2017年10月20日
世界生産累計1億台突破のスーパーカブシリーズがフルモデルチェンジ
1958年に初代モデルを発売して以来、低燃費や静粛性、信頼性、耐久性に優れた“生活バイク”として全世界で需要を創造、2017年10月には驚異の世界生産台数1億台を達成したスーパーカブ。
“低床バックボーン”タイプのフレーム、クラッチレバー操作を省いた自動遠心式クラッチの採用と“スーパーカブスタイル”で、幅広いユーザーに愛用されるロングセラーとなり、2006年12月末の統計で、シリーズとしての世界生産累計が5,000万台突破の5,300万台を記録。2007年には13ヵ国で生産され(’08年には15ヵ国)、延べ160ヵ国以上で販売されるにまでになった。
2008年4月末には6,000万台を達成。また2008年8月には発売50周年を迎え、記念モデルも登場している。輸出は1959年に米国向けからスタート。海外生産は1961年に台湾でのノックダウン生産を開始し、以後「需要のあるところで生産する」という基本理念に基づいて世界各地で現地生産を行っている。
2007年9月のモデルチェンジでは伝統的なオリジナル“カブスタイル”の一区切りとなった。プレスカブ50とともに環境性能を高めるモデルチェンジが行われ、このモデルから電子制御燃料噴射システム、PGM-FIを新たに搭載。同時にキャタライザーをエキゾーストパイプ内に装備することで、平成18年国内二輪車排出ガス規制に適合させている。
次のビッグチェンジは、2012年5月で、スーパーカブ50がフルモデルチェンジ。一足早く、スーパーカブ110は、3月に全く新しいデザインのボディに、高い環境性能と経済性を両立したエンジン、2段クラッチシステムを採用した新型4速ミッションなどを組み合わせて搭載。まさに新時代のスーパーカブと呼ぶにふさわしい姿へと変身していた。
開発コンセプトも110と同様“ニューベーシックカブ”。装備を充実させながら、さらに使い勝手を高めるモデルチェンジを行ったと発表されていた。そしてもう一つの注目ポイントが、中国で生産することにより価格面でも約4~5万円安のロープライスを実現したことだろう(50、110ともに中国生産)。
そして今回、記念すべき生産累計1億台突破に合わせてスーパーカブシリーズ(スーパーカブ50、スーパーカブ110、スーパーカブ50 プロ、スーパーカブ110 プロ)がフルモデルチェンジ受けた。
最大の特徴はボディーデザイン。オリジナルの“カブスタイル”への回帰といえそうな滑らかな曲面で構成されたボディーラインは、見紛うことなくかつての“カブスタイル”だ。ただし、デザインでは懐かしいカブのDNAを前面に打ち出しながらも、その中身には最新のメカニズムを盛り込んでいる。
2段式キャタライザーを採用した新型のエキゾーストマフラーの採用などにより、平成28年国内排出ガス規制に対応。低フリクション技術の導入、オイル周りの見直しなどにより耐久性も向上。ボディー面でもただの復古調なわけではなく、ボディ両サイドには取り外し可能なサイドカバーを新設。右側はECUなどの電装部品へのアクセスを容易にし、左サイドカバー内は小物の収納スペースとしている。「進化するメカニズムと守り抜くアイデンティティ」それが新型スーパーカブだ。
ちなみに生産は、このモデルから国内の熊本製作所に移管されるという。スーパーカブのオリジナルスタイルにこだわるのは国内のユーザーがほとんど。まさに「需要のあるところで生産する」ということだ。
★HONDA プレスリリースより (2017年9月19日)
ロングセラーモデル「スーパーカブ50」「スーパーカブ110」と
「スーパーカブ50 プロ」「スーパーカブ110 プロ」をモデルチェンジし発売
Hondaは、ビジネスやパーソナルユースなど、幅広い用途で多くのお客様から支持をいただいている「スーパーカブ50」「スーパーカブ110」と、積載性に優れた大型のフロントバスケットとリアキャリアを標準装備したビジネスモデル「スーパーカブ50 プロ」「スーパーカブ110 プロ」をモデルチェンジし、生産拠点を中国から日本の熊本製作所に移管して11月10日(金)に発売します。
