2017年7月12日
フルモデルチェンジした“スーパースポーツ”GSX-R1000の国内仕様を発売
GSX-R1000R ABS 2,041,200円(7月28日発売)
2001年にGSX-R750の排気量アップモデルとしてGSX-R1000、「K1」が誕生する。750のシリンダーヘッドなどを流用すべく、ボアを抑えてストロークを延ばすことでリッターバイクとしたため、スーパースポーツとしては異例のロングストロークエンジンとなった。ただ、これが功を奏してライダーにやさしい、扱いやすい出力特性を発揮。レースシーンでも活躍の要因の一つとなった。翌年カラー&グラフィックの変更のみで「K2」が登場。2003年、フレーム、エンジン共に熟成のフルモデルチェンジを受け「K3」に。ECUが32ビット化され、出力は1PSアップの164.5PSに。車両重量が2kg減。翌年カラー&グラフィックの変更で「K4」に。
2005年、フルモデルチェンジで「K5」へ。ボアを73mmから0.4mm広げて排気量は998.6ccに。パワーは178PS、バックトルクリミッターも採用。車両重量はマイナス2kgの166kgに。翌年カラー&グラフィックの変更のみで「K6」に。
3回目のフルモデルチェンジは2007年で「K7」に。それまでの右1本出しマフラーから左右出しマフラーに変更。これはより厳しくなったEUの排出ガス規制に準拠させるためと説明された。出力は185PSへとアップ。重量は172kgに増加。翌年カラー&グラフィックの変更のみで「K8」をリリース。
2009年、フルモデルチェンジ。「K9」に発展したモデルでは、フロントサスにビッグピストンフロントフォーク(BPF)、ブレーキにトキコ製モノブロックキャリパーなどが採用された。重量は205kgまで増加。翌年の2010年モデルは、シリーズの世代表記が「L」に代わり「L0」に。カラー&グラフィックの変更のみ。この年、1000台限定のアニバーサリーモデルも発売されている。翌2011年もカラー&グラフィックの変更のみで「L1」に。
2012年、ピストンやバルブ、カム等を改良した「L2」が登場。右1本出しマフラーに戻る。203kgと軽量化。ブレンボ製モノブロックキャリパーや耐熱ステンレスブレーキディスク、前後ホイールの軽量化などが行われた。そしてこのモデルがカラー&グラフィックの変更のみで2016年の「L6」まで発売されることになる。
そして2017年、久々のフルモデルチェンジを受けて「L7」に発展。このモデルから国内仕様が発売されることになった。
★SUZUKI ニュースリリースより (2017年7月12日)
スズキを代表するスーパースポーツバイク
新型「GSX-R1000R ABS」の日本仕様を発売
スズキ株式会社は、スズキを代表するスーパースポーツバイク新型「GSX-R1000R ABS」の日本仕様を7月28日より発売する。
新型「GSX-R1000R ABS」は、「No.1スポーツバイク」をコンセプトに、GSX-Rシリーズの特長である、エンジンと車体が調和した「走る・曲がる・止まる」の基本設計を徹底的に見直し、MotoGPで培った技術を採用することでさらに進化させ、高次元でバランスさせた。このたび8年ぶりに全面改良した6代目「GSX-R1000」は、初めて日本仕様を設定した、GSX-R史上最もパワフルで、最も環境性能に優れたモデルである。
新開発999cm3エンジンは、MotoGPで開発した技術を取り入れた新機構「ブロードパワーシステム」を採用し、低中速域のパフォーマンスを損なうことなく最高出力を向上させながら、スムーズな出力の伝達と全回転域での強力な加速性能を実現した。車体は空力性能を高め、フレームの軽量化と強度の最適化を図り、エンジンの搭載角度を変更することで、コーナリング性能と操縦性を高めた。レースで開発されたショーワ社製の高性能な前後サスペンションにより高い接地性と吸収性を実現し、フロントブレーキにはブレンボ社製のキャリパーとディスクを装備した。
また、ライダーをサポートする高度な電子制御として、制動時の姿勢を安定させる「モーショントラック・ブレーキシステム」や、エンジン出力を制御し10段階から選択できる「モーショントラック・トラクションコントロール」などの装備に加え、スムーズな変速を支援するクイックシフトシステムを採用した。さらに、サーキット走行でのアシスト機能として、理想的なスタートの加速を支援するローンチコントロールシステムも採用している。
