2018年3月15日
“ニューミッドコンセプト”スポーツ、NC750Xの仕様装備を充実
NC750X/NC750X<ABS>E Package/NC750X Dual Clutch Transmission<ABS>/E Package 743,040円/880,200円/946,080円(4月20日)
並列2気筒のシリンダー前傾角を62度と深くすることで全高を下げ、車体のレイアウトに自由度が得られる軽量コンパクトな新型700ccエンジンをゼロから開発。それに合わせて、低い位置にメインパイプ配置することが可能となったローフレームと組み合わせることにより誕生した“ニューミッドコンセプト”シリーズ。
2012年2月のNC700X、4月のNC700S、インテグラの発売以降多くのファンを獲得したが、わずか2年足らずの2014年1月に、排気量アップで750シリーズに発展している。それは好調な販売ばかりでなく、未だ残にる日本独自の規格といえる“ナナハン”を試験車両とする大型自動二輪免許の存在も背景にあったといわれていた。スタート時のNCシリーズは、排気量669cm3であり、実質650クラスだった。教習車両、試験車両に使われるかどうかは、潜在ユーザー層となる教習生へのアピールの面からも重要なことだろう。ただ排気量アップの要因はもちろんそれだけではなく、生み出された余裕を排出ガス規制や騒音規制対策、はたまた好燃費化にも貢献させていた。
750となっても、共通のプラットフォームを使い回すことでより多様なニーズに合わせたモデル群を展開する、というNCシリーズの基本戦略は変わらず。“オン・オフ”モデルとして開発されたNC750Xと、“ネイキッド・スポーツ”のNC750Sを一足早く1月24日に発売。前モデルは海外でトップバッターデビューを飾った“スクーティング・モーターサイクル”のインテグラのみ若干遅れて2月7日発売となった。NC750X、NC750Sに用意される“デュアル・クラッチ・トランスミッション”仕様、NC750Xのローシート“TypeLD”仕様(NC750X)、そして“ABS”仕様の各仕様はすべて発売開始日に合わせてラインナップされていた。
750シリーズのエンジンは、ボアを4mm拡大して77mmに、ストロークは80mmとし、総排気量745cm3から低中回転域での力強い走りを実現。ピストンに樹脂コーティングを施すとともに、摩擦を低減するローラー式ロッカーアームにアルミ材を採用するなどの特徴的なメカニズムは踏襲されたが、従来の一軸バランサーは、さらなる低振動化の実現を図るため二軸式へと変更された。トランスミッションのハイレシオ化も行われ、デュアル・クラッチ・トランスミッションも新エンジンに合わせて変速特性が見直された。
車体面では基本構造に変化はないのでほぼ同一といえるが、インテグラではリアのスイングアームがアルミ化されたほか、フロントカウルとシート形状も変更。また、スポーティなストライプの採用やゴールドカラーの前後ホイールを装着したインテグラSタイプも追加されるなど新型NCシリーズでは一番変更点の多いモデルとなった。
NC750Xでは、よりオフイメージのパターンを持つタイヤが装着されたことと、ニューCBシリーズなどで採用されている瞬間燃費、および平均燃費などが表示できる機能を持つ燃費計が新たに装備された。また、シート表皮の変更、アジャストタイプのブレーキレバーも採用されていた。
また2014年4月には、新たにタイプ設定された“E Package”仕様が登場している。CB400SF/SBやCB1300SF/SBシリーズなどで導入が始まった、ETCとグリップヒーターを標準装備する仕様で、NC750Xでは、DCT搭載車のノーマル仕様とローダウン仕様にタイプ設定された。ETC車載器と5段階に温度調節が可能で装着の目立たない“スポーツグリップヒーター”、そして足でのギアチェンジ操作も可能とする“DTCチェンジペダル”を装備するモデルだ。
2016年1月26日には、750シリーズになって初のモデルチェンジが行われ、NC750Xではフロントフェアリングを中心にスタイリングを一新。視認性に優れた配光パターンを持つLEDヘッドラインプの採用や、導光タイプのポジションランプをヘッドライト輪郭に配置するなどより個性的なフェイスに仕上げている。足周りではフロントサスに“デュアルベンディングバルブ”を採用、乗り心地の向上と制動時のノーズダイブを軽減、リアではプリロード調整機構を追加することで路面追従性の向上も図っている。またDCT搭載モデルでは、「Sモード」に3種類のレベルを設定できる機能を追加するなどDCTをさらに進化、熟成している。
NC750Xの「デュアル・クラッチ・トランスミッション(以下DCT)」搭載車にETCとグリップヒーターを装着した「Eパッケージタイプ」のみ2月19日に発売。また、NC750X、NC750X<ABS>、NC750X デュアル・クラッチ・トランスミッション<ABS>には、それぞれローダウンシート仕様の「Type LD」もラインナップ。2017年2月には、新色「キャンディープロミネンスレッド」を各タイプに追加設定、従来からの3色と合わせて全4色のカラーバリエーションに。
今回、“ニューミッドコンセプト”の中でも一番人気のNC750Xの装備を充実させ、扱いやすさと使い勝手を向上させるマイナーチェンジが行われた。これまではDCTモデルのみに設定されていたE Packageタイプを、マニュアルトランスミッション車にも設定するとともに、E Package車に2段階のトルクコントロールとトルクコントロールのオフ状態が選べるHonda セレクタブル トルクコントロール(HSTC)を採用している。シート高も全タイプ800mmの設定となった。
★HONDA プレスリリースより (2018年3月15日)
大型クロスオーバーモデル「NC750X」の仕様装備を充実させ発売