「スーパーカブ50」「スーパーカブ110」は、レッグシールドからリアフェンダーにつながる滑らかな曲面で構成された外観デザインに一新。また、ボディー両サイドに使い勝手をより高める取り外し可能なサイドカバーを採用したほか、省エネルギーで長寿命なLEDを丸形のヘッドライトに組み込むことで、コンパクトなハンドルまわりを実現するなど、伝統的なスタイリングに先進性も兼ね備えた新世代スーパーカブとしてのアイデンティティーを表現しています。
「スーパーカブ50 プロ」「スーパーカブ110 プロ」は新聞配達や宅配用途で求められる取り回しの良さと優れた積載性を備えたビジネスモデルとして、「スーパーカブ50」「スーパーカブ110」をベースに開発。小径14インチタイヤの採用や、大型のフロントバスケットおよびリアキャリアを標準装備するなど、配送業務をはじめとした、さまざまな使用状況に応じたモデルとしています。
スーパーカブシリーズは、1958年8月に初代モデル「スーパーカブC100」を発売して以来、低燃費や静粛性、信頼・耐久性に優れた4ストロークエンジンを搭載し、乗り降りしやすい低床バックボーンタイプのフレームや、クラッチ操作を省いた自動遠心式クラッチの採用などで、幅広い層のお客様に愛用されているロングセラーモデルです。
- ●販売計画台数
- (国内・年間) シリーズ合計 20,200台
- ●メーカー希望小売価格
- スーパーカブ50 232,200円(消費税抜き本体価格 215,000円)
- スーパーカブ100 253,800円(消費税抜き本体価格 235,000円)
- スーパーカブ50 プロ 275,800円(消費税抜き本体価格 255,000円)
- スーパーカブ100 プロ 297,000円(消費税抜き本体価格 275,000円)
- ※価格(リサイクル費用を含む)には保険料・税金(消費税を除く)・登録などに伴う諸費用は含まれておりません
=スーパーカブ50/スーパーカブ110 の主な特徴=
- ●エンジン
- ・低フリクション技術を随所に採用した高効率の空冷・4ストローク・単気筒エンジンを搭載
- ・さらなるタフネス性と低フリクションを追求したピストンおよびシリンダーの採用
- ・新たに交換式オイルフィルターを追加したほか、ドレンボルト部にスクリーンフィルターを配置。オイルレベルゲージは挿入ガイド部を設けた形状に変更するなど、オイル交換時の優れたメンテナンス性を実現
- ・シフトドラムの回転軸をニードルベアリングで⽀持することで、より滑らかで軽く、節度のある変速フィーリングを実現
- ・2段キャタライザー式エキゾーストマフラーの採用などにより、平成28年排出ガス規制に対応
- ●スタイリング
- ・レッグシールドからリアフェンダーにつながる滑らかな曲面で構成したボディーライン
- ・ボディー両サイドに取り外し可能なサイドカバーを採用。右サイドカバー内側のボディーにECUなどの電装系部品を配置しメンテナンスのしやすさに配慮。左サイドカバー内側はメンテナンスノートなどを収めるスペースとすることで、使い勝⼿をより高めている
- ・丸形のヘッドライトには省エネルギーで長寿命なLEDを採用。アンバー色のウインカーレンズと相まって、すっきりとしたスーパーカブの伝統的なフロントデザインを実現
- ・メーターパネルは文字盤の見やすさを考慮したデザインとし、LEDインジケーターランプを採用するなど、コンパクトなデザインとしながら優れた視認性を実現
- ・被視認性に配慮した、丸みのある縦長タイプのテールランプを採用
- ●その他
- ・シートのウレタン素材と底板形状を最適化し、優れた座り心地と足つき性の良さを実現
- ・スーパーカブ110 では、ドライブチェーンをサイズアップし、さらなる耐久性と⻑寿命化に配慮
- ・スーパーカブ50の車体色は、パールシャイニングイエロー、バージンベージュ、ムーンストーンシルバーメタリック-U、タスマニアグリーンメタリック、アーベインデニムブルーメタリックの5色設定。スーパーカブ110 の車体色は、グリントウェーブブルーメタリック、クラシカルホワイト、バージンベージュ、タスマニアグリーンメタリック、アーベインデニムブルーメタリックの5色設定。ビジネスからパーソナルユースまで幅広い用途でお客様の好みに応じるカラーバリエーションとしています
- =スーパーカブ50 プロ/スーパーカブ110 プロの主な特徴=
