおけるライディングをよりリアルに体感できるユニークなマシンに取り組んでいた。VR装置と組み合わせることで従来の疑似バンク走行体験コーナーを格段に上回るリアリティが楽しめるアトラクションだ。
参考出品車は、SWISHとGSX‐R1000R(輸出仕様車)の他、GSX-RR(MotoGP参戦車両)。国内向け市販車として、SV650X ABS(1月26日発売)、GSX‐R125 ABS(1月26日発売)、GSX-S1000 ABS、GSX-S1000F ABS、GSX‐S750 ABS、GSX‐S125 ABS、V-Strom 1000XT ABS、V-Strom 650XT ABS、アドレス125、アドレス110が実際に跨ってみて触れるモデルとして用意されていた。
■KAWASAKI
昨年の東京モーターショーに引き続き今年のモーターサイクルショーもカワサキは市販車にこだわった展示を貫き通している。今回のショーにあたってカワサキが配布したパンフレットには、
『「RIDEOLOGY
カワサキは、違う。----
カワサキのモーターサイクルは、ときに「他と違」と表現されます。
それは、私たちつくり手のこだわりが色濃く出たゆえの、違いかもしれません。
こだわりは、3つ。いずれも走りへのこだわりです。』
その3つのこだわりとは、
1)「強さと優しさを共存させる」
2)「操ることを悦びにする」
3)「あらゆる可能性に挑戦する」
各項目それぞれにさらに詳しい内容が乗っていたのだがスペースの都合で省略させてもらうが、締めくくりは、
『今までも、そしてこれからも変わることのない、「走り=RIDE」への「こだわり=IDEOLOGY」それが、カワサキのRIDEOLOGY(ライディオロジー)です。』
カワサキからの、カワサキファン&ライダーに向けたメッセージでブースの紹介に換えさせていただきました。
世界の二輪4大メーカーのお膝元だけに、東京モーターサイクルショーには海外のメーカーが敢えて負けじとニューモデルを続々投入。円熟しつつある日本の二輪車市場で“個性”を勝負にアピールしてきた。日本、アジア、そして世界初公開モデルも目白押し!
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東京モーターサイクルショーでは二輪用品メーカーをはじめとする関連各社・団体のブースもいっぱい。新製品やツーリング、観光、さらに学生には進路などの情報が会場中に溢れていた。
(順不同。ここに紹介するのは東京モーターサイクルショーに出展されたすべてのブースでありません)
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