2017年11月24日
Honda CB1000R/CB250R/CB125R レポート 『伝統の名前と、新しいスタイル。 新生CBシリーズを検証する。』
■レポート:松井 勉 ■写真:徳永 茂、ホンダモーターサイクルジャパン
EICMA 2017。二輪界でも最大級としてお馴染み、ミラノショーで11月7日に発表されたばかりのニューカマーが鈴鹿サーキットでメディアに公開された。詳細は未発表ながら、2018年春には国内でもその姿を見られることになりそうだ。1000、250、そして125。まずは細部まで見てみようではないか。
3台が無作為に置かれたグランドスタンド裏の巨大なスペース。黒とシルバーに塗り分けられた印象的なスタイルは新しい。塊感のある燃料タンクまわりの力強さ。リアエンドを短く切り上げ、突き出すように見せたことで全体により力強い印象を醸す。
フロントサスペンションも倒立フォークを使う。フォーク個体の機能云々よりも、ボリューム感のあるアフターチューブが全体の塊感に呼応し、このバイクが持っている塊感に加担させたのが伝わってくる。そしてフロントマスクの造形だ。丸ライト。それは70年代のバイクのような世界観をもたらしながらも、全体はフォークの間に沈み込むようなスキのない収まりを見せる。
これまでの価値観で言えば、今回の3台はCB1000Rをトップに階級制度のようなニオイが漂うのが普通だった。しかしそれがない。おのおのそのバイクに、それぞれにしかない特徴的なデザインを持ち、独自性をもっている。それでいて同種の肉食獣が一つの「群れ」を形成している事も伝わってくる。
個別に見てゆこう。例えば1000Rのタンクなど、CB1100RSのそれに似たラインがサイドビューにあることに気が付く。全体のボリュームはこのバイクにフィットするようになっているし、跨がって見ると、タンク上部のボリュームや、シートとの間にあるシルバーの帯(ペイントの塗り分けだ)により、質量感ではなく痩躯で引き締まった車体だと伝えてくる。表示の新鮮さを持つメーターの演出もあり、まるで空冷CBとは因果関係はないのだ。が、そのヘッドライトの造形も含め、新しく未来的なスタイルに含まれるCBの、50年以上におよぶCBのDNAは隠しようがなく、一族であることを伝えてくる。
この四半世紀、このカテゴリーをストリートファイターなどと呼ぶ。確かにハイグリップなラジアルタイヤ、片持ちスイングアームはもちろん、CBR1000RRから引き継いだパワーユニットなど、そう呼びたくなる。しかし、細部まで拘ったケースカバーやシリンダーヘッドの造形を含め、しっかりと新しいCBを語りかけるキャラクターを備えているのだ。
CB1000R
CB250R
CB125R
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