Hondaは、力強いトルク特性で燃費性能に優れた直列2気筒750ccエンジンを搭載し、大容量のラゲッジスペースや、Honda独自の二輪車用「デュアル クラッチ トランスミッション(DCT)」をタイプ設定するなど、好評を得ている大型クロスオーバーモデル「NC750X」の扱いやすさと使い勝手を向上させ、4月20日(金)に新販売網のHonda Dreamより発売します。
今回、これまでNC750X Dual Clutch Transmission<ABS>のみに設定されていた、グリップヒーターとETC車載器を標準装備したE Packageタイプを、新たにマニュアルトランスミッションタイプのNC750X<ABS>にも設定し、利便性を向上させました。
またNC750X<ABS>E PackageとNC750X Dual Clutch Transmission<ABS>E Packageに、2段階のトルクコントロールとトルクコントロールを必要としないOFF状態の選択が可能なHondaセレクタブル トルク コントロール(HSTC)※1を採用。後輪スリップ時の燃料噴射量を制御し、トルクを最適化することで、後輪駆動力を抑制し、ライダーがイメージした走行に寄与します。
シート高は、幅広い層のお客様の使用用途に応えられるよう、全タイプ800mmの設定としています。
カラーリングは、キャンディークロモスフィアレッドとマットガンパウダーブラックメタリックの2色を新たに追加し、従来のパールグレアホワイトと合わせた全3色のバリエーションとすることで選択の幅を広げています。
※1 Hondaセレクタブルトルクコントロールはスリップをなくすためのシステムではありません。Hondaセレクタブルトルクコントロールはあくまでもライダーのアクセル操作を補助するシステムです。したがってHondaセレクタブルトルクコントロールを装備していない車両と同様に、無理な運転までは対応できません
- ●販売計画台数(国内・年間)
- シリーズ合計 1,100台
- ●メーカー希望小売価格(消費税8%込み)
- NNC750X 743,040円(消費税抜き本体価格 688,000円)
- NC750X<ABS>E Package 880,200円(消費税抜き本体価格 815,000円)
- NC750X Dual Clutch Transmission<ABS>E Package 946,080円(消費税抜き本体価格 876,000円)
- ※価格(リサイクル費用を含む)には保険料・税金(消費税を除く)・登録などに伴う諸費用は含まれておりません
★主要諸元
車名型式 | 2BL-RC90 | |
---|---|---|
NC750X〈NC750X<ABS>E Package〉《NC750X Dual Clutch Transmission<ABS>E Package》 | ||
発売日 | 2018年4月20日 | |
全長×全幅×全高(m) | 2.215×0.845×1.320 | |
軸距(m) | 1.520 | |
最低地上高(m)★ | 0.140 | |
シート高(m)★ | 0.800 | |
車両重量(kg) | 218〈221〉《231》 | |
乾燥重量(kg) | – | |
乗車定員(人) | 2 | |
燃費消費率(km/L)※2 | 42.0(国交省届出値 定地燃費値※3 60km/h 2名乗車時) | |
28.3(WMTCモード値★ クラス3-2 1名乗車時)※4 | ||
登坂能力(tanθ) | – | |
最小回転小半径(m) | 3.0 | |
エンジン型式 | RC88E | |
水冷4ストローク直列2気筒SOHC4バルブ | ||
総排気量(cm3) | 745 | |
内径×行程(mm) | 77.0×80.0 | |
圧縮比★ | 10.7 | |
最高出力(kW[PS]/rpm) | 40[54]/6,250 | |
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) | 68[6.9]/4,750 | |
燃料供給装置形式 | 電子制御燃料噴射装置[PGM-FI] | |
始動方式★ | セルフ式 | |
点火方式★ | フルトランジスタ式バッテリー点火 | |
潤滑油方式★ | 圧送飛沫併用式 | |
潤滑油容量(L) | – | |
燃料タンク容量(L) | 14 | |
クラッチ形式★ | 湿式多板コイルスプリング式 | |
変速機形式 | 常時噛合式6段リターン《電子式6段変速(DCT)》 | |
変速比 | 1速 | 2.812《2.666》 |
2速 | 1.894《1.904》 | |
3速 | 1.454 | |
4速 | 1.200 | |
5速 | 1.033 | |
6速 | 0.837《0.864》 | |
減速比1次/2次★ | 1.731×2.529《1.921×2.294》 | |
キャスター(度)h氏 | 27°00′ | |
トレール(mm)★ | 110 | |
タイヤサイズ | 前 | 120/70ZR17M/C 58W |
後 | 160/60ZR17M/C 69W | |
ブレーキ形式 | 前 | 油圧式シングルディスク |
後 | 油圧式シングルディスク | |
懸架方式 | 前 | テレスコピック式 |
後 | スイングアーム式(プロリンク) | |
フレーム形式 | ダイヤモンド |
■道路運送車両法による型式指定申請書数値(★の項目はHonda公表諸元)■製造事業者/本田技研工業株式会社
※2 燃料消費率は、定められた試験条件のもとでの値です。使用環境(気象、渋滞等)や運転方法、車両状態(装備、仕様)や整備状態などの諸条件により異なります
※3 定地燃費値は、車速一定で走行した実測にもとづいた燃料消費率です
※4 WMTCモード値は、発進、加速、停止などを含んだ国際基準となっている走行モードで測定された排出ガス試験結果にもとづいた計算値です。走行モードのクラスは排気量と最高速度によって分類されます