2018年1月23日
SV650X ABSの発売に合わせてSV650 ABSも仕様を一部変更
SV650 ABS 738,720円(1月26日発売)
SV650のルーツは、1999年に発売されたスズキの90度Vツインスポーツモデルがスタートとなっている。国内では一足早く、1998年に発売が開始されていた400㏄版に対する、上級モデルとしてリリースされた(400同様ノンカウルのSV650とセミカウルのSV650Sの2機種をラインナップ)が、依然根強く残っていた国内市場の“ヨンヒャク”、“ナナハン”というクラス構成のヒエラルキーにはあがらえず、間もなくラインナップから消えてしまっている。SV400の方も10年の節目を迎えることなく、2006年12月に生産を終了しているが、こちらは2009年のグラディウスとして復活したといえるだろう。
ただ、SV650も海外でのポジションとなるとまた別で、手ごろな価格で扱いやすく、それでいて性能もそこそこ楽しめる手ごろなミドルクラススポーツとして人気を得ることに成功している。海外ではSV1000の魅力的な弟分としてとらえられていたのだ。
また、2008年9月には、国内市場と同様にSV系エンジンを採用するネイキッドモデルの新型車、グラディウス(SFV650)が登場しているが、SV650はその後も併売され続けており、2015年の11月のミラノショーでは満を持してフルモデルチェンジが行われた。
2016年8月に国内発売が開始されたSV650 ABSは、この海外市場で一足先に登場したモデルそのもので、水冷90度V型2気筒、645cm3エンジンの基本は変わらないが、スズキ二輪車で初めてピストンのスカート部に錫メッキと樹脂コートを施すことで、シリンダーとピストンのフリクションを低減させたほか、発進時や低回転走行時に、エンジン回転数、ギヤポジション、スロットル開度等の情報を用いて、エンジン回転数をわずかに上げる「ローRPMアシスト」を採用し、発進・停車を繰り返す市街地走行等での操作性を向上させるなど、使い勝手の充実を中心にモデルチェンジが行なわれている。
また、最近の乗用車のように、スタータースイッチを押し続けることなくワンプッシュするだけで、ECMがスターターモーターをコントロールしてエンジンを始動させてくれる“スズキイージースタートシステム”も採用。また、ニュートラル時はクラッチレバーを握らなくても始動可能なシステムの導入など、先進の技術を積極的に取り入れるマシン開発が行われてきている。ちなみにエンジンの基本スペックは、2011年7月に新型となったV-Strom 650 ABSと共通するもので、6速ミッションのギア比等も同一となっている(マシンの性格上ファイナルは異なる)。
今回“ネオレトロ・スタイル”のバリエーションモデル、SV650X ABSの新発売と合わせて、本体のSV650 ABSの方もカラーリングの変更、ブラックカラーのハンドルバーの採用、そしてタイヤの銘柄をDUNLOP ROAD SMART IIIへ変更している。
★SUZUKI ニュースリリースより (2018年1月23日)
650cc Vツインエンジンの
ロードスポーツバイクSV650 ABSの仕様を一部変更して発売
スズキ株式会社は、650cc V型2気筒(Vツイン)エンジンを搭載したスリムで軽量なロードスポーツバイク「SV650 ABS」の仕様を一部変更して1月26日より発売する。
- ●主な変更点
- ・カラーリング変更
- ・ハンドルレバー色の変更→黒
- ・タイヤ銘柄変更 DUNLOP ROAD SMART Ⅲ
- ●「SV650 ABS」の主な特徴
- エンジン・車体
- ・水冷90°V型2気筒645cm3エンジン
- ・ピストンのスカート部にスズめっきと樹脂コートを施すことで、シリンダーとピストンのフリクションを低減。
- ・発進時や低回転走行時に、エンジン回転数、ギヤポジション、スロットル開度等の情報を用いて、エンジン回転数をわずかに上げる「ローRPMアシスト」を採用し、発進・停車を繰り返す市街地走行などでの操作性を向上。
- ・平成28年国内新排出ガス基準に対応。
- ・スリムで軽量な車体により、街乗りからツーリングまで幅広い走行条件において、軽快で優れたハンドリング性能を実現。
- 装備
- ・スタータースイッチを押し続けずにワンプッシュするだけで、ECMがスターターモーターを回転させてエンジンが始動する「スズキイージースタートシステム」を採用。また、ニュートラル時はクラッチレバーを握らなくても始動可能とした。
