2017年5月25日
スズキがスポーツアドベンチャーツアラーの新型V-Stromシリーズを発売
スズキは、スポーツアドベンチャーツアラーとして人気のV-Stromシリーズをフルモデルチェンジして、V-Strom 650 ABS/650XT ABSを5月30日より、V-Strom 1000 ABS/1000XT ABSを6月26日より発売開始すると発表した。
この新型V-Stromシリーズは、昨年秋のインターモトで発表したニューモデル群で、いよいよ待望の国内発売開始だ。ただ、ミラノショーでデビューしたV-Strom 250の方は、まだしばらくお預け。スズキの本気度120%の250アドベンチャーを首を長くして待っている方は、どんどん予約を入れて盛り上がりましょう。
それはともかく、新型V-Stromシリーズの特徴は、V-Strom一族の血統をより鮮明としたイメージデザインの統一と、平成28年国内排出ガス規制に対応する新エンジンがメインだ。スポークホイール仕様の「XT」のモデル設定にも注目だ。
国内販売の中心となるであろうV-Strom 650 ABSでは、出力の向上、トラクションコントロールの新採用が最大のポイントだ。Vツイン、645㏄エンジンの基本スペックは変わらないが、SV650で培われた数々のテクノロジーをフィードバックすることにより、よりクリーンでありながら出力とトルクの向上が図られている。排気側カムシャフトなどはまさにSV650と全く同一のものが使われているという。
前輪、後輪の各速度センサーに、スロットルポジションセンサー、クランクポジションセンサー、そしてギアポジションセンサーという5つのTCセンサーの情報により、リアタイヤのスピンを検出、速やかにエンジン出力を調整する“トラクションコントロール”は、2つのモード+オフが選択可能だ。ワンプッシュでエンジンを始動できる“スズキイージースタートシステム”、発進時のエンジンの落ち込みを感じくくし安心感を与えてくれる“ローRPMアシスト”なども採用された。
フラグシップモデルのV-Strom 1000 ABSでは、制動時の姿勢をより安定させてくれる“モーショントラックブレーキシステム”に注目だ。従来からの“トラクションコントロールシステム”の採用により加速時のホイールのスリップをコントロールしてくれるのは同一だが、今回、新たに採用された“モーショントラックブレーキシステム”でABS側も進化し、前後輪で協調作動するシステムに発展。バンク角にも応じて前輪のABSと後輪のABSの制動力を自動でコントロールし、より最適なブレーキング性能を発揮できるように制御してくれるという。
今回、V-Strom 650 ABS、V-Strom 1000 ABSに新たにシリーズ設定された「XT」モデルはワイヤースポークホイールが採用されたタイプで、路面からのショックの吸収性能がより向上し、オフ走行の機会が多いライダーに向けたといえるモデル。ただタイヤサイズは、フロントに110/80R19M/C 59V、リアに150/70R17M/C 69Vとシリーズ全体で共通となっている。(V-Strom 650のみ対応レンジが59H/69Hと異なっている)
650シリーズでは3代目、1000シリーズでは5代目となる、この新型V-Strom 650 ABSとV-Strom 1000 ABS、注目点はまだまだあるが、さすがスズキならではの最大のトピックは、なんと両モデルとも価格据え置きのプライス設定ということかもしれない。ちなみにV-Strom 650 ABSは、907,200円、V-Strom 650XT ABSが、950,400円、V-Strom 1000 ABSは、1,404,000円、V-Strom 1000XT ABSが、1,447,200円という設定だ。年間目標販売台数は、V-Stromシリーズ合計で960台。