新型「GSX-R1000R ABS」日本仕様の特長として、欧州仕様と同程度の最高出力・最大トルクを実現し、国内専用装備としてETC車載器を標準装備した。
「GSX-R1000」は、レース活動で培った最新技術をフィードバックした軽量・高出力な高性能スポーツバイクGSX-Rシリーズの最上位モデルとして2001年より欧州、北米等で販売を開始した。輸出専用車として、これまでに全世界で累計20万台以上を販売し、「GSX-R1000」をベースとしたレース車両は、世界耐久選手権で11回のタイトルを含め、スーパーバイク世界選手権、鈴鹿8時間耐久レース、全日本ロードレース選手権など数々のレースで栄光を勝ち取ってきた。
- ●新型「GSX-R1000R ABS」の主な特長
- エンジン
- ・新開発999cm3直列4気筒エンジンは、MotoGPで開発した技術を取り入れた新機構「ブロードパワーシステム」を採用。「ブロードパワーシステム」とは、4つの機構の総称で、高回転域での出力向上と低中速域での出力を両立する技術である。
- 1)カムスプロケットに内蔵したベアリングが高回転域に遠心力で外側に広がることでカムタイミングが可変する吸気VVT
- 2)燃焼効率、スロットルレスポンス、最高出力を向上させる、スズキ二輪車初の電子スロットル
- 3)正確なバルブコントロールとエンジンの高回転化を実現する動弁装置
- 4)エンジン回転数、スロットルポジション、ギヤポジションに基づいて排気圧を最適化することで、全回転域でトルクを向上させる、3つの排気圧調整バルブ
- 車体
- ・新開発のフレームは全幅を抑えることで空力性能を高め、メインフレーム部分で約10%の軽量化を実現しながら強度の最適化を図った。
- ・エンジンの搭載角度を変更し、前輪の中心からスイングアームの前軸までの距離を短縮することでコーナリング性能と操縦性を高めた。
- ・前面の表面積を縮小したカウリングを完全新設計し、空気抵抗を大幅に低減した。
- 装備
- ・レースで開発されたショーワ社製の高性能な前後サスペンション、BFF(バランスフリーフロントフォーク)とBFRC lite(バランスフリーリヤクッションライト)を標準装備。
- ・前輪にはブレンボ社製モノブロックラジアルマウントブレーキキャリパーを採用。制動力をより効率的に伝達できるブレンボ社製Tドライブブレーキディスクを量産車向けに改良して装備した。
- ・ABSには、IMU(Inertial Measurement Unit:慣性計測装置)により、フルブレーキ時に後輪が浮くのを抑制する「モーショントラック・ブレーキシステム」を採用。さらに、コーナリング時のブレーキングにおいても、傾斜角度を基準にフロントブレーキ圧を最適化することで、フロントタイヤのグリップ低下を抑止する機能も装備。※1
- ・10段階から選択可能な「モーショントラック・トラクションコントロール」は、ライダーの好みやライディングスキル、路面状況に応じてエンジン出力をより効率よく路面に伝達することを可能とした。※2
- ・ライダーの好みに応じて出力特性を3つの走行モードから選択できる「S-DMS(スズキドライブモードセレクター)」を搭載。
- ・クラッチやスロットルの操作をせずに、より機敏でスムーズなシフトチェンジが可能となる、レーサータイプの双方向クイックシフトシステムをスズキ二輪車で初めて採用。
- ・サーキット走行においてエンジン回転数とトルクを制御し前輪が浮くのを抑制することで、より効率的なスタートをアシストするローンチコントロールシステムをスズキの競技車両以外の市販車で初めて採用。※3
- ・発進時や低回転走行時においてエンジン回転数をわずかに上げる「ローRPMアシスト」や、スタータースイッチを押し続けずにワンプッシュするだけでエンジンが始動する「スズキイージースタートシステム」を採用。
- ・メーター内の表示で動作状況の確認が可能なETC車載器を標準装備。
- ・車体色は、青「トリトンブルーメタリック」、黒「グラススパークルブラック」の2色を設定。
- ※1 ABSは制動距離を短くするためのシステムではありません。コーナーの手前では十分に減速するなど、走行環境に合った安全運転を心がけてください。