- ・前・後輪に取り付けられたホイールスピードセンサーにより各車輪速度を検知し、ブレーキの効きを自動的にコントロールして車輪のロックを一定範囲内で防ぐABS※を標準装備。
- ※ABSは制動距離を短くするためのシステムではありません。また、コーナリング中のブレーキングによる車輪の横滑りはコントロールすることができません。ABSを過信せずに安全運転を心がけてください。
- デザイン
- ・“スリム&シンプル”をコンセプトにデザインされたスタイリングは、すっきりとしたボディラインを実現。幅広いユーザーに受け入れられる、飽きのこないデザインとした。
- 商品名
- SV650 ABS(SV650AL8)
- メーカー希望小売価格
- 738,720円(消費税抜き 684,000円)
- ※価格(リサイクル費用を含む)には、保険料、税金(消費税を除く)、登録等に伴う費用は含まれない。
- 発売日
- 2018年1月26日
- 車体色3色
- トリトンブルーメタリック/パールグレッシャーホワイト(AGQ)
グラススパークルブラック (YVB)
マットブラックメタリックNo.2 (YKV)
★主要諸元
車名型式 | 2BL-VP55B | |
---|---|---|
SV650 ABS(SV650AL8) | ||
発売日 | 2018年1月26日 | |
全長×全幅×全高(m) | 2.140×0.760×1.090 | |
軸距(m) | 1.450 | |
最低地上高(m) | 0.135 | |
シート高(m) | 0.785 | |
車両重量(kg) | 197 | |
乾燥重量(kg) | – | |
乗車定員(人) | 2 | |
燃費消費率(km/L)※1 | 37.5(国交省届出値 定地燃費値 60km/h 2名乗車時)※2 | |
26.6(WMTCモード値 クラス3 サブクラス3-2 1名乗車時)※3 | ||
登坂能力(tanθ) | – | |
最小回転半径(m) | 3.0 | |
エンジン型式 | P511 | |
水冷4ストローク90度V型2気筒DOHC4バルブ | ||
総排気量(cm3) | 645 | |
内径×行程(mm) | 81.0×62.6 | |
圧縮比 | 11.2 | |
最高出力(kW[PS]/rpm)※4 | 56[76.1]/8,500 | |
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) | 64[6.5]/8,100 | |
燃料供給装置形式 | フューエルインジェクション | |
始動方式 | セルフ式 | |
点火方式 | フルトランジスタ式 | |
潤滑油方式 | ウエットサンプ式 | |
潤滑油容量(L) | 3.0 | |
燃料タンク容量(L) | 14 | |
クラッチ形式 | 湿式多板コイルスプリング | |
変速機形式 | 常時噛合式6段リターン | |
変速比 | 1速 | 2.461 |
2速 | 1.777 | |
3速 | 1.380 | |
4速 | 1.125 | |
5速 | 0.961 | |
6速 | 0.851 | |
減速比1次/2次 | 2.088/3.066 | |
キャスター(度) | 25° | |
トレール(mm) | 106 | |
タイヤサイズ | 前 | 120/70ZR17M/C 58W |
後 | 160/60ZR17M/C 69W | |
ブレーキ形式 | 前 | 油圧式ダブルディスク(ABS) |
後 | 油圧式シングルディスク(ABS) | |
懸架方式 | 前 | テレスコピック式 |
後 | スイングアーム式 | |
フレーム形式 | ダイヤモンドタイプ |
※1:燃料消費率は、定められた試験条件のもとでの値です。使用環境(気象、渋滞等)や運転方法、車両状態(装備、仕様)や整備状態などの諸条件により異なります。
※2:定地燃費値は、車速一定で走行した実測にもとづいた燃料消費率です。
※3:WMTCモード値は、発進、加速、停止などを含んだ国際基準となっている走行モードで測定された排出ガス試験結果にもとづいた計算値です。走行モードのクラスは排気量と最高速度によって分類されます。
※4:エンジン出力表示は「PS/rpm」から「kW/rpm」へ、トルク表示は、「kgf・m/rpm」から「N・m/rpm」へ切り替わりました。〈 〉内は、旧単位での参考値です。
■この仕様は改良のため予告なく変更する場合があります。