2017年6月6日
第3回 JAIA輸入二輪車試乗会 注目マシンをピックアップ試乗
Harley-Davidson FORTY-EIGHT
■試乗&文:濱矢文夫 ■撮影:依田 麗
■協力:Harley-Davidson Japan http://www.harley-davidson.co.jp/
JAIA 日本自動車輸入組合 http://www.jaia-jp.org/motorcycle/
JAIAが開催している“輸入二輪車試乗会”。現在国内販売されている外車の最新モデルを一堂に集めて試乗しようという嬉しいイベント。で、その中から注目マシンをピックアップ試乗。今回はHarley-Davidson FORTY-EIGHTだ。
『2017年のHarley-Davidson Forty-Eightは、ファットなフロントエンドからキャストアルミホイールまで、これまで以上にローダウンしたDark Customスタイルで登場。
私たちは作り直したのではありません。再度登場させたのです。
この象徴的な7.9リットル(2.1ガロン)のガスタンクが初めて登場したのは1948年でした。人々はそれまで、そのようなタンクを一度も見たことがなかったのです。ブルドッグのような独特のスタンス与えられたHarley-Davidson Forty-Eightには、パワフルな1,201cc、Evolutionエンジンが搭載されています。大径49mmのフロントフォーク、調整可能なリアサスペンション、フローティングローターとパワフルなブレーキを備えたアルミキャストホイール。これらすべてが、このどこを見ても重厚なスタイルに素晴らしいハンドリングと快適さをもたらしています。』(Harley-Davidson JapanのWEBサイトより)
前後16インチホイールにファットなタイヤ。それもあってスタンダードのスポーツスターより低く構えたスタイル。小さく特徴的な造形をしたピーナッツタンク。FORTY-EIGHTは発売されてから、すぐに人気が出てHARLEY-DAVIDSONを代表するヒット作になっている。その理由は目の前にしても単純明快、カッコイイからである。コンパクトなスポーツスターのエンジンと車体があったからこそ、このスタイルが成り立っている。
5年ほど前だっただろうか、登場したときにも試乗をした。その後も乗る機会はあって、これで何度目だろうか。乗って片道500kmくらいの長距離ツーリングにも行ったこともある。走り出してしみじみと感じたのは、初期のものと比べて乗り心地が良くなったことである。ちょっとしたギャップで体が揺すられていたのが、突き上げが小さくなって、滑らかに進めるようになり快適になった。
歴史のあるスポーツスターのVツイン、エボリューションエンジンは、国産モデルではまず体感できない爆発してピストンが押し下げられているのがダイレクトに伝わってくるはっきりとした鼓動感と、か動き出しがしっかりとしたトルクで、乾いた排気音と伴って前に進む。足を前に投げ出すフォワードコントロールだけど、車種によってたまにある、身長170cmで短めの足にとって遠すぎてペダル操作がやりにくいなんてことはない。低いスタイルとトレードオフで、ロードスポーツモデル乗りの感覚だとバンク角が狭い。コーナーではあまりにも早くペグを路面にぶつけるので、コーナーへの侵入は速度をしっかり落としてから。旋回したらハーレー特有のトラクション性能の良さがあるから、早めにスロットルを開けて直線につなげる走り方。
インナーチューブ径49mmのフロントフォークを使うフロント足周りも、フレームも急減速時でもへこたれる感じはなく、かなり強めにやっても安定したもので、タイヤが音を上げるかなという時にABSがちゃんと仕事をしてくれる。一言で”オートバイ好き”と言ってもいろんな好みがあって、走りについては立ち位置により意見が分かれそうなオートバイ。見た目も含めそれだけ個性的であるということだ。乗っている時間が伸びていくほど、FORTY-EIGHTに取り込まれるように、合わせた操縦をするようになって、そのロースタイルに合わせた姿勢になっていき、いろいろなことが気にならなくなる。
(試乗・文:濱矢文夫)