2017年7月7日
YAMAHA アクシスZ 試乗
『上質な仕上がりと使い勝手の高さ、 ヤマハ原二スクーターの”作り”がさらに進化!』
■試乗:ピンキー高橋 ■撮影:依田 麗
■問合せ:ヤマハ発動機 お客様相談室 TEL0120-090-819
http://www.yamaha-motor.co.jp/
ご無沙汰しております。原付二種(G2)の理想郷を目指す“G2連邦”のピンキー高橋です。昨年はNMAX、BW’S 125、シグナス X SRの3モデルを一気に投入するなど、通勤からレジャーまで幅広く使える万能バイク、日本の125ccスクーター市場に活気をもたらしたヤマハさんですが、2017年も新型スクーター「アクシスZ」が投入されました。コイツでひとっ走りしてきたのでご報告を。
全体が高いレベルでバランスされており、
毎日の足として使うと良さを実感できるはず
「アクシスZ」 のネーミングからもお分かりのお通り、このモデルは現在もラインナップされていますが2009年登場「アクシス トリート」の後継車と位置づけられ、ヤマハの原二バイクのベーシックモデルとしての役割を担うことに。アクシスと言えば旧くは90、そして100のグランド アクシスといった2ストエンジン時代からの由緒あるブランド。ヤマハの中では「シグナス」と「ジョグ」の間の橋渡し的存在で、原二クラスでも親しまれているスクーターであります。
さて新型アクシスZ、数値で見るとアクシス トリートに対してそれほど外寸は変わりませんが全体的にスリムな印象で、例えば初めて原二クラスのスクーターに乗るような女性でもとっつきやすいでしょう。デザインもシャープな感じとなり、車両重量に関しては10kgも軽くなりました。現行型シグナス X SRといいヤマハは近年、軽量化技術を展開。原二クラスのマイナス10kgの効果は取り回しの面での効果は大きいと実感いたしました。当然、燃費にも効いてくるはずです。
シートに腰を下ろし、ライディングポジションをとると、身長173cmの私には大きからず、小さからずですが、どちらかと言えばコンパクトな部類と感じました。にもかかわらずシートのサイズがとてもたっぷりとしていて前後の自由度が高く、とても快適。足元の前後スペースも十分といったところでしょう。ただ、シグナスX系のように燃料の給油口をフロントカウル側に移設、タンクがステップボード下にレイアウトされたこで、ステップボードの高さはやや気になるところではあります。もっとも、燃料タンクが移設されたことで、シート下には長さも深さもそこそこあるトランクスペースが生まれたことの効果の方が気になるところを相殺するどころか、プラスに転じていると言えるでしょう。
走り出しても、想像を上回る仕上がりに驚きました。まずエンジン。空冷初となるブルーコア・ユニットはとてもスムーズ。スロットルに対し上品に回転が上がるフィール。一気に回転が上がらないので遅いように感じるかもしれませんがが、メーターを見るとしっかりとスピードは伸びている。4バルブのシグナスX系などには及びませんが十分なパフォーマンスです。そのフィーリングや音が、世界のコンパクトカー(今やかなり大きくなりましたが)のお手本と言われるフォルクスワーゲン・ゴルフの初代モデルと似てるなぁと感じたのは私だけでしょうか? ベーシックモデルながら、とても”高質”なんです。そんな感想、まるで参考にはならないと思いますが……。
で、居住スペースに効果を発揮する10インチタイヤ(インチからミリ表記に変更)を履く足周りもカドが取れたマイルドな印象であります。
アクシスZは通勤などを想定した市街地などを中心に300キロ弱走らさせていただきましたが、ブルーコアの売りのひとつである燃費のおはなし。カタログ値で125ccスクーターの中でトップの低燃費を誇っていますが、参考までに136.7km走った時の平均燃費は51.8km/L(満タン法計測)。走りこむに従い、おそらくもっと良いデータが出るのではないかと思われます。
ヤマハの原二(125cc)スクーターはシグナスX、ビーウィズ、NMAXと個性的モデルがあるだけに、アクシスZはベーシックなりのとにかく真面目な作り。これといってどこかに抜きんでた印象はないが、エンジンや足まわりなどが好印象なので、全体が高いレベルでバランスされているのでしょう。毎日の足として使うと良さが実感するはず。何か出しゃばるようなところがない。現行のシグナスX以降、ヤマハの原二クラスのスクーターの作りが変わってきていると私は実感しており、アクシスZもとても好印象なモデルでした。
(試乗:ピンキー高橋)