2017年12月5日
Honda Super Cub 試乗 『生誕60周年目前の新型は、 丸目のデザインだけじゃなく 中身はもっと優しくなりました!』
■試乗:ピンキー高橋 ■撮影:依田 麗
■問合せ:ホンダモーターサイクルジャパン http://www.honda.co.jp/motor/
原付二種(G2)の理想郷を目指す“G2連邦”のピンキー高橋です。スーパーカブは私のようなモノが感想を述べるなんて恐れ多いほど長い長い歴史をもつ重みのある乗り物でありますが、世界の人々を幸せにする、我々に身近な乗り物でもあります。そんなスーパーカブが新型となり、再びメイド・イン・ジャパンとなりました。横浜で開催された報道向け試乗会でひとっ走りしてきたのでご報告を。
真面目に正常進化を果たした新型は、とても洗練された印象
累計生産台数1億台達成、来年の2018年には生誕60周年を迎える日本の、そして世界の“巨人”スーパーカブ・シリーズ。個人的ハナシで恐縮ですが、高校生の時に初めて運転(C65)した時に自動遠心クラッチの操作方法を初めて体験したり、“ハンターカブ”ことCT110は所有してからちょうど20年になるなど、人生の中で何かと関わりを持ってきたバイクであります。中でも2009年(JA07)と2012年(JA10)に登場した110や、2013年のクロスカブ(前編・後編)といった、骨格が一新された新世代モデルではいろいろなところを走らさせていただいております。そして1億台達成&60周年という節目に登場した新型スーパーカブが満を持して的に登場! 港町・横浜で110(JA44)をメインに試乗してきました。
丸型ヘッドランプが復活したり、独立したリアフェンダーやサイドカバーなど日本で馴染み深いスタイルを纏った新型スーパーカブですが、まずは110に試乗。カブを運転するのは半年ぶりくらいですかね、でも、久々とは思えないシックリ感や安心感。不思議な乗り物です。
そんな感覚とは別に、乗り味に対しては以前に乗ったモデルの記憶が薄れつつあったのですが、まずはミッションの進化を感じ取ることができました。明らかにシフトチェンジの“カチャカチャ感”が減ったように感じたし、シフトショックも滑らかに。さらに、私が一番驚いたのは停止時のギアチェンジがしやすくなったこと。今までのモデルは停止してからギアチェンジし難い(車体を前後に動かしたり、スロットルをチョイ開けするなどコツが必要)ことがありましたが、新型は停止時でもスパスパとギアチェンジが決まります。この進化には感銘を受けました。また、2段クラッチを採用してから相当シフトショックが軽減しているのですが、新型はさらにショックが減ったような感じ。シフトアップ、シフトダウンもとてもスムーズです。
新たに施行された排出ガス規制をクリアしたエンジンは耐久性をさらに向上させるための改良が施されています。走らせた印象はスロットルオン/オフ時のギクシャク感(ピッチング)が薄れたような感じで、全体的にカドが取れたようなスムーズな印象。これまでのスーパーカブオーナーからすると“ダイレクト感”が薄れ、ちょっと物足りないように感じるかもしれないくらい全体に洗練された印象です。
乗りやすいエンジン特性にも力を入れたようで、高いギアの守備範囲が広がっています。実際、住宅街などの移動では3速ホールドのノーギアチェンジで走ることもできるでしょう(平坦路に限る)。一人乗り、空荷なら余裕で2速発進可能です。もちろん、エンジンは上までも回りますが、頭打ち感は意図的に自然なフィーリングで消しているように感じました。セッティングの妙ですね。
荒れた路面でも突き上げるような不快な乗り心地ではなく、進路を乱されることなく安定感も高い。これは60年前の初代モデルから採用している17インチのタイヤによるところも大きいですが、フレームが一新された初代110で飛躍的に向上したスタビリティが、代を増すごとに進化しているのもわかります。
続いて、最近あまり接する機会のない50(AA09)にも乗ってみました。実際、日本で走っているスーパーカブのほとんどがこの50です。110に対し排気量が半分以下だけにこれは仕方のないことですが、周りの交通との調和を図るには、試乗会場となった横浜みなとみらい周辺でも加速には発進からスロットル全開が要求されます。でも、110より振動が少なく、エンジンではなくモーターで走っているのでは? と思うくらいスムーズなエンジンフィーリングにはちょっと驚きました。50に乗った後に再び110に乗るとものすごくパワフルで荒々しいと感じるほど。でも110自体も単体で乗ると振動少なく、とても洗練されているんでけどね。110同様、ミッションもやはりカチャカチャ感が薄れていました。
短い試乗時間内でしたが、新型スーパーカブは洗練された印象が一番残りました。デザインはこれまで日本で親しまれてきたスタイルに戻りましたが、走りは逆戻りというワケにはいかない。やはり開発者たるもの突き詰めるところは扱いやすさであって、新型は真面目に正常進化を果たしたという印象でした。
今まで散々運転してきたスーパーカブですが、進化を果たしてきているとは言え、私個人的には毎日の足にするには同クラスのスクーターの方がいいかなぁと思ってきました。ただ、今回の新型スーパーカブの乗りやすさ、完成度の高さは毎日の足として手元に置いておきたいと思ったほど。とても魅力的に仕上がった1台です。
試乗会の後、改めてスーパーカブ110をお借りして、180kmほど走らさせていただいたのですが、経済走行を意識することなく運転した燃費はリッターあたり約55km(満タン法計測)でした。まだ600kmほどしか走ってない個体でしたが、ホンダ・エンジンの常で1万、2万、3万kmと走りこむにつれて燃費もフィーリングも向上していくのではないでしょうか? ご参考までに。
憧れのプロフェッショナル仕様を乗りこなすまでの楽しみ
新型スーパーカブ試乗会の後日、プロ110(JA42)とプロ50(AA07)にも試乗させていただきました。その前に型式に注目。プロ・シリーズの方が順番的に兄貴になるんですね。街を走っているのを目撃した方もいらっしゃると思いますが、すでに郵政仕様(110MD。JA43)の方が先に公道デビューを果たしたようで、その関係でプロ系モデルの方が先に型番が与えられたんですかね?
プロに乗るのは先々代の110(JA07)以来、8年振りです。先代プロ(JA10/AA04)からフロントの大型バスケットがフレームマウントとなり、ハンドルの取り回しが軽くなるなどの進化を果たしていました。で、新型プロは17インチタイヤを履くスーパーカブ同様に洗練されたフィーリング。サスペンションもよく動き、小径14インチタイヤでも高速域の安定感高く、17インチモデルと遜色ない走りを見せてくれます。
ネーミングからも分かる通り、配達のプロフェッショナルに向けた仕様のため、右ウインカースイッチやセンタースタンド掛けなどに違和感あるところも。まぁ、そのあたりを克服する達成感みたいなものがアマがプロ仕様を乗りこなすまでの楽しみかもしれません。
1億台&60周年記念・ホンダ純正ギア「スーパーカブTシャツ」をプレゼント!
老弱男女、バイクのことを詳しくない人でも知っているほど我々の生活に密着している乗り物、ホンダのスーパーカブ。1958年8月に初代「C100」の量産を大和工場(旧埼玉製作所和光工場)にて開始以来、2017年10月に世界生産累計1億台を達成! さらに来年は生誕60周年ということで、そんな”お目出度”続きを記念したTシャツ(サイズL)を1名にプレゼント!
ご希望の方は読者登録(http://www.m-bike.sakura.ne.jp/?page_id=3875)の上、
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