2018年1月24日

MBHCC C5 大神 龍 HERO`S Meeting Report オオカミ男の独り言

第56回 海外編第3章 Foreign landscape

 
高度が下がっていくのが体感的にわかる。
完全に寝不足であるはずなのに持ち合わせた野生の感覚は研ぎ澄まされたように覚醒している。ドバイはもう目の前だ。
ほどなくして機体は着陸の態勢にはいった。
目の前のモニター映像を機外に設置されたカメラに切り替え外の様子を伺う。
外はまだ暗い。モニター越しに滑走路の誘導灯が近づいてくる。
そして軽い衝撃とともに着陸。オレを乗せたジャンボ機は無事ドバイの地に降り立った。

アラブ首長国連邦の首都、ドバイ。
ドバイと言えば金持ちのリゾート地、エアコンなしでは生活できない街、そして……
高須クリニック。いや、最後のはどうでもいい。忘れてくれ。
昼間の気温は軽く40度を超える灼熱の地であるが空港内は適温に保たれていて快適そのものである。飛行機を降りるとさっそく手荷物の検査が行われた。成田で一度、経験済みだ。なんの問題もない。
そう思っていた矢先、金属探知のゲートに入ったとたんアラームが鳴り響いた。
屈強な体格をした係員がこっちへ来いと手招きをする。
決してやましい事があるわけではないので堂々としていればいいのだがやはり
怖い。
体の隅々まで調べられた結果、ジーパンに付属している金具が原因だったようだ。
成田ではすんなり通過したというのに……海外のそれは感度が高いのだろうか。
手荷物検査を通過し空港ターミナルに入るとそこは人種のるつぼだった。
早朝にもかかわらず世界中から集まった人たちで賑わっている。さすがドバイ。
マンチェスター行きの搭乗は4時間後。それまでこの空港内で過ごすことになる。
ひとまずはタバコが吸いたい。喫煙できる場所を探して空港内を歩いた。
高級ブランドを取り扱う免税店が立ち並んでいる。タバコを専門に扱っている店もある。しかも日本で買うよりも安い。
おっと、忘れてはいけない。オレの腕時計は日本時間のままだ。このままウッカリ搭乗時間を間違えたりしてはシャレにならない。時刻を合わせるために空港内に設置してある時計に目をやる。んっ!?……おおっ!!さすがというか、やはりというか。
空港内に設置してある時計はすべてROLEX。スバラシイ!

ドバイ空港

搭乗ゲート近くで喫煙場所を見つけた。ドバイ空港では分煙されてはいるが隅っこの方にこじんまりと喫煙ルームを設置したりはしていない。フロアの中央に一店舗分ほどのスペースを使っている。しかもスモーキングエリアなどという呼び方をしていない。表示はスモーキングラウンジである。物質的ゆとりは寛大さに直結しているといういい見本と言えよう。

ドバイ空港

一服を終えたオレはせっかくなので免税店を見て回る事にした。まだまだ時間はある。
まず目についたサングラスを扱っている店に入った。膨大な数の高級ブランドの商品が陳列されている。オレはお気に入りのレイバンのコーナーの前に立ちそのラインナップを眺めていた。すると上品ないでたちの女性店員が近づいてきて
「Do you like Ray/Ban?」と。
さすがにこれくらいはオレでもわかる。オレは知っている単語を総動員させ
「Yes. May I see it a little? 」と返した。
あっていたかどうかはわからないが通じたようだ。
その直後、彼女はオレに「Did you come from Thailand?」と。
これもモロにわかる。覚悟はしていたがやはりオレは日本人には見えなかったようだ。
おそらく家を出る前の数日間の山仕事で日焼けしていたせいだろう。うん、そうに違いない。
空港内は目にするものすべてがオレには新しく新鮮だ。時間などあっという間に過ぎていく。気が付けば搭乗手続きをする時間が迫っていた。ふと外を見ると朝日が昇っている。
初めて見る異国での朝の陽の光。ドバイの朝日である。
そしていよいよ搭乗の時間となった。次に着くのはマンチェスター空港。いよいよイギリスだ。

ドバイ空港


HERO‘S 大神 龍
年齢不詳・職業フリーライター

見た目と異なり性格は温厚で性質はその名の通りオオカミ気質。群れるのは嫌いだが集うのが大好きなバイク乗り。時折、かかってこい!と人を挑発するも本当にかかってこられたら非常に困るといった矛盾した一面を持つ。おまけに自分の評価は自分がするものではないなどとえらそうな事を言いながら他人からの評価にまったく興味を示さないひねくれ者。愛車はエイプ100、エイプ250、エイプ750?。


[第55回][第56回][第57回]
[オオカミ男の一人ごとバックナンバー目次へ](※PC版に移動します)
[バックナンバー目次へ](※PC版に移動します)