- ・優れた取り回しに寄与する小径14インチタイヤの採用と、積載性に優れた大型のフロントバスケットおよびリアキャリアを装備
- ・駐車時に便利なフロントブレーキのロック機構と、積載時の安定感に寄与する強化サイドスタンドを装備
- ・エンジン停止時でも、キーをオンすることで使用可能なポジションランプを採用
- ・省エネルギーで長寿命なLEDヘッドライトを採用
- ・スーパーカブ110 プロでは、ドライブチェーンをサイズアップし、さらなる耐久性と長寿命化に配慮
- ・車体色は、ビジネスシーンに適した落ち着きのあるセイシェルナイトブルーの1色設定
★主要諸元
車名型式 | 2BH-AA09〈2BJ-JA44〉 | |
---|---|---|
スーパーカブ50〈スーパーカブ110〉 | ||
発売日 | 2017年11月10日 | |
全長×全幅×全高(m) | 1.860×0.695×1.040 | |
軸距(m) | 1.210〈1.205〉 | |
最低地上高(m)★ | 0.135 | |
シート高(m)★ | 0.735 | |
車両重量(kg) | 96〈99〉 | |
乗車定員(人) | 1 | |
燃費消費率(km/L)※1 | 105.0〈62.0〉(国交省届出値 定地燃費値 30km/h〈60km/h〉 1名〈2名〉乗車時)※2 | |
69.4〈67.0〉(WMTCモード値 クラス1 1名乗車時)※3★ | ||
登坂能力(tanθ) | – | |
最小回転半径(m) | 1.9 | |
エンジン型式 | AA04E〈JA10E〉 | |
空冷4ストローク単気筒SOHC2バルブ | ||
総排気量(cm3) | 49〈109〉 | |
内径×行程(mm) | 37.8×44.0〈50.0×55.6〉 | |
圧縮比★ | 10.0〈9.0〉 | |
最高出力(kW[PS]/rpm) | 2.7[3.7]/7,500〈5.9[8.0]/7,500〉 | |
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) | 3.8[0.39]/5,500〈8.5[0.87]/5,500〉 | |
燃料供給装置形式 | 電子式(電子制御燃料噴射装置(PGM-FI)) | |
始動方式★ | セルフ式(キック式併設) | |
点火方式★ | フルトランジスタ式バッテリー点火 | |
潤滑方式★ | 圧送飛沫併用式 | |
潤滑油容量(L) | – | |
燃料タンク容量(L) | 4.3 | |
クラッチ形式★ | 湿式多板ダイヤフラムスプリング式 | |
変速機形式 | 常時噛合式4段リターン※4 | |
変速比 | 1速 | 3.181〈2.615〉 |
2速 | 1.705〈1.555〉 | |
3速 | 1.190〈1.136〉 | |
4速 | 0.916 | |
減速比1次★/2次 | 4.058/3.538〈2.500〉 | |
キャスター(度)★ | 26°30′ | |
トレール(mm)★ | 72〈73〉 | |
タイヤサイズ | 前 | 60/100-17M/C 33P〈70/90-17M/C 38P〉 |
後 | 60/100-17M/C 33P〈80/90-17M/C 44P〉 | |
ブレーキ形式 | 前 | 機械式リーディングトレーリング |
後 | 機械式リーディングトレーリング | |
懸架方式 | 前 | テレスコピック式 |
後 | スイングアーム式 | |
フレーム形式 | バックボーン式 |
〈 〉内はスーパーカブ110のデータです
■道路運送車両法による型式認定申請書数値(★の項目はHonda公表諸元)
■製造事業者/本田技研工業株式会社
※1 燃料消費率は定められた試験条件のもとでの値です。使用環境(気象、渋滞など)や運転方法、車両状態(装備、仕様)や整備状態などの諸条件により異なります
※2 定地燃費値は、車速一定で走行した実測にもとづいた燃料消費率です
※3 WMTCモード値は、発進、加速、停⽌などを含んだ国際基準となっている走行モードで測定された排出ガス試験結果にもとづいた計算値です。走行モードのクラスは排気量と最高速度によって分類されます
※4 走行中はリターン式で、停車時のみロータリー式になるチェンジ機構です