- ※2 トラクションコントロールは、あらゆる条件下で後輪のスリップ(スピン)を完全に制御したり転倒を防止したりするものではありません。
- ※3 ローンチコントロールシステムは、クローズドコースにおいて、ライダーの操作をアシストするためのシステムです。クラッチを急激につなぐ等の適切でない操作は、事故や転倒などの原因になるおそれがあります。
- ●年間目標販売台数
- 240台
- ●メーカー希望小売価格(消費税8%込み)
- 「GSX-R1000R ABS」、2,041,200円
- ※ 価格(リサイクル費用を含む)には、保険料、税金(消費税を除く)、登録等に伴う費用は含まれない。
★主要諸元※1
車名型式 | 2BL-DM11G | |
---|---|---|
GSX-R1000R ABS | ||
発売日 | 2017年7月28日 | |
全長×全幅×全高(m) | 2.075×0.705×1.145 | |
軸距(m) | 1.420 | |
最低地上高(m) | 0.130 | |
シート高(m) | 0.825 | |
装備重量(kg)※2 | 203 | |
乾燥重量(kg) | – | |
乗車定員(人) | 2 | |
燃費消費率(km/L)※3 | 22.1(国交省届出値 定地燃費値 60km/h 2名乗車時)※4 | |
16.6(WMTCモード値 クラス3 サブクラス3-2 1名乗車時)※5 | ||
登坂能力(tanθ) | – | |
最小回転半径(m) | 3.5 | |
エンジン型式 | DTA1 | |
水冷4ストローク直列4気筒DOHC4バルブ | ||
総排気量(cm3) | 999 | |
内径×行程(mm) | 76.0×55.1 | |
圧縮比 | 13.2 | |
最高出力(kW[PS]/rpm)※6 | 145[197]/13,200 | |
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm)※6 | 117[11.9]/10,800 | |
燃料供給装置形式 | フューエルインジェクション | |
始動方式 | セルフ式 | |
点火方式 | フルトランジスタ式 | |
潤滑油方式 | ウェットサンプ式 | |
潤滑油容量(L) | 4.1 | |
燃料タンク容量(L) | 16 | |
クラッチ形式 | 湿式多板コイルスプリング | |
変速機形式 | 常時噛合式6段リターン | |
変速比 | 1速 | 2.562 |
2速 | 2.052 | |
3速 | 1.714 | |
4速 | 1.500 | |
5速 | 1.360 | |
6速 | 1.269 | |
減速比1次/2次 | 1.652/2.647 | |
キャスター(度) | 23°20′ | |
トレール(mm) | 95 | |
タイヤサイズ | 前 | 120/70ZR17M/C 58W |
後 | 190/55ZR17M/C 75W | |
ブレーキ形式 | 前 | 油圧式ダブルディスク ABS |
後 | 油圧式シングルディスク ABS | |
懸架方式 | 前 | テレスコピック式 |
後 | スイングアーム式 | |
フレーム形式 | ダイヤモンド |
※1:主要諸元は道路運送車両法による型式指定(認定)申請書の数値です。(シート高を除く)
※2:装備重量は、燃料・潤滑油・冷却水・バッテリー液を含む総重量となります。
※3:燃料消費率は、定められた試験条件のもとでの値です。使用環境(気象、渋滞等)や運転方法、車両状態(装備、仕様)や整備状態などの諸条件により異なります。
※4:定地燃費値は、車速一定で走行した実測にもとづいた燃料消費率です。
※5:WMTCモード値は、発進、加速、停止などを含んだ国際基準となっている走行モードで測定された排出ガス試験結果にもとづいた計算値です。走行モードのクラスは排気量と最高速度によって分類されます。
※6:エンジン出力表示は「PS/rpm」から「kW/rpm」へ、トルク表示は、「kgf・m/rpm」から「N・m/rpm」へ切り替わりました。( )内は、旧単位での参考値です。
■車体色はモニター表示のため、実物とは異なる場合があります。
■仕様および装備は予告なく変更する場合があります。
■掲載写真には、合成または特別に許可を得て撮影したものが含まれます。