2017年11月7日
青春のゼロハンスポーツ図鑑
Vol.3 YAMAHAその1(空冷編)
FX50(353)
若者にターゲットを絞り、クラス初のダブルクレードルフレームに新設計のヤマハはトルクインダクションと表記するピストンリードバルブエンジンを搭載したヤマハ初の本格的な専用設計ゼロハンスポーツ。キャブレターもクラス最大級のφ16mmで、タコメーター標準装備、メインスイッチとハンドルロックとシートロックが共通のリバーシブルキーになるなど、当時の最新装備を満載していた。同様の構成でトレールモデル風のMR50も同時発売、「FXのライバルはMR、MRのライバルはFX」というスタンスで販売された。また、当時大流行したミリタリー調の振り分けサドルバックプレゼントの新製品キャンペーンも実施された。当時のヤマハ車はF=50クラス、A=125クラス、D=250クラス、R=350クラスと排気量を、X=ロードモデル、T=トレールモデルと用途を区分しており、この組み合わせが車名となっていた。
RD50(481)
1973年の第20回東京モーターショーに、4気筒ロードレーサーTZ750、4ストローク大排気量のTXシリーズ(500、650、750)、ニュートレールモデルのDTシリーズ(90、125、250、360)、本格的なトライアラーTY250Jなどと共に展示されたのが、小排気量2ストロークスポーツのRDシリーズ(50、90、125)。RD50はFX50の進化版で、基本的な仕様、デザインは受け継ぎ、当時としてはクラス唯一の油圧式フロントディスクブレーキを新たに装備。車名は排気量と用途を示すそれまでのものから、シリーズ名+排気量表示に改められ、翌年の3月から販売が開始された。
RD50Ⅱ(481)
パッソルが登場し、幅広い層に原付ブームが広がっていったこの年、RD50はクラス最大の25Wヘッドライト、ウインカーも10Wで大型化、新形状テールランプにリレーも信頼性の高い熱線スナップ式、フライホイールマグネトーの出力アップなど電装系の強化と、フロントリフレクターの大型化、ブレーキのリザーバータンクが半透明のビス止めタイプ、フロンフォークアウターチューブに伸びきり音防止装置と新形状バックミラーの採用など各部をアップグレード。車体色はシルバーダスト、チャピィレッド。主要諸元の変更はないが価格は119000円にアップ。
RD50(2U2)
前後18インチにアップしたこのモデルから、エンジンは新たに3枚式のリードバルブを採用、最高出力は6.3psで変更ないが、ポートタイミングの変更などにより発生回転数は500rpm低くなり、最大トルクは0.51kg-m/8500rpmにアップ。シリンダーヘッドフィンも大型化された。キャブレターはドレインコック付きの新型、エアクリーナーボックスの樹脂化、ブレーキキャリパーを後方支持、ブーツを廃止した新型のフロントフォーク、リアショックは2段式コイルスプリングで減衰力をアップ、ニューデザインのメーター、シートカウルに小物入れ新設など各部の熟成化と改良が行われた。
RD50SP(2W1)
18インチ化されたRD50に、4月1日に認可されたばかりの7本スポークのアルミ鋳造一体成形のキャストホイールを装備し、GX400SP、GX250SP、XS750スペシャルと共にキャストホイール装着第一弾として登場。ゴールドのホイール、専用カラー、角形バックミラー、角形ウインカーはRD50SPの専用装備。価格はワイヤースポークホイールモデルの18000円高。
RD50(2U2)
ワイヤースポークホイール仕様のRD50は、キャストホイール仕様のRD50SP登場に半年遅れてグラフィックを変更。新たにメーターの照明がオレンジ色になった。車体色はマーカインレッド、ニューホワイト。主要諸元、価格は変更なし。
RD50(4M9)
これが最終型となったRD50では、CDI点火を新たに採用。ウインカーレンズの大型化、リアブレーキに指針式ライニング摩耗インジケーターの追加、パワーレバーの採用などの熟成化で有終の美を飾った。
1980年7月 RD50(4M9) バウンティブルー
[青春のゼロハンスポーツ図鑑Vol.2 HONDAその2(4スト編)|Vol.3 YAMAHA空冷編|Vol.4 YAMAHAその2(水冷編)]