2017年6月23日
歴代カブ報道体験試乗会
カブシリーズ間もなく生産累計1億台・その5 1964年 トレール90CT200
●撮影:富樫秀明
●取材協力:Honda・ホンダモーターサイクルジャパン http://www.honda.co.jp/motor/
ホンダコレクションホール http://www.honda.co.jp/collection-hall/
スーパーカブをベースに山や草原を走るトレールバイクとして、ブロックタイヤや駆動力が増すスプロケットなどを装備するCA105Tが北米で人気を博すが、1964年に海外市場で登場したトレイル90 CT200は、そのキャラクターをより鮮明にしたモデル。同年は90ccクラス初のOHCエンジンを搭載したスポーツバイク・CS90が登場しているが、CT200にはOHVエンジンを採用。カブCM90用ではなく、ビジネスモデルC200用をベースとするため、ミッションは4速となる。
シリーズ最大排気量のカブCM90用をベースとする車体に、エンジンガードやアップマフラーを装備。見た目に特徴的な大きなリアスプロケットは、取り外してチェーンを詰めることでハイギアーな走行も可能としている。副変速機を備える後のCT90、CT110の祖となるモデルだ。
CT200の前後に採用された2.75-17 というタイヤはCT110、さらには現行クロスカブに至るまで長きに渡り、レジャー系カブに継承されている不変のサイズとなった。
CTシリーズは副変速機など、特有の機構を搭載することでもお馴染みだが、CT200は後輪ブレーキを手と足で操作することが可能。自動遠心クラッチなので、ハンドル左のレバーはリアブレーキ用となる。この機構はOHCエンジンを搭載した後継モデル・CT90の前期モデルにも継承された。ステップ形状も独特だ。
実際に走ってみると、4速ミッションはボトムニュートラルのため扱いやすい。加えて90エンジンの豊かなトルクによって、今回の試乗モデルの中ではもっとも力強い走りを見せてくれた。
[その4 1960年スポーツカブC110|その5 1964年トレール90CT200|その6 1967年スーパカブC